ときだけはうごいていたとしりもせず いしのかぜにもはかなきたより
舞踏の夜
赤い紐がなみうつままの
火と火の間をかげがよこぎり
かべにのぼったままかえってこない
ひとはひとのかげを
かべにうつしこみ かべとかす
みゃくみゃくとうごめく
その音とおどっていた
帽子を脱いだ 赤い紐とかげの分身
みあげたら
火の路のトンネルのてまえのような
半分に切り取られた三日月がころがり
赤い紐がなみうつままの
火と火の間をかげがよこぎり
かべにのぼったままかえってこない
ひとはひとのかげを
かべにうつしこみ かべとかす
みゃくみゃくとうごめく
その音とおどっていた
帽子を脱いだ 赤い紐とかげの分身
みあげたら
火の路のトンネルのてまえのような
半分に切り取られた三日月がころがり
手紙をおくってくれんね
あてさきがわからんっちいうとか
おれがくさ
せわになっとるひとんちにおくってくれんねっていうとうと
あてさきがわからんっちね
くぬぎって
歴史の歴に 木って かくったい
きいろいはながたれさがって
実はどんぐりどんぐりした
くぬぎもあるんやけど
れきしのきって 歴木ってかくったい
わかっとろうね
と
とおくまで聞こえるくたばりそうもない声の主
あてさきがわからんっちいうとか
おれがくさ
せわになっとるひとんちにおくってくれんねっていうとうと
あてさきがわからんっちね
くぬぎって
歴史の歴に 木って かくったい
きいろいはながたれさがって
実はどんぐりどんぐりした
くぬぎもあるんやけど
れきしのきって 歴木ってかくったい
わかっとろうね
と
とおくまで聞こえるくたばりそうもない声の主
母はまだ
東京の空のした
うずくまっていた
うそはうそかえしんじのよるのように松明に照らされ
いっぽんの糸にひきつりながら
逆さまに吊された
空にはなにもなく
がらすごしに
アンテナだけがゆれていた
うそはうそなりに
回転軸のまわりを
ものわすれしたみたいにまわっていた
東京の空のした
うずくまっていた
うそはうそかえしんじのよるのように松明に照らされ
いっぽんの糸にひきつりながら
逆さまに吊された
空にはなにもなく
がらすごしに
アンテナだけがゆれていた
うそはうそなりに
回転軸のまわりを
ものわすれしたみたいにまわっていた