明鏡   

鏡のごとく

機織り

2022-03-23 21:24:02 | 
柳川で機織りをしている人がいた
うなぎが桶の中で行ったり来たりしているように
縦糸の間を行ったり来たりしている横糸
ほりわりの水の中
うなぎのぬめりはとけだして
緑に色づく布となり
柳暖簾を風が通り抜けるように
かすかな吐息を絡め取りながら
美しい一つの布になっていくのです
行ったり来たりするたびに
魂も糸と糸を通り抜けていくのです
あなたの魂も
あらゆる糸を引きついだまま
たぶん
そこにあります
緑の春も
赤い夏も
白い秋も
灰色の冬も
美しい布に乗り移り
あなたのように
かたんかたんと
足を踏みこむたびに
息づいていくのです


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。