あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

少年ジャンプ40号ちょこっと感想。

2018-09-05 01:30:00 | その他感想・考察

 【Dr.STONE】
 クロム大活躍の巻。
 檻に用いられていた竹棒まで脱出に用いるとは巧いなあ~。
 しかも単純真っ直ぐ人間代表格なクロムが、まさか「騙す」という手段を用いるとは☆
 良い意味で意外性と納得性豊かな脱出劇でした。



【鬼滅の刃】
 まさかの事実判明。
 甘露寺さんと伊黒さんが仲良しだったなんて意外すぎて意外すぎる・・・!!(←日本語が)
 これで柱達の人間関係も大分見えてきましたね。
 あと不透明なのは岩柱の悲鳴嶼くらいでしょうか。
 玄弥と接点はあるみたいですけども。



【火ノ丸相撲】
 火ノ丸!人気投票第一位獲得おめでとう!!(><)
 良キャラばかりなので主人公以外の順位が全然予想出来なかったのですが、刃皇が二位とは意外でした。
 この結果は刃皇ファンもそうですが、川田先生も喜んでいそうな気がします。

 さて。
 普段はあまりにも素晴らしくて。あまりにも完成度が高すぎて。下手に感想を述べるのが畏れ多い作品なのですが、今回は敢えて述べさせてもらいましょう。

 いや嬉しい。 

 やっと火ノ丸のこの笑顔を見ることが出来て。
 レイナの言う通り、今の火ノ丸は負けるウ゛ィジョンがまるで浮かびませんね。(^^)
 今回の対戦相手が良くも悪くも自由な兵藤だったというのも良いタイミング。
 相手は自分の思うままに楽しんでいるのに対し、火ノ丸は仲間がいるからこそ楽しめている。
 この対比性が巧いと思います。
 真剣勝負でありながら伸び伸びとした勝負にもなりそうで楽しみです♪



【アクタージュ】
 個人的にアキラ君はこの作品の良心だと思います☆
 クセのあるキャラ揃いだからこそ、ああいう真っ当なキャラは大事だと思うんですよね。

 さてさて、ここで千世子ちゃん訪問ときましたか。
 ・・・。
 なんか笑顔で叱られそうな気しかしないんですけど。(^^;A)



【ブラッククローバー】
 フエゴレオン隊長復活キターーーーー!!
 しかもサラマンダーまで従えて!!
 めっちゃ燃える!
 既にめっちゃ燃えてるけど!(←)
 もう次回への期待全開です!



【食戟のソーマ】
 おー!やっと[イケメンカルテット]揃い踏みだー♪
 そうそう、こういうやり取りが見たかった・・・!!
 特にタクミは葉山や黒木場と全く交流が無かったから、そこが凄く楽しみ♪
 ・・・と思ったのも束の間。

 はあ・・・、ここでもえりな推し展開を捻じ込むのね・・・。

 ラストの謎キャラはWGOの最高責任者といったところでしょうか。(欠伸しながら)



【ゆらぎ荘の幽奈さん】
 なんか急に『ド●ゴンボール』の戦闘力や『シャーマ●キング』の巫力のような「力の数値化」が提示されましたね。
 それ自体や、各キャラの数値を特に追及するつもりはありませんが・・・
 言及しておきたい点が一つだけ。

 「今」のコガラシの数値だけは提示されてませんね。

 これはやはりアレですか?
 作中最強キャラはやはりコガラシということですかそうなんですか?(ワクワク♪♪♪)

 


『食戟のソーマ』 五周年記念考察 ~作品と主人公の終着地点~

2018-05-27 10:30:00 | その他感想・考察

 さて、此の度ようやく終わりを迎えた遠月革命編。
 創真達反乱軍の勝利は予想通りでしたが、創真とえりなの着任には良くも悪くも驚かされました。
 ということで。
 「過去」「現在」と続けてきた五周年記念考察のラストは、そんな驚きの立場に就くことになった創真達をこの先待ち受けているのはどんな展開か、そして主人公創真とこの作品『食戟のソーマ』は果たして何処へ辿り着くのかという「未来」についての考察を述べさせて頂きます。



【創真やえりならの新たな立ち位置】

 長きに渡る連帯食戟の末に、勝利を手にした創真達。
 その暁に得たのは、仲間達の復学と共に
 えりなは遠月学園総帥の座
 そしてなんと
 創真は遠月十傑第一席の座
 だったという。

 いや~この展開には驚かされましたね。
 てっきり第一席はえりなになり、創真は実力的に見て第5~6席ぐらいになるかとばかり思っていたので。
 まだ学生という若さで総帥の座に就いたえりなもですが、史上最年少かつ最速の十傑第一席を獲得してしまった創真も大概なものがあります。

 でも。

 創真と同様に、私も創真のこの着任を素直に喜ぶことは出来ませんでした。
 何故なら、作中で創真本人が言っていた通り、まだ遠月学園には創真より上の実力者が数多くいるからです。
 酷い言い方になってしまいますが、創真は純に実力で十傑第一席の座を勝ち取ったわけではなく、えりなのおこぼれに預かっただけなんですよね。


 では、そんな現状の中で何故附田&佐伯先生は創真を敢えて第一席に就かせたのでしょうか。
 ・・・それは多分

これからの展開において、創真が「遠月学園の生徒代表」である必要があるという事なのでしょうね。


 これまでの考察で幾度も述べてきたように、この作品のこれからの舞台は「世界」へと移っていくであろうと私は考えています。

 遠月学園が「世界」を相手にしていくのならば。
 同じく「世界」を相手に挑んでいくであろう創真もまた、十傑第一席という形で遠月学園の代表にさせなければならなかったのでは。


 一方でえりなも前回の記念考察で述べたように、遠月学園の象徴です。
 その役割を公の形にさせるため、この機に総帥という「遠月学園そのものの代表」に就かせたのでしょう。


 そしてまた、恵やタクミ、一色先輩らも新生十傑に加わることになります。
 彼らも創真やえりなと共に遠月学園を代表する者達として「世界」を相手にしていくことになるのでしょうね。




【十傑第一席という立場の利得と弊害】

 こうして、目指していた目標ではあったものの、望まない形で十傑第一席の座を手にすることになった創真。
 十傑第一席の利点はというと、第119話で述べられていたように絶大な権限や財力の行使権がまず挙げられるでしょう。
 それだけではなく、料理界における知名度も大きく広がり、ひいては将来の約束もされたも同然に。

 で・す・が。

 当時も述べているように、創真にとってはそんな権力も知名度も不要のものなんですよね
 創真が求めているのは、第一席という「てっぺん」に立つことによって新たに見える景色なのですから。
 では、この度の就任において、創真は果たして新たな景色を見ることが出来るのでしょうか?

 ・・・まあ、これについては半々といったところでしょうかね。
 十傑第一席に就いたことによって「世界」に赴く機会が増えるならば、まさに創真が期待していたようなこれまで知らなかった世界、知らなかった技量や考えを持つ料理人に出会えるに違いありません。

 ですがその反面、これまでの城一郎や司といった十傑達の描写から窺えるように、その「特権」故の「義務」も受け持つことになります。
 これは創真にとってはストレス以外の何物でもないでしょう。
 っていうかですね。

 創真が真面目にデスクワークに勤しむ姿なんて
 ぜんっっぜん
 まっったく
 ちっっとも
 似合わないし。(注:栗うさぎは創真ファンです)


 ちなみに城一郎や司が「荒野に迷ってしまった原因」については、私は特に心配していません。
 彼らは自分の料理を理解されないことに疲弊、もしくは苛立ちを募らせていましたが、創真は「客」に対してはある意味で物凄く謙虚な子です。
 自分の料理の事を理解してくれているかどうかは二の次。
 ただ「美味しい」と笑顔で食べてくれればそれでいい。
 といった考えの持ち主だと思うんですよね。(^^)

 ただ、やはり創真は自由気質な子なので、堅苦しい上流層の料理界は肌に合わないでしょう。
 ならばどうするか。
 そこはやっぱり創真ですから・・・
 変えるのかな、と。

 
そもそも創真は十傑の「特権」なんてものには興味がありませんから・・・
 十傑の「特別さ」を解消させようとか考えたりして☆




【“新生”遠月学園はどうなるか】

 創真は「ああいう性格」の子ですから、これまでのイメージから逸脱した第一席になるのは想像に難くありません(苦笑)。
 ですが今、遠月学園は大きな変化を迎えました。
 総帥も。
 十傑陣も。

 これは前回の記念考察内で述べた事とも繋がりますが、薊が仙左衛門を失脚させ新たな教育メソッドを掲げたことは、旧体制の問題点を浮き彫りにさせたということでもありました。
 ですが薊が退き、仙左衛門も退任のままとなり、新たな総帥となったのはえりな。
 えりなは「総帥」であり「現生徒」でもあるという、遠月学園内の上下両方を兼任する立場になったわけです。
 少し前までのえりなであったならば、もし総帥になったとしても目指すのは遠月学園のより高い繁栄と栄光のみで、教育システム自体はそのままにしていたことでしょう。(いやもっと厳しくしていたかも・・・)
 でもえりなは創真や極星寮の仲間達といった一般生徒と同じ世界に身を置いたことにより、居場所を失う者達の悲しみを、力づくで無情に切り捨てられていくことの酷さを目の当たりしました。
 今のえりななら、これまでの遠月学園の在り方について改めて考え直してくれると思うんです。

 そしてきっと、他の新生十傑達もその改正に賛同してくれるのではないのでしょうか。
 タクミや恵、一色先輩や女木島先輩らは十傑の権限には特に固執していませんし、何より仲間思いな人達ですから。
 まあ、久我あたりは多少不満を零すでしょうが、それでも説得すれば了承してくれる人物でしょうしね。


 薊の支配は傍迷惑なものでしたが、それはある意味では必要な事だったわけです。




【これからの展開への布石】

 さて、ではこれからどんな展開が待ち受けているかを具体的に考えてみましょうか。
 その点についてはこれまでのストーリーの中で、布石と思われしものが既に幾つか置かれています。

 まず挙げられるのは、二学期中に進級試験が行われたという時期の早さ。
 第167話で創真が言っていた通り、一般的に進級試験は三学期に行われるものであり、このタイミングは随分と早いと言えます。
 これは十中八九、三学期に何か別の大きな学校行事があると考えるべきでしょう。
 これが「世界」に繋がるイベントになるかどうかはまだ分かりませんがね。

 あとは、第196話で語られていた世界若手料理人選手権『BLUE』。
 これはまさに「世界」に照準を当てた戦いの舞台としてはうってつけ。
 城一郎がかつて棄権した大会という意味でも縁がありますしね。
 それに・・・
 『BLUE』の参加可能年齢は35歳以下だそうだけど・・・。
 ・・・四宮って確か29歳だよね(ボソ)。


 他にも、「世界」を照準に考えれば
 城一郎の軌跡
 薊のパイプ
 四宮の軌跡
 等々、これまでの人脈を辿れば伏線は幾らでも繋げられると思います。

 ま。

 これまでいかにも意味ありげに張られていた伏線があっさりスルー★なんてこともザラにありますけど。(←)




<創真が選ぶ「未来」>


 とまあ、ここまで創真の新しい遠月学園の立場を中心に語ってきましたが、「未来」を考える上で外せない項目の一つに
 創真は果たして遠月学園を卒業するのか?
 というのが挙げられると思います。

 私の記憶が正しければ、附田先生はツイッターだか何処かでこのような旨のコメントをなされていたんですよね。

 「『食戟のソーマ』という作品は、幸平創真という人間の高校1年生の時を切り取った物語として終わる、かもしれない」と。

 正直なところ、附田先生のこの発言を聞いた時は

 え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?
 と、そりゃもう残念に思いましたよ、心底。

 遠月学園という料理学校を舞台にしたこの作品が、卒業という有終の美で終わるとは限らない、という附田先生のお言葉は正直なところショックでした。
 ですが、その一方で

 いたく納得する自分もいました。

 これまでも創真の“器”については何度も語ってきましたが・・・



 創真は「十傑」という組織内に収まるような器ではないと


 「遠月学園」でさえも収まりきれない器だと思っていますから。

 

 えりなとの約束もありますし、創真は2年生にはなることでしょう。(第172話
 ですが卒業までずっと遠月学園にいるかと問われれば、確かに私も断言はできません。

 ここらが『幸平創真』という主人公の「王道性」と「邪道性」の物凄く絶妙なバランスなんですよね。
 読者が期待するような「王道の未来」を選んだとしても、読者が唖然とするような「邪道の未来」を選んだとしても、冷静に考えれば「創真らしい」という言葉で纏めることが出来るという絶妙さが。
 ホント附田&佐伯先生は厄介で難しくて味わい深い主人公を生み出してくださったものです(苦笑)。



 そんな、果て無き荒野をどこまでも歩んでいくであろう創真。
 でも。
 そんな果てしない旅に進んで赴く子だからこそ、大切にしてもらいたいのが
 「帰る場所」。

 それは実家である『ゆきひら』であり・・・
 いずれは「ただ一人の大切な人」になっていく筈。

 この作品で掲げられている二つの指標。
 これからの展開でより一層、「自分一人の世界から多くの人との繋がりへ」という“拡大”が扱われていくならば。
 それと等しく「自分の全てを一人の人へ」という“収束”についても是非掘り下げてもらいたいところ



 あ、ちなみに遠月革命編ではこれでもかと言わんばかりにえりなが出張っていた目立っていましたが


恵を推す私の考えは1ミクロンも揺らいでません。



 何故かって?

 だって、この作品の最大の鍵は「出会い」

 

恵は、創真が誰かとの「出会い」を果たす際には必ず傍にいますから。

 

 

 

 さてさて。
 約半年に渡って述べてきた五周年記念考察は、これにて完結です。
 通して読んでくださった方にはひたすら感謝しかありません。本当にありがとうございました!!


 料理面や人物面、主観視点や俯瞰視点等、様々な角度から創真を、そしてこの作品を見続けてきましたが、初期の目標「十傑第一席の座の獲得」が一応果たされた今、創真とこの作品は一体これからどんな道を歩んでいくことになるのでしょうか?


 この機に改めて言わせてもらいましょう。

 どんな紆余曲折があろうとも
 私が創真に。
 この作品に。
 心から望んでいるのは

 

「ごちそうさま」と笑顔で見納められる終着だと。(⌒-⌒)

 

 


『食戟のソーマ』 五周年記念考察 ~遠月革命編における主人公達の錯綜~

2018-02-23 20:00:00 | その他感想・考察

 気が付けば随分とご無沙汰になっていたソーマ感想。
 ジャンプ本誌の方でもやっと5周年記念を祝った事ですし、私も五周年突破記念考察の第二部を述べさせて頂きましょう。

 大変お待たせいたしました。
 今回は「現在」にあたる遠月革命編についての予想と考察です。



 現在ジャンプ本誌で進行中の遠月革命編。
 約二年半前にあたる2015年秋から始まり今を以ってしても続いているという、秋の選抜編さえも超える大長編になりました。
 それだけの長編だけあって、この章はメインヒロインの一人であるえりなと作品の舞台である遠月学園の“通常”が覆されるという、この作品自体の転換点ともいえる超重要な内容になっています。

 この[遠月革命編]という呼称は私が勝手に名付けたものですが、その理由は二つあります。
 一つは、この章の発起人となったえりなの父親:薙切薊の目的が遠月学園、ひいては日本の美食界の「改革」であること。
 そしてもう一つは、そんな薊の改革に対抗する創真達もまた「革命を起こす者達」であるからです。



【遠月学園の“失墜”】

 創真達が在学している食の学び舎であり、日本の美食界の最高峰に君臨する組織:遠月学園。
 仙左衛門を総帥とするそれは財力・権力・知名度といずれも日本全土に絶大な影響力を及ぼし、絶対不落ともいえる強大な勢力でした。

 それが。

 あろうことか十傑の謀反により落城してしまうとは、一体誰が想像していたでしょう。



 この展開に驚愕した読者はきっと多かったでしょうが、この事件はそんな読者が以前から抱いていた疑念点に正面から向き合ったものだったと言えます。

 卒業まで生き残れれば輝かしい将来が約束される遠月学園。
 ですがその反面、合格基準に満たされない者は容赦無く切り捨てられるという非常に過酷なシステムでした。
 そして読者からは、この実力主義のシステムに対して「“学校”として無責任すぎる、厳しすぎる」という意見が以前からずっと見られていました。
 薊が生徒達の従順化に成功できたのは、まさにその「過酷さ」を突いていたという。

 誰もが等しく高等技術を習得できるシステム。
 退学に怯えることなく、全員が安心して卒業まで至れる学業過程。
 そう掲げられた新体制に、実際作中の生徒だけでなく読者の中にも賛同する意見は多く見られました。


 つまり、ここに至って改めて問われることになったわけです。

 この『食戟のソーマ』という料理漫画において、「主人公が戦うものは何か」ということを。

 大切な場所を脅かす存在?
 それとも大切な人達を苦しめる存在?

 確かにそれも当て嵌まりますが・・・。

 この作品の連載が始まった時から、いいえ、読み切りの時から。
 ずっと、ずっと、創真が一貫して戦い続けてきたものがあります。
 それは

 偏見と固定概念。


 甘い言葉で誤魔化していますが、その実態は「薊の認めたもの以外は屑」という、差別と偏見と固定観念の塊である薊政権。
 これは生徒達に権力や技術といった「力」を与える代わりに、自由な発想や独自の工夫、自発性といった「自己(心)」を撤去させるものでもあるという。
 人の考えは千差万別です。それでも薊政権の方が良いと考える人もおられることでしょう。
 ですが。
 主人公のこれまでの歩みを振り返れば。
 少なくとも私は、薊政権を肯定することはできません。



 同年代の者達がぶつかり合うことで互いに磨き合う「学校」であった遠月学園。
 それが今や、「薊にただ従うだけの兵隊を生産する施設」に変わり果てることに。





【えりなの“失墜”】

 そして、突然の失墜に襲われた存在はもう一つありました。
 それが[氷の女王]と讃えられ、遠月学園と同様に才能・地位・名声といったあらゆる「最高」のステータスを手中にしていたえりな。
 常に自信に満ち、高慢で高貴で冷徹な「女王」。 
 ですがそんな「女王」たる姿は、父親である薊の出現により、恐怖という檻で跡形も無く失われることに。

 遠月学園の失墜と同時に起きたえりなの失墜。
 この事から見ても
 えりなは遠月学園を象徴する存在
 
と言えるわけです。




 そして。
 遠月学園のこれまでの問題点が浮き彫りにされたと同様に、『薙切 えりな』というキャラクターがこれまでずっと取り続けていた姿勢の問題点もまた、この事件を切っ掛けに浮き彫りにされました。

 私から言わせてもらえば、薊という人物は
 えりながこれまで担ってきた「敵」のポジションを代わりに担ってくれた存在です。

 庶民料理に対する見下し。
 悠然と相手を侮辱する態度。
 自分の価値観に合わない料理や人間に対する排他的思考。
 頑なさや非情さ。

 薊のそういった姿勢は、かつてのえりなと全く同じです。
 主人公と相対する「敵役」であると同時に「ヒロイン」でもあったため、作者側は敢えて主人公に対する態度だけに留め、直接的な排除行動はえりなに取らせてきませんでした。
 ですが、薊が「敵役」を代行したことによって、主人公に対する排除行動は本格化することになったわけです。



 これまで一切描かれることは無かった、怯え、委縮し、弱体化したえりな。
 薊から受けた壮絶な過去を。
 まるで別人のようなその姿を。
 一体誰が想像していたでしょう。

 もっとも、私はこのえりなの姿にあまり驚きはしませんでしたけど。
 むしろ。
 見栄や虚勢といった“仮面”が引き剥がされた、この表情こそがえりなの本当の顔とさえ思っています。


 えりなのアイデンティティーを形成していた「最高」、「高級」、「上流」、「完璧」といった要素。
 それらの要素を、これまでずっとえりなは遠月学園や料理に求めていました。
 えりなが頑にそれらの要素に固執していたのは、周囲の環境がそれを促していたため。
 そして父親の“教育”があったため。
 何より。
 自分が憧れた城一郎という料理人がそうであったため。

 ですが。
 これまで知らなかった世界に触れたことで彼女は思い知らされます。

 それは盲目的な思い込みであったということに。

 遠月を巡る今回の事件は、えりなの「土台(原点)」は如何に脆弱なものであったかというのを露呈させたわけです。





【遠月学園とえりなに必要な“変化”】

 こうして、作品の舞台である遠月学園とその象徴であるえりなはかつてないほどの“失墜”に陥ってしまったわけですが・・・。

 [ピンチはチャンス]という言葉があります。

 遠月学園もえりなもかつてない窮地に陥った今。
 だからこそ。
 変わるための最大の好機と言えるのではないのでしょうか。
 これまでのやり方の問題点に気付き、気付かされた今だからこそ。



 その変わるための鍵は言うまでもなく。

 これまで“異分子”として反目されてきた主人公『幸平創真』。

 これまでずっと確かな実力と共に明らかな功績を出していながらも、えりなを筆頭に遠月学園のほとんどの生徒達から認められてこなかった創真。
 それもひとえに、創真は定食屋出身かつ庶民料理を主体にしたスタイルの料理人という、エリート思考の強い遠月学園の風潮からしてみればあらゆる意味で異端な存在であったためでした。

 「創真は遠月に不要の存在」
 これはえりなが最初期に述べていた言葉です。
 そして遠月革命編が始まって最初の反逆の狼煙となった戦いでは、叡山も。

 ですが、本当は。
 そんな創真こそが真に遠月学園に必要な存在なのではないのでしょうか。

 何故ならば。
 例え自分よりも強者であろうが弱者であろうが分け隔てなく挑み、闘ったあらゆる相手から学び取ろうとする創真の姿勢は、まさに「原石たちがぶつかり合い磨き合う」という遠月学園の理念そのものなのですから。



 プライドの高いエリート揃いの世界だったからこそ、格下と見なされた人物は徹底的に蔑すまれ、格上と見なされた人物はどんな横暴も許されてしまっていた遠月学園の風潮。
 だからこそ。
 創真のような“隔たりの無い挑戦者”はその凝り固まった風潮を壊してくれるはずです。





【遠月革命編の「裏テーマ」】

 そんな遠月革命編ですが、この章でもこれまでの章と同様に隠された主題である「裏テーマ」が描かれています。
 私が見つけ出したこの作品の裏テーマ、それは

 「自我と情熱」。

 私がこれを裏テーマと考えたそもそもの切っ掛けは、月饗祭編のラストにあたり、この遠月革命編のプロローグにもあたる第132話【第一席の力】でした。
 この回では現第一席:司瑛士の料理人性が描かれていますが、その時に第二席:小林竜胆との会話を通して述べられていたのが“自分(自我)”と“熱”。

 十傑の一番手と二番手であり、ひいては遠月学園に在学する生徒の中で頂点と次点に君臨している司と竜胆先輩。
 この二人は遠月革命編の戦いの勝敗を左右する重要人物達です。
 その内の一人は不要と考え、もう一人は欲しているのが“自分”と“熱”なわけですが・・・。

 どんな逆境に立たされようが決して折れない“自我”と、人並み外れた“情熱”を持つ人物がいます。
 そう、それもまた創真。



 事実、これまでの遠月革命編の勝負の中でも創真の「自我と情熱」が相手に影響を及ぼす展開は随所で描かれています。
 決して揺らがない“我”の強さにセントラルへの引き入れを断念した司然り。
 迸るほどの“情熱”をぶつけられ目を覚まされた葉山然り。
 不屈の“自我と情熱”に連帯食戟への協力を承諾した女木島冬輔然り。

 そして上記で“失墜”した二つもまた、「自我と情熱」がキーポイントになっているという。
 薊による新政権、それは生徒達を安定した進学という名目によって支配することにより、生徒一人一人の「自我と情熱」を喪失させるものです。
 そしてえりなも城一郎に出会うまでは料理に対する「情熱」を一切持てず、“優等生”であろうとするが故に「自我」が未熟な子でした。



 創真を中心にこの章の全てにおいて描かれているファクター、それが「自我と情熱」。
 よって私はこのワードを遠月革命編の裏テーマとして掲げたわけです。





【遠月革命編における『スペシャリテ』】

 己が己であるために。
 己の人生は己で決めるために。
 こうして今現在、薊政権との決着を付けるべく連帯食戟に挑んでいる創真達。

 では果たして、一体どんな料理が最後の勝利を掴むのでしょうか?



 秋の選抜編で掲げられた『スペシャリテ(必殺料理)』。
 料理人にとって最高の一皿とされるそれが連帯食戟で最終勝利を掴む品になることは必然と言えましょう。
 そしてそれは「料理人の顔が見える料理」と定義されていました。
 しかし。
 薊政権の教育メソッドを受けた生徒が作り出した料理は、作った料理人の顔が思い浮かばず、浮かぶのは薊の顔のみだったという。
 この嫌悪感はやばかったです、個人的に。
 薊のやり方がいかに支配的か、料理人それぞれの個性を消し潰すものかということを痛感しましたね。


 そんな中創真は、ある闘いの中で「料理人の顔が見える料理」を創り出しました。
 それが葉山とのリベンジ戦。
 ネット界では評価がかなり悪かったようですが、私にとってこの闘いは遠月革命編中盤における最大の山場として評価の高い闘いでした。(まあ、確かにとんでもないツッコミどころはありましたけど)
 秋の選抜編では「大切な女性の有無」による“情熱”と“自分”との向き合いの差から勝敗が別れた創真と葉山。
 ですが創真はまだ「大切な女性」を見つけ出していないにも関わらず、このリベンジ戦にて「料理人の顔が見える料理」を創り出し見事勝利を掴んだという。
 それは何故かというと。
 創真は「大切な女性」ではなく、「敵対している相手」に真っ直ぐ向き合うことで“自分”と“情熱”の全てをぶつけてきたからです。
 この件は作品の最大指針を打破するという非常に見逃せないものでした。
 それと同時に、もう一つの最大指針を真の意味で体現しているものでもあったという。


 この重要性を考えるに、この時の創真の姿勢が連帯食戟における『スペシャリテ』への最大の鍵になっていると思うんですよね。
 そんな葉山とのリベンジ戦で創真が一貫して取っていた行動はというと・・・
 「相手を“見る”こと」
 そもそも創真は初期の頃から相手をよく見ている子でしたが、葉山とのリベンジ戦においては久我という比較対象がいたこともあって、“見る”という行動がより深く描かれていました。
 そして葉山と出会えたことによって今ここに在る自分にも向き合えていたという。
 対して葉山は創真を始め周囲の人物達を見ようとせず、最も大切な人である汐見さえも無視し、挙句の果てには自分自身の本心からも目を逸らしていたという。
 この差が二人の勝敗を分けた根本的な理由だったと考えています。



 創真達と対峙している薊政権側の十傑達。
 彼らはさすが遠月学園の最高峰に君臨しているだけのことはあり、とうに『スペシャリテ』を、ひいては『己の料理』を見つけ出しています。
 ・・・ですが。
 彼らは己の料理を・・・というより、自分一人だけの料理を究めることしか眼中にありません。
 それに対し、創真ら反乱軍が着目しているのは自分の周囲の人々。
 それは一緒に励まし合ってきた仲間であったり、食べてくれる相手であったり、これまで闘ってきた者達であったり。
 
 ひょっとしたらこの遠月革命編は、十傑陣と反乱軍を通して、薊の「良い料理人」に対する観念と城一郎の「良い料理人」に対する観念との対峙とも形容できるかもしれません。
 己の事しか見ていない薊の観念に対して、城一郎の観念は
 「良い料理人になるには自分の全てを捧げたいと思える人に出会う事」「出会いが無ければ料理人は前に進めない」
 という、己以外の人も見ているものですから。

 そう。
 葉山とのリベンジ戦で創真が実践していた「相手を“見る”」という行為は、まさに城一郎の「良い料理人の観念」を体現していたものだったわけです。

 そういう理由も含め、この遠月革命編における『スペシャリテ』は「相手を見ている料理」になるに違いないでしょう。





【創真の“失墜”】

 そういうわけで、恐らくえりなの[神の舌]という能力が薊政権の完成への“鍵”ならば、創真は自身の影響力がこの遠月革命編の“鍵”になっているわけです。

 そんな創真ですが・・・










 ・・・実は。

 この遠月革命編が始まって間もない頃から

 私は創真の態度に、そして創真にそんな言動を取らせている附田&佐伯先生に

 一種の不審感を抱いていました。

 それは。










 不自然なまでに創真の実家『ゆきひら』に対する創真の心情が描かれていないこと。










 これまでの感想記事の中でも幾度も述べてきたように、創真にとって実家の『ゆきひら』は本当に、本当に特別な場所だと私は思っています。
 そんな大切な場所である『ゆきひら』が、連帯食戟の対価になってしまうというこれまでにない窮地に立たされてしまいました。


 ところが。


 そんな深刻な事態になってしまったというのに、『ゆきひら』の危機に対する創真の反応が浅すぎるんですよ。



 司との料理勝負で負けた時もギャグ調の描写で終わってしまい。

 さらに、城一郎が『ゆきひら』の存亡を対価に掛けることを自ら提案してきた時も。
 お気付きでしょうか?
 あの時の創真の描写は面々の中で最も大きいコマではありましたが・・・
 顔の“縦半分”しか描かれていないのを。
 これまでも附田&佐伯先生は顔の半分だけを描くことで、キャラクターの心情描写を敢えて隠すという手法を得意としてきました。
 これまではその手法は顔の“横半分”で用いてきましたが、この場合は“縦半分”という応用形になっているんですよね。

 更にこの後のシーンで、創真が城一郎に『ゆきひら』の扱いに不満を零した時も後ろ姿だけで、表情は明かしていませんでしたし。

 廃駅で薊が「忌まわしい定食屋」というとんでもない侮辱発言をした時でさえ。

 最たるものが。
 女木島先輩と勝負した際に、創真が述べた「守りたいもの」の中に『ゆきひら』の名が挙げられていなかったこと。(第222話)


 始めはその軽薄な描写にひたすら激怒しまくっていたのですが・・・、あまりにも続くその描写に、次第に不満の感情が変わっていったんです。



 おかしい。あきらかに。



 そして今や。
 その不審感は、不安に。



 己の強さを遺憾無く発揮しながら勝ち進んでいる創真。
 ですが、創真の強い姿が描かれれば描かれるほど、これから待ち受けているであろう“失墜”へのカウントダウンに思えてしまうんです。

 非情なようですが、実力的に考えて創真が司達を打ち破って最後まで勝利し続けられるとは私は思っていません。
 いずこかで敗北を喫してしまうだろうと。

 これまでも創真は幾度も敗北を味わってきたものの、決して折れずに歩み続けてきました。
 ですが、この連帯食戟で懸かっているものの重さは、これまでとはワケが違います。
 自分の身だけに留まらず、仲間達の未来が、何より。
 最も大切な場所である『ゆきひら』の存亡がダイレクトに懸かってしまっているという。



 創真が敗北を喫してしまったら。

 例え残りの仲間が頑張ってくれて最終的に勝利を手に入れられたとしても。
 例えこれまでの働きによって最終勝利に充分貢献できていたとしても。
 
 自分が直接、最も大切なものを守れなかった。
 この事実に
 創真は絶対自分を許さないでしょう。




 これまでどんな窮地に立たされようが。酷く貶められようが。
 決して折れることなく前に進み続ける創真の強さは、もはや説明不要なほど本当に凄いものです。

 それ故に。

 創真を“失墜(挫折)”という形で傷つけるものがあるとするならば・・・




 

それは他ならぬ、創真自身。

 

 

 

 それを如実に物語っているのが四宮戦のラストです。
 今でも脳裏に灼き付いて離れません。
 料理人にとって命である利き手を容赦無く打ち付けたあの後ろ姿は。


 かつての考察記事でも述べたように、創真は“蓋が無い”子です。
 
それが尚更。
 不安を掻き立ててなりません。





 私から見るに、創真とえりなは合わせ鏡のような関係性だと思っています。
 ならば。
 この遠月革命編の開始時に過去最大の精神的危機に陥ったえりなのように。
 創真もまた、この章の何処かで過去最大の精神的危機に陥ってしまうのではないのでしょうか。

 どんな形でそれが訪れるのかは分かりません。
 ですが、一つだけ断言させてもらうならば。

 えりなと同様に
 創真もまた、これまで一度も描かれなかった“表情”が明かされるに違いないでしょう。






【積み重ねられてきた“希望”】

 そういうわけで、私はずっと創真に不安を抱き続けていました。

 ですが。

 一方で、“希望”となる存在も前々から見付けていました。
 不安を抱きつつも、それでも楽しんで作品を追うことが出来たのはそれら“希望”のお陰です。



 この遠月革命編が始まってから。
 いえ、正確にはその直前の月饗祭編から。
 その“希望”は常に創真の傍にいて、彼を助けてくれていました。

 そうです。

 その“希望”とは、恵とタクミ。

 恵はもともと創真と一緒にいる機会が多い子でしたが、タクミはこと遠月革命編が始まってからというもの創真と行動を共にする機会が多く設けられ、また創真と意気投合している様子も頻繁に描かれていました。
 雑と言えるまでに創真の『ゆきひら』に対する描写が省かれている一方で、タクミと恵が創真の微細な様子に気付いてくれている描写は丁寧に描かれているんですよね。

 そんな二人だからこそ。

 タクミは出身や誇りがよく似ていることもあり、創真の悔しさを誰よりも共感してくれるはず。
 恵は秋の選抜予選終了後の慰労会の時のように、創真の内心に気付いてくれるはず。
 なにより、二人とも自らの手で直接大切なものを守れなかった悔しさを知っていますから。
 タクミは秋の選抜での美作戦で。
 そして恵は、つい最近の茜ケ久保もも戦で。


 この遠月革命編での創真は、“見る”という行動と並行して“相手への理解”の描写も細やかに挟み込まれています。
 だからこそ、今度は創真が分かってもらう番。

 恵とタクミは創真の最大の理解者ですから。(^^)





【総括】

 こうした多くの錯綜を経て、長きに渡った遠月革命編もいよいよ終盤へと入ってきました。

 多分・・・いえ、きっと。
 附田&佐伯先生はこの遠月革命編において、「原点回帰」を意識していると思います。


 えりなの料理人としての“原点”は城一郎でした。
 そして。
 創真の“原点”は『ゆきひら』であり。



 『ゆきひら』を通じた“あの人”です。




 『ゆきひら』と遠月学園。
 この二つの場所が創真をどう揺るがし、どう支えるのか。

 ただ信じ、見守る次第です。


『食戟のソーマ』 五周年記念考察 ~これまでの展開と主人公の歩みを振り返って~

2017-11-27 17:00:00 | その他感想・考察

 さて!

 本日発売の少年ジャンプ52号によって・・・!

 

『食戟のソーマ』は五周年突破!!!

 

 

 

おーめーでーとーうーごーざーいーまーすーーー!!!
.::' \(≦) .::'


 

 

 少年ジャンプにおける料理漫画の先駆け『包丁人 味平』の連載期間が約4年。
 遂にそれすらも超える偉業達成と相成りました!!
 その一方で「食べると衣服がはだける」というこの作品最大の特徴も、今や立派なパロディネタとして他作品で用いられるまでに。
 この事実に一番驚いているのは附田&佐伯先生ご本人達でしょうが、それも全て先生達のたゆまぬ努力の賜物に他なりません。
 アニメ三期も好調ですし、どうかお体だけは大切にこれからも頑張っていただきたい所存です!
 フレーフレー附田先生!
 頑張れ頑張れ佐伯先生!
 ファイトーファイトー森崎先生!
 ガッツだガッツだ南村さん!(笑)





 それでは先生方への感謝と応援の気持ちを込めて、五周年突破記念考察といきましょう!!
 今回は二周年や四周年とはワケが違います。
 五周年!奇数!これ特別!
 そういうわけで三周年記念の時と同様に、三部作に渡る記念考察を述べさせて頂きます。

 料理面的考察にするか、それとも作画面的考察にするか少々迷ったものの・・・。
 そういえばこのブログ、かなり長期に渡って更新が止まっているカテゴリーがありましたっけ。
 それは単行本感想。
 週刊感想時には気付けなかった長期視点による考察や、単行本独自の特典に対する感想をそこで述べていたのですが・・・。
 よっしゃ!それならこれを機に、これまでの分を一気に更新!!

 ・・・は無理。



 仕事の都合上、今年はどうしても纏まった時間を取るのは困難なものでして。
 約20巻分も溜まってしまった考察&感想を述べるのは到底不可能とやむなく判断。

 でも。

 書き方を変えてみればもしかして☆

 ということで。
 これまでの『食戟のソーマ』を過去・現在・未来の三つに分割し、これまでの展開がどんな意義を成していたのか、そしてこれからどんな展開が控えているのかを、主人公:幸平創真の描写と共に再考察&予想してみたいと思います!


 では今回は、これまでを振り返る意味で「過去」の歩みを再考察してみましょう。




【連載開始初期】

 遡ること2012年の12月10日。
 長いジャンプの歴史の中でも数少ない料理漫画として『食戟のソーマ』はスタートを切りました。
 当時読者の目を引き付けたのは全作品中トップクラスの作画の上手さ。
 そして。
 過激なまでのお色気リアクション。
 それら強烈なインパクトによって、『食戟のソーマ』は良くも悪くも大反響を巻き起こすデビューを飾ったわけです。



 ですが、それらのインパクトの一方で、負けず劣らず強烈なインパクトを私達読者に焼き付ける要素がありました。
 それが主人公:幸平創真の破天荒さ。

 その最たるものが不味い料理を嬉々として作り、食わせるという趣向。
 それは「美味しさ」こそ絶対の正義であり全ての指標とする料理漫画というジャンルにおいて、あるまじき行為でした。
 そんな異端性と不敵なキャラクターによって、主人公:幸平創真は作風に負けない確たる存在感を放つことに。

 女性がこと可愛い絵柄、喫食者が脱衣するという作風、そして主人公が一切ブレない強気で攻め気なキャラクターということもあり、この作品を「主人公が料理を以って数々の女性キャラを陥落させる(はだけさせる)一種の攻略モノ」と捉えた人もきっと多かったと思います。

 ですが。

 そんな印象がひっくり返される展開がこの後待ち受けていたという。





【地獄の合宿編】

 
主人公である創真、薙切えりなと田所恵といったヒロイン達、主人公が活躍することになる舞台である遠月学園など、作品を構成する一通りの要素の紹介の後に訪れた展開は主人公と世界観の掘り下げでした。

 自分と似た出身のライバル:タクミ・アルディーニや遥かな実力者:四宮小次郎といった初めての「外の世界の料理人」との出会いによって、創真のこれまでの視野は変わり始めます。
 主人公の見方の“変化”。
 それと同時に私達読者も、主人公とこの作品に対する見方が次第に“変化”していきました。

 特に読者の“見方の変化”を決定的なものとさせたのが、言わずと知れた四宮戦。
 この闘いによって、これまで斜に構えていた読者の見方が劇的に覆されることに。

 これまで描かれてこなかった創真の姿、そして作劇に
 この作品は極めて王道な少年漫画
 だということを私達読者は強烈に気付かされたわけです。



 第33話ラストで呟かれた創真の言葉。
 これがこの章の総括とも言えましょう。
 「―――この学校 思ったよりおもしれーかもなー・・・」
 この言葉は創真の観点の変化を示すものであったと同時に、私達読者の観点の変化とも重なっていたように今となっては思えます。
 「この漫画 思ったより面白いかも・・・」と。 


 こうして創真は遠月学園の価値に気付き始めたわけですが・・・
 なんと遠月学園は、間接的ではあるものの創真と深い因縁もある場所であるということが読者に明かされることに。





【商店街復興編】

 そんな衝撃の事実が判明したものの、ここで一旦小休止となり、創真の地元に舞台を移した商店街復興編へ。

 過酷な退学制といった少々過剰な設定が盛られている遠月学園でのバトルとは違って、この章では商店街の過疎化という極めて現実的な問題に創真は挑むこととなります。
 ここらから、ただ美味しい料理を出せば試練クリアーといった単純な勝負方法だけではなく、場の状況や客層、需要内容等を考慮しながら解決法を探っていくという、いわばマーケティングに焦点が当たったストーリーも挟み込まれていくことに。

 創真は「料理人」ですが、企業に雇われているわけではなく、実家という「自分の店」を持っている料理人です。
 「商売」というのはどういうことか。
 創真の料理人としての今後を見据える上で、このポイントも大事になっていくということをこの章は暗示していたのかもしれません。



 そうして地元のコネクションや仲間達との協力によって見事状況を好転させた創真。
 人望を中心に立派な行動力と判断力を見せていましたが、このことは
 創真は“ただ料理を作るだけ”の料理人ではない。
 ということを立証していたとも思います。



 
そして。
 小休止的な話かと思いきや、実はこの章は横糸のみならず縦糸も暗に仕込まれていた話だったという。
 その縦糸もまた新たな因縁となって次の章へと繋がっていきます。





【秋の選抜編】
(※ここから単行本感想未収録の領域になるため、文章量が増大します)

 商店街復興編、そして創真の父親:城一郎の突然の帰還という充分なプロローグを経て、満を持して始まったのが秋の選抜編。
 葉山アキラを始めとした新規キャラ、そして初期から登場していたのにも関わらず実力が不明なままだった極星寮の面々や新戸緋紗子や黒木場リョウといったキャラ達もその実力や得意分野が明かされます。
 彼らはこの章にて[玉の世代]と呼ばれるようになりますが、これが後にある特別性を持ってくることに・・・。


 これまで数々の料理バトルが行われてきましたが、ここでの戦いは初の「公の大会」でした。
 そんなこの大会は、これから更に拡大していくであろう「公の戦い」の前哨戦だったと私は考えています。

 それは「世界」に向けて。



 この章での注目どころは勿論[玉の世代]それぞれの奮闘する姿ですが・・・
 創真だけは、他のキャラとは注目処が違っていました。

 それが今を以てしても、とてつもなく印象深い第80話

 「料理人 やめるよ」と告げたあの表情。


 創真の言動に敵も仲間も、そして私達読者までも驚愕させられたこの流れは地獄の合宿編での四宮戦と同じといえましょう。
 ですが、あの時は少年漫画としての王道ステータスである「熱さ」と「真っ直ぐさ」が表現されていましたが、この時表現されていたのはそれとは真逆ともいえる「深さ」

 正直言ってこの回の衝撃は、私にとって『幸平創真』という人物を一から考え直させられたほどでした。

 決着後に美作に諭したあの時の姿といい・・・

 そこにあるのは、悲壮なまでの「覚悟」

 よほどの修羅場を味わっていなければ。
 あれほどの深みは・・・。
 あれほどの重みは・・・。
 持てないと、思います。 



 他にもこの章では、創真の包丁や城一郎の云う創真の“強さ”等、創真の背景を思案させる布石が幾つか置かれることに。
 特に包丁の一件は美作戦での一件以来今を以てしても伏せられたままですが、私はこの布石もまた、創真の眉の傷や手ぬぐいと同じくらい彼の“謎”に関わる重要なキーアイテムと考えています。



 こうして長きに渡った闘いは、創真の敗北で幕を閉じることに。
 ですが、その結果は至極納得できるものでした。
 何故ならその敗因は、城一郎の言葉であり、この作品の最大の指標として掲げられている「自分の料理の全てを捧げたいと思えるような女性」の有無であったのですから。

 でも。

 それとほぼ同時にもう一つ、新たな指標が城一郎から発せられたという。
 それが「出会うことでしか 料理人は前に進めない」という考え。
 この考えは、これまで最大の鍵とされていた上記のテーマに一石を投じるものであり、これもまた、この作品最大の鍵になるわけです。

 “出会い”の大切さという点において共通しているこれら二つの指標ですが、ある意味で対照的とも言えます。
 一つ目の指標は、「自分の全てを一人の人へ」という“収束” 
 そして二つ目のこの指標は、「自分一人の世界から多くの人との繋がりへ」という“拡大”が示されていたのですから。

 この件は私にとって、一つの指標だけが創真の成長の最大の鍵になるわけではない、と考える切っ掛けとなりました。



 地獄の合宿編等を通して創真が少しずつ気付き始めていた、「己の世界の小ささ」。
 此度の敗北を切っ掛けにして、「己の料理」とは何かを本格的に模索し始めることに。
 それはつまり、これまでの自分の全てとも言えた「『ゆきひら』を守ること」、そして「父親を超えること」という目標を改めて見直すことでもありました。 

 “出会い”を得てまた一歩成長した創真は、この章を締めくくる第104話のラストで城一郎にこう言います。
 自分にしか出来ない料理は何なのか それが分からなければ『ゆきひら』を継ぐ意味が無い、と。

 「店(家)を継ぐ」。
 普通に考えれば『ゆきひら』の一人息子である創真がこれを成すのは至極簡単かつ自然なはずです。
 なのに、創真はそこに意義を探してきたという。
 「店を継ぐ」ということはどういうことか。
 私達読者を含め、人々が「当たり前」と考え、気にも留めていないこと。
 それさえもきっと創真は、そしてこの作品は真摯に掘り下げてくれることでしょう。



 こうしてステージの新たな拡がりと共に、創真の「これまで」と「これから」が提示されていた秋の選抜編。
 『幸平創真』という料理人の歩みは、ここから本当の意味で始まったわけです。





【スタジエール編】

 次に訪れた学園行事はスタジエール研修。
 「己の料理」を見付けるために「外の世界」へと目を向け始めた創真にとって、これはまさに[渡りに船]でした。

 この章は前半と後半の二部構成になっており、前半は新戸と組んで『洋食屋 三田村』に。
 ここでは新戸の再起に注目が集まりがちですが、実はこの前半も創真の将来を暗示させるかなり重要な内容だったと思っています。
 
それは、秋の選抜編のラストで述べていた「店を継ぐ」というのはどういうことかについて。


 『三田村』という店って

 創真の実家『ゆきひら』とかなり似ている背景の店でしたよね?

 店主も店員も店を大切に愛していて。
 昔馴染みの地元客がおり。
 そして多分。
 親子代々受け継がれてきたということも。

 いわば。

 『三田村』は遠くない未来『ゆきひら』が陥るかもしれない状況のモデルケースと言えたのでは。


 何故こう考えたのかというと、前半のスタジエールでは随分と遠月学園の有名性が描かれていたからです。
 初期設定だった「遠月学園に在学していること自体の特別さ」。
 内部にいると気付きにくいこの点を、外部に赴いたこの機会に改めて気付かされたわけですが・・・
 そんな学園に在籍していながら、創真は“上”を目指しているわけで。

 この先創真が“上”へと近づけば近づくほど、料理界における創真の知名度が高まっていくのは必然。
 ですが、有名性が必ずしも本人や店にとって良いことになるとは限りません。
 創真の有名性だけに釣られた客の襲来によって、元々の常連客が来店できなくなるという可能性も決して否定できないんですよね。 
 城一郎が現在の姓と旧姓である『才波』を使い分けていることも、きっとこの事を危惧しているからではないのでしょうか。

 創真が店長に尋ねた、「料理長(店主)として貫きたいものは何か?」という問い。
 それはいずれ、創真自身も問われることになるのではないのでしょうか。
 『ゆきひら』を受け継ぐ者として。『ゆきひら』に変化が迫った時の選択を。



 後半の研修先は地獄の合宿編での因縁のある四宮が、新たに開いた店『SHINO‘s TOKYO』。
 『三田村』では無双状態の創真でしたが、これまで一度も経験していなかった形の「現場」を前に、躓いてしまうことに。
 ですが。
 地獄の合宿編での朝食ビュッフェ課題の時のように、窮地に立たされた時こそ真の強さが発揮されるのが『幸平創真』という男。
 むしろここでは創真のメンタリティがいかに物凄いものであるかが存分に発揮されます。
 不屈の情熱と学習意欲。
 積極性と集中力と努力。

 本当にもう・・・

 「職場」で働いている人ほど、創真のこの時の姿勢には感嘆させられたと思うんですよ。
 私から言わせてもらえば、創真という人物は「職場に必要とされる人材」の理想そのものです。
 ほんの僅かでもいい。創真のようになれたら。
 そう切に願うほど、このエピソードでの創真の姿勢には心から尊敬させられました。


 『三田村』での研修が、創真にとって「己の店」について考えさせられる体験だったとしたら、『SHINO‘s TOKYO』での研修は「己の料理」について大きな手掛かりを得られた体験でした。
 この研修で創真は「定食屋の料理の概念」を「世界の技」で再構築させるという形を見出します。
 それは、創真の原点性と頂点性が融合されていたものだったという。



 基本的にこの作品は表立ったテーマでストーリーが展開していくのと並行して、裏でもう一つ別のテーマが描かれていますが、この章もまた然り。
 創真が「己の料理」を探し出すために設けられた展開に思えますが、その裏で描かれていたテーマは「自発性」
 『三田村』では、職場で必要とされている状況にただ安心することなく、「このままでいいのか」と常に現状を考え続ける姿勢。
 そして『SHINO‘s TOKYO』では、足を引っ張ってしまってもそこで引っ込むことなく積極的に己を鍛え上げようとする姿勢。
 それこそが己を進歩させるための気概だということを、この章は訴えたかったのではないのでしょうか。



 こうして、この度の研修も見事に自分の血肉にした創真は・・・
 成長の証として、髪型もちょっぴり変化☆

 さあ、こうして
 創真が“上”へ上るための下準備はここでようやく整うことに。





【月饗祭編】

 創真の“下準備”が完了したことで、遂に登場したのが遠月学園の最高峰に在する集団[遠月十傑]
 彼らが本格的に登場したことはつまり、いよいよ連載初期に掲げられた創真の在学中の最大目標である「遠月学園のてっぺん(十傑第一席)を獲る」ことへの挑戦が始まったことを意味していました。

 学園総帥:薙切仙左衛門が直々に設けた「紅葉狩り会」によって、創真ら[玉の世代]はここで一気にその面々と顔を合わせることに。
 ここで創真は[十傑]が実力だけでなく権力も別格な存在だという事。その特別さ故に戦いを挑むことさえ難しいという事を知らされます。

 ですが、そう知らされた矢先に訪れたのが学園最大級のイベント「月饗祭」。
 全校生徒一斉参加であるこの行事を利用し、創真は模擬店の売り上げ勝負に挑むことに。



 この勝負で創真は模擬店のメニューに
 地獄の合宿編での朝食ビュッフェ課題の時に多くの食材を無駄にしてしまった事の反省を生かし、残った材料を再活用できる品を考案
 同じく朝食ビュッフェ課題の時のライブクッキングを取り入れたお客へのアピール法を採用
 秋の選抜やスタジエールで掴んだ「己の料理」の模索
 といったように、これまでの体験で培ったことを存分に取り入れてきます。

 更に、それらに加えて
 商店街復興編での市場の動向の見極め
 スタジエール編(前半)で取り上げられていた客が殺到することで生じる弊害についての留意など
 料理面だけでなくマーケティングに関しても、これまで学んだことをしっかり考慮していたという。

 いうなれば、この月饗祭編は
 創真が遠月学園でこれまで学んだことの集大成と言えましょう。

 そして最後に逆転の鍵となったのは、多くの仲間達からの協力。
 まあ、この点は決着理由としては少々ご都合感が否めませんでしたが・・・
 遠月学園で創真が得た一番の宝は、多くの仲間達だという事ですね。(⌒⌒)


 「祭り」に相応しく、これまで登場した多くのキャラクターとも関わりながら着実に十傑を脅かしていった創真。
 その様はこれからの創真の闘い方の縮図のようにさえ見えました。



 ・・・ですが・・・



 正直なところ、漠然と不可解に思っていたんですよね・・・。

 学園祭といい、校歌といい、なんか随分と「学校」という面がアピールされているなあ・・・と。



 これはもしや
 じきに遠月学園が「学校」ではなくなってしまうことを暗に予告していたのかもしれません・・・。






 こうして、この作品はこれまでの展開を丁寧に踏まえながら、一歩一歩着実に進行しているわけです。
 さて、それでは・・・

 次回は「現在」にあたる、遠月革命編について予想と考察を述べさせて頂きます。
 


『食戟のソーマ』幸平創真の誕生日記念考察 ~星座と血液型から見る創真の人物像~

2017-11-06 23:50:00 | その他感想・考察

 創真―――――!!!

 

 

 

 

 

お誕生日おめでとーーーう!!!

 

★。.::'゜☆。 () ☆。.::'゜★

 



 




 めでたくも本日は、『食戟のソーマ』の主人公、幸平創真の誕生日!!!

 公式発表から初めて迎えた誕生日なこともありますし、お祝い考察を述べてみたいと思います。
 何を題材にしようかちょっと迷ったのですが・・・
 ここは「誕生日」に関連付けて、星座&血液型占いから見た主人公:幸平創真の人物像を改めて考えてみることにしましょう。



 ちなみに、事前知識として

 十二星座はの四つの属性に分類でき、
 火属性―――「活発」「情熱的」
 水属性―――「安らぎ」「共感」
 風属性―――「流動的」「器用」
 地属性―――「堅実」「安定」「頑固

 といったそれぞれの特性があるそうです。



 それと、参考元はごく一般的な星座と血液型の複合占いからです。
 創真と同じ星座&血液型の方は、どうかあまり深刻に受け取らないでくださいね。





【創真のイメージと、実際の誕生星座との大きなギャップ性】

 さて、単行本第23巻特典にて公開された幸平創真のプロフィール。
 それによると創真は

 蠍座のB型


 とのこと。



 血液型は予想通りでした。
 だってB型はマイペース。(日本中のB型の方々ゴメンナサイ)
 マイペースの代表である創真がB型でなければ逆におかしいぐらいですもの。



 むしろ、意外だったのは星座の方。

 創真の基本イメージは「情熱」「自由」「素直」「明朗」「大胆不敵」「(良くも悪くも)人気者」と私は分析していたんですよね。
 なので「火属性」の星座に違いないと半ば確信まで持っていたんですよ。

 なのに。

 まさか真逆の「水属性」だったなんて・・・!!

 しかもこれまた予想を裏切り、意外と遅い時期の生まれ。
 創真は同年代のキャラクターの中でもかなり老成している人物と感じ取っている私としては、創真は[玉の世代]の中でもかなり早い時期の生まれと、春生まれだろうと推測していたのに。
 それが実際は秋生まれ。しかも[イケメンカルテット(創真&タクミ&葉山&黒木場)]の中では一番遅い生まれだったという。

 いや~これには驚かされました。
 正直、完全な予想外です。



 ですが・・・。



 よくよく考えてみれば、納得できる部分は沢山あったんですよ。

 元々創真は多面性が非常に豊かな子。
 多かれ少なかれ、「火」「水」「風」「地」のいずれの要素も持っていますから。

 表面的イメージからは「火」の要素が多く見られる創真。
 でも星座の属性はそのイメージからは真逆の「水」
 多分附田先生は、創真の大きなギャップ性を星座面を一つの手段として示してきたのではないでしょうか・・・?





【星座&血液型から見る創真の性格】

 では附田先生が示してきた「蠍座 B型」という創真の星座&血液型は、一般的にどんな性格かというと。

 まず血液型B型の男性はというと、上記した通りマイペース。
 他者や周囲に流されない不動の自我を持っています。
 それ故に協調性の乏しさや、人の意見を聞かない、時間にルーズ、などの欠点があるとのこと。
 時間にルーズ、という点は確かに創真にも当て嵌まるかも。
 秋の選抜一回戦二日目で寝坊した時は全然慌てる様子がありませんでしたからねえ~(苦笑)。
 もっとも、根が真面目な子ですから遅刻すること自体が少なそうですけど。

 ですが、他の欠点である協調性の乏しさや人の意見を聞かないといった点は全く見られません。
 むしろ創真はトップクラスの協調性とコミュニケーション能力を持つ、社交性に非常に秀でている子です。
 その大きな要因となっているのは他ならぬ、幼少時から実家の定食屋でずっと接客業を手伝ってきたという経歴。
 数多の客と世間話を交わし料理に関する意見を聞き続けてきた事が、大変大きな好影響を与えてくれていたわけです。

 そんな実家のお陰でB型の欠点は大きくカバーされている半面、長所はしっかりと持っている創真。
 B型の男性は探究心旺盛で全血液型中No.1の集中力の持ち主であり、自分のスキルを伸ばすことも好きだそうです。
 そのため、仕事や勉強に関してはプロフェッショナルな人が多いとのこと。
 これはまさに創真にピッタシ☆
 創真は本当にプロ意識が凄くしっかりしている子ですもの。
 なので、仕事に関してかなり上昇志向の強いB型は、その意味でも創真にピッタリの血液型と言えるでしょう。



 次に星座。
 星座属性は「水」なわけですが、

 水属性の星座は「感情の星座」とも言われ、人と人を隔てる境界線を“消滅させる力”・人と人を結びつける力を持つ、愛着や帰属意識が強い、損得感情で動かない、といった特性が共通して見受けられるそうです。

 これらもまさしく創真にピッタシカンカン☆☆☆

 それこそ創真はその人柄で、時にその料理を用いて、人の固定概念や偏見を消滅させ、人と人との縁を繋ぎ。
 実家である『ゆきひら』への愛着が深く、私利私欲なんかでは動かない子ですからね。(^^)


 あと水属性は内面の繊細さもその特徴としてよく挙げられます。
 まさに「水」の如く流動的で適応力があり、力と深遠さがあるそうで、感情面をとても重視するとのこと。
 プロ意識がしっかりしている故にロマンチストかリアリストかといえば明らかにリアリストな創真ですが、内面的情の厚さはこれに起因しているのかもしれませんね。


 そして何より、水属性の最も特徴的な要素はというと。

 深い慈愛の精神の持ち主だということ。


 これには素直に同意です。

 表面的態度からなかなか分かりにくいものの・・・、創真はかなり愛情深い人物だと私は思っています。
 それが最も素直に描かれていたと個人的に感じている場面は、子供達とのお料理教室の回ですね。
 温かく面倒見良く子供達に接してくれていた創真。

 あの時の創真の姿には寛大かつ豊かな父性愛が確かにありましたから・・・。(^-^)

 それと、もうひとつ。
 絶対に人を責めない
 という点も創真の優しさと言えましょう。
 飄々としていて、マイペースで、ドライな所もあり、薄情とも言えるクールさもある創真だけに気付きにくいかもしれませんが・・・
 創真は優しすぎる子ですよ。



 そんな水属性にあたる蠍座は、一言で言ってしまえば心の内に熱いものを秘めたミステリアスな性格。
 内なる熱さ、という点では大いに賛同できるものの、ミステリアスさはというと創真の場合・・・。
 当て嵌まってるんだなこれが☆
 
常にヘラヘラ飄々としているがために、「何を考えているか分からない」と思われがちな創真。
 これはある意味でのミステリアスさと言えるでしょうから。

 蠍座は近寄りがたいと言われがちですが、実際は知性的で洞察力があり、人との関わりを大切にし、情に満ちた優しさがあるとのこと。
 物静かで落ち着いて見えることが多いそうで、この点も基本的に落ち着いていて動じない創真に当て嵌まっていると言えましょう。
 B型の男性は非常に行動的で考えるより先に足が動くタイプが多いそうですが、創真はB型の行動力と蠍座の思慮深いところが程良いバランスになっているわけですね。

 加えて、蠍座もまた集中力があり、努力家だそうで・・・。
 つまり創真は血液型的にも星座的にもとんでもない努力型だと立証されているわけです。
 そりゃあ一度没頭したら徹夜しちまうような子になるわけだ★


 その一方で、蠍だけに“毒”もあるのが蠍座のコワイ所。
 無口で感情をあまり表に出さず、プライドが高い。
 プライドの高さは既に言うに及ばずですが、創真も確かに怒っている時ほど口数が少なくなり、表情に出さなくなる傾向がありますからねえ~。(^^;;;A)
 黙って人を観察し、屈辱や侮辱を与えてきた相手は絶対に忘れない。
 そんな物凄く執念深いところはま・さ・に・蠍座。(世界中の蠍座の方々スミマセン)
 創真の静かな恐ろしは蠍座の性質をまさに反映していると言えましょう。

 ま、そんな怖さも、強い正義感や真剣さの裏返しと言えるのかもしれませんがね。


 そんな怖さがありながらも、蠍座は雰囲気や姿に魅力がある星座なので、かなり人を惹きつけるそうです。
 うん、とっても納得。(^^)




 

【星座&血液型から見る創真の恋愛傾向】

 さて。
 そんな創真は果たしてどんな恋愛傾向を持つ人物なのでしょうか?
 案外これが一番読者が気になっている点かもしれませんね(苦笑)。


 自分の気持ちに正直で、裏表の無いさっぱりとした態度を取る蠍座B型の男性。
 そんな生き方に好感と憧れを持つ隠れファンは意外と多いのだそう。
 確かに。実際創真は暗にモテモテだし(笑)。

 ですが。

 そんなヘラヘラ飄々とした態度とは違って

 蠍座B型の男性は、見た目からは分からない情熱的な恋愛が出来る人物とのこと。

 心から好きだと思う女性としか付き合うことが出来ず、どんなに美しかったり魅力的だったりする女性に告白されようが、恋愛感情を抱いていないならばあっさり振ってしまうそうです。
 非情と取られるかもしれませんが、多くの女性を傷つけるよりも、ある意味で女性に優しいタイプと言えるかもしれません。
 それに・・・
 創真なら、きっと相手の気持ちに真っ直ぐ向き合ってくれるでしょうしね。

 そして。

 逆に「好きだ」と思った相手は一途に愛するそうです。(キャー♡)

 精神面的にタフな部分があり、例え告白を断られてしまったとしても相手を想い続けるとのこと。
 そしてその熱い想いは相手の心にも強い愛情を訴えかけるようになり、相手もまた好きになる、と。
 つまり。
 好きになった相手は必ず射止めるというわけですか。(キャー♡ キャー♡)

 
 結ばれた後も相手の言葉を信じるし、自分もまた嘘は言わず。
 相性が良い相手とならば、とても素晴らしい恋愛ができる。
 それが蠍座B型の男性だそうです。

 
 と、いうことは。


 

創真は恋愛に対して非常に誠実ということですね。


 

 うわあ~~~。創真に選ばれた女性は絶対幸せになるに違いありませんよこりゃ・・・。(///)

 

 この診断結果は嬉しかったです。とっても。
 いち創真ファンとしてもそうですが、いち深読み好きとしても。
 「創真はしっかりした恋愛観の持ち主な筈」という私の信頼と予想が当たってくれていたのですから。

 もし仮に。
 これから先、えりなにせよ、恵にせよ、創真の想い人が創真との間に“隔たり”を作ってしまったとしても・・・。
 創真ならば、それを取り払ってくれることを証明してくれたのですから。





【総括】 

 最初はちょっとしたお遊び的感覚で始めたこの考察でしたが、思っていた以上に濃い内容になったことに自分でもビックリ☆
 でも、書いていてとっても楽しかったです。(^^)

 誕生日を機に、創真を星座&血液型から色々分析してみましたが・・・、改めて分かった事は

 

『幸平創真』という人物は
やはり非常に味わい深い人物だということ

 

 まだまだま~だまだ、飽きることなく『幸平創真』という主人公を見守っていけそうです♪

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・あ。

 

 

 

 

 それとですね。

 

 

 

 

 

 蠍座B型の人は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十二星座中1・2を争うほどのエロさを持っているとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直、これには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大・爆・笑

(地球中の蠍座B型の方々ゴメンナサイスミマセン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 絶対これ附田先生も御存じです。
 その上で創真の星座(誕生日)と血液型を決めたに違いありません。

 附田先生・・・。



 全力で同意します。(Σd(‐ ‐))