明鏡   

鏡のごとく

『男嫌い』

2014-07-30 12:20:50 | 小説
女はひどく男が嫌いであった。
女が好きなわけでもなかったが、とにかく男が嫌いであった。
特に、気色の悪い目で、女を舐めまわすように見る男が嫌いであった。
つけ回す男も嫌いであった。
壁に近づく男も嫌いであった。
上から見下ろす男も嫌いであった。

女はなぜ、男が嫌いになったのか。
よくわからなかった。
愛想がよく器量がいいわけでもなく、人と話すことが苦手で、口ごもるくせがあるので、自ずと人を避けるようになったせいかもしれないが。

ある女の子の言葉から、ふと自分の中に巣食っている、あることに気づいたのである。

夏の日の午後、暑さにやられてぼんやりと公園のベンチに座っていると、近所に住むボール遊びをしていた小さな女の子が、女の方にボールが転がってきたのを取りに、ちっちゃく走りながら、女を一目見て、やっと玉を見つけたみたいに、不意に打ち明け話をされた時のことであった。

あのね、わたし、きのう、こわいゆめをみたの。
泥棒がちいさな女の子を連れて、うちにやってきたの。
本当に、こわかった。

女の子は、それを誰かに伝えたかっただけなのか、ボールを拾うと、また無邪気にむこうにいってしまった。

知っていた女の子であった。

以前、風のうわさで、この辺りに変質者が出て、女の子に悪さをしたというので、近所の者達が血眼になって犯人を探したことがあった。
その甲斐があってか、犯人は捕まったのであったが、それ以来、女の子が一人でいると、気が気でなくなる、一種の強迫観念が、近隣界隈にはびこっていた。

女の子が、一人で壁打ちをしている。 
夕暮れの間延びした影と一緒にキャッチボールしているみたいに見えた。

あの壁には近づかないほうがいい。

女は、不意にそう思った。

そっちに行ってはいけない。

女の中の、小さな何かが叫んでいた。

そっちに行ってはいけない。あいつがやってくるよ。

女は、白日夢にうなされているような気になった。

この暑苦しい夏の日に、あの女の子が壁に向かって投げつけている影。

あの影こそが、彼女の言う夢にでてきた泥棒であり、それがいなくなるように、執拗に、それに向かって打ち付けているようにも見えた。

その時、女は、女の子と一緒にその影が何だったのか見つけたのであった。

かつて、少女であった女が、家の影につれていかれて、男に無理やり口に押し付けられたものが、なんであったのかが、蘇ったのであった。

男が嫌い。気持ち悪い。出て行け。近寄るな。

ボールが打ち付けられるごとに、女は寝言のように吐き出した。

男が嫌い。気持ち悪い。出て行け。近寄るな。

女の子は、夢の中から引きずり出してきた泥棒の影に、薄らぼんやりとした影に、女の中の女の子と一緒に、その影に復讐しているようでもあった。








おばばかである

2014-07-30 10:56:46 | 短歌
おばばかであるとおもうがいやされるえがおがみたいとおもうものです

https://www.youtube.com/watch?v=k4bYmxnI_GU
https://www.youtube.com/watch?v=Lq9Iw-ziVbs
https://www.youtube.com/watch?v=Z2Zkun6K7m8
https://www.youtube.com/watch?v=XffiBZ5PD-0
https://www.youtube.com/watch?v=1hytOJRfO6k
https://www.youtube.com/watch?v=gT4JZSDsitw
https://www.youtube.com/watch?v=ovlZaJWUO1c#t=19
https://www.youtube.com/watch?v=h2KeY43O5_U
https://www.youtube.com/watch?v=BMjuPBARGHg
https://www.youtube.com/watch?v=QJf6EB59tq4