明鏡   

鏡のごとく

茅葺屋根廻り

2017-06-24 20:26:58 | 詩小説
今日は雨で現場の仕事ができず
かつて親方と先輩方が仕事をされてきた
茅葺屋根を拝見しに伺う
親方や先輩方がされていたとは知らないまま
見ていた茅葺屋根が多く愕然とする
いつもそばにいるだけで癒されていたものを
作ってきた方々であり
そこに住む人を守る仕事であり
そこに住む人も守り続けている暮らしを
支え続けているのである
いいものを見せていただき
残していただき
心から感謝する
見てみたいと思っていた老松神社も今日拝見できた
兜のような屋根に強く惹かれた
その両脇にある老木が
まだ生きてじっと見守るように立っているのが殊の外いい
昔からそこにあったのであろうことを思うと
なおのこと愛おしくなるものである

傷口

2017-06-21 23:43:45 | 詩小説
父母の家のるーふばるこにいに亀裂が入り
その透明な亀裂の穴埋めに
透明な撥水性のテープを貼りに行くも
姉夫婦が貼ってくれていたものだから
雨漏りはしていなかった
見えない地震の亀裂のように
雨水だけが教えてくれる
見えにくい傷口は
消えることなく
雨水と太陽の熱に
剥がされないように
傷口を塞いでいた

段差

2017-06-21 23:36:05 | 詩小説
右半身不随の父
段差を超えて廊下を歩く
この段差の山の上に滑りにくいマットを敷くと歩きやすいけん
と言いながら山を越える

店の中に入る時も
二十センチの段差があり
左足から二十センチを超えていく
後から右足がくっついていく

そうして
最後には
たどり着くのだ
おもいを持ち越して