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明鏡   

鏡のごとく

舞踏の夜

2009-09-26 22:31:08 | 
舞踏の夜
赤い紐がなみうつままの
火と火の間をかげがよこぎり

かべにのぼったままかえってこない 
ひとはひとのかげを
かべにうつしこみ かべとかす

みゃくみゃくとうごめく
その音とおどっていた
帽子を脱いだ 赤い紐とかげの分身

みあげたら 
火の路のトンネルのてまえのような
半分に切り取られた三日月がころがり

くぬぎまで

2009-09-25 22:09:41 | 
手紙をおくってくれんね

あてさきがわからんっちいうとか

おれがくさ

せわになっとるひとんちにおくってくれんねっていうとうと

あてさきがわからんっちね

くぬぎって

歴史の歴に 木って かくったい

 きいろいはながたれさがって

 実はどんぐりどんぐりした

 くぬぎもあるんやけど

れきしのきって 歴木ってかくったい

わかっとろうね

 と 

 とおくまで聞こえるくたばりそうもない声の主

母はまだ

2009-09-24 14:29:43 | 
母はまだ  
東京の空のした 
うずくまっていた 

うそはうそかえしんじのよるのように松明に照らされ
いっぽんの糸にひきつりながら
逆さまに吊された

空にはなにもなく
がらすごしに
アンテナだけがゆれていた

うそはうそなりに
回転軸のまわりを
ものわすれしたみたいにまわっていた