あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

予定外。(『食戟のソーマ』第250話感想)

2018-05-13 00:00:00 | 食戟のソーマ

 予定外その1。
 短くするつもりだった5周年記念記事が思いのほか長くなってしまった件。
 自覚していた以上に『キングダムハーツ』は大作でした。(^^;A)

 予定外その2。
 花粉症は少し前から治まっていたものの、歓送迎会の準備の方も思いのほか周囲の方々が積極的に協力してくれて、大方目途がついたこと。
 ありがとう、職場の方々。(><。)

 予定外その3。
 私のブログ開設における「先生」から思いもかけず、お祝いの言葉が・・・!!!
 もう感謝と感激で一杯に。
 ブログやってて本当に良かった・・・!(><。。。)
 


 そんなわけで色々な予定外が重なり、エネルギー大回復☆
 このチャンスを逃さず、溜まっていた『食戟のソーマ』の感想を少しでも進めることにしましょう。



 ちなみにジャンプ本誌の方はというと・・・

 そうきたか。

 といった感じです。


 もはやえりなの勝利は間違いないでしょうし、薊政権の撤退も確実でしょう。

 ですが。

 創真単身を応援している私としては・・・

 あれはまずい。

 不味いじゃなくて、まずい。

 よりによって
 創真の「あの料理」を用いてしまったのは。
 しかも“まんま”で。

 状況的にみて、「この件」が取り上げられるのは後になるでしょうが・・・
 えりなは、やり過ぎてしまいましたね。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年11号掲載
 掲載順第16位
 第250話 【司瑛士という男】

 

 

 一色先輩の思いと言葉は、寧々先輩の胸中に一石を投じた模様。
 寧々先輩も綜明先輩のように、セントラルに対する考えを改めてくれるといいのですが・・・。

 で。
 そんな空気を読まずに介入してきたのが司。
 何の用かと思えば・・・
 創真に続き、今度は一色先輩を勧誘ってか★
 相変わらず相手の立場や心境を一切考慮しない奴ですね。
 マイペースというと創真や一色先輩がまず挙げられるでしょうが、司もかなりのマイペースと言えましょう。



 司の審査に入る前にと、挟まれる扉絵。
 リアルタイムに倣って十傑達のバレンタインデーの一コマです。
 個人的には是非創真サイドも見てみたいのですが・・・それは叶わぬ夢になるだろうな~。
 だって主人公サイドのバレンタインデーに関しては、佐伯先生のお師匠さんの独壇場でしょうから。

 予想に違わず、とても「らしい」チョコをお渡しになられている竜胆先輩(苦笑)。
 でもそれ以上に驚かされたのが、平然とそれを食べてる司という。
 ひょっとして司は創真のゲテモノ料理も受け入れられるかも!?



 一色先輩の椀物に対し、司が出したウサギ料理は『野ウサギの王室風仕立て(リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル)』。
 うん。ぜんっぜんわかんない

 野ウサギ料理としては王道中の王道の品とのことですが、司は中にフレンチ版茶碗蒸しである「ロワイヤル」を仕込むことで、料理名の『ロワイヤル(王室)』との二重の工夫を施していました。
 個人的には「ふ~ん」といった感じ。
 だって一色先輩の椀物にはそれ以上の工夫が見受けられましたから。


 ・・・ですが、残念ながら結果は3-0で司の完勝。
 う~ん、でもさすがにこれは極端すぎるのでは・・・。
 前回ラストのイメージで司の鎧にヒビを入れるぐらいのダメージは与えられたんだし、2-1でもよかったのでは・・・。
 私にとって一色先輩は上級生陣の中で人格・実力共に最も買っている人物だけに、これほど大差がつく敗北は納得しにくかったです。
 まあでも。
 「和食にフランス料理の古典的ソースを合わせる」という一色先輩の得意技(第216話参照)が今回も用いられていなかった辺りに、一色先輩の真の実力にはまだ「余白」があることが窺えます。
 今回は負けてしまったものの、一色先輩はまだまだ要注目の料理人ですね。


 そんな一色先輩の脱衣については、ちゃんとスジが通ったものになっているなあ、と。
 相手の美味しい料理を食べた際に屈服や感嘆の象徴として「脱衣」の描写が入るのがこの漫画の法則ですが、今回の一色先輩の場合は料理を食べていないものの、敗北のイメージとして脱衣描写が描かれていました。
 普段ならばイメージで終わるそれを、なんと今回はリアルの方にも導入。
 これだけならば、あの謎設定である疲労制の時と同様に非難しまくりになっていたのでしたが・・・、違うのはここからでした。
 一色先輩は自ら脱衣していることでツッコミを解消しているんですよね。
 この行動が至って素直に受け止められたのは、一色先輩の「脱衣キャラ」という設定がこれまで丁寧に積み重ねられていたからこそ。
 何気にここのシーンは、画面のインパクト・作品の世界観・キャラ設定と、非常に整合性の取れていたシーンだったと思います。
 つまり、何が言いたいかというと。
 一色先輩は創真やえりならと同様に、作者から大切にされているキャラクターだという事です。



 一方、司は過去エピソードが公開。
 あ~司の「そういう所」は昔からだったんですね~。
 今回は絵の具で済んでますが、これは極端な話、自分の作品の為ならば他人のものでも平気で奪い、他人の意思も気に留めないという、人の世界の中で生きていくにはかなり問題アリの気質ですよ。

 なんていうのかな・・・。
 他者の気持ちがわからない、とでも言いましょうか。
 しかも厄介なのは、そうだとしても仕方ない、と割り切ってしまっているところなんですよね。
 言うなれば相手に歩み寄ろうという姿勢がこれっぽっちも無いんですよ。
 自分は自分。他人は他人。
 ある意味で究極のマイペース。
 そういうところが他者(人)を見ようともしていないという。

 そして。
 これがいわゆる「天才」故の周囲との差異というわけで。
 この点が、前々回で寧々先輩が思っていた「凡人(他者)の気持ちが分からない」という「天才の考え方」。
 そういう人物だったのは一色先輩ではなく、司の方だったというわけです。



 そういうわけで、私個人による裏テーマで見てみると、今回の勝負は「自我と情熱」のうちの「自我」に焦点が当たった闘いだったと言えましょう。
 力で屈服させることで、自分の要望―――「自我」を押し通そうとする司。
 対して、完敗を喰らっても尚堂々と「自我」を貫く一色先輩。
 人としてどちらが格上かは一目瞭然ですね。
 いえ恰好の事ではなく。(←)

 


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『食戟のソーマ』第249話感想

2018-03-08 17:30:00 | 食戟のソーマ

 遅ればせながら『ゆらぎ荘の幽奈さん』連載100話目達成おめでとうございます!!
 そして今週は『鬼滅の刃』が100話目達成ということで、これまたおめでとうございます!!
 どちらもとても好きな作品なので、これからも頑張って続いていってもらいたいものです。(^^)
 ちなみに『ソーマ』の第100話目は、秋の選抜決勝戦で葉山の品出しの回でしたっけね。思えばこれが選抜の最終結果の伏線になっていたわけだったのですが。

 その一方で、ジャンプ誌でも安定したギャグ作品だった『斉木楠雄のΨ難』と『青春兵器ナンバーワン』が続けて終了。
 どちらも毎回楽しませてくれていた作品だっただけに残念です。(><。)
 麻生先生、長谷川先生、どうもお疲れ様でした。そしてありがとうございました!!



 『ソーマ』の感想記事ですが、大分遅れてしまってますね・・・すみません。
 ジャンプ本誌の方でもいよいよFINAL BOUT開始となりましたし、なんとか追いつきたいとは思っているのですが・・・。

 そういえば。

 今回も楽しく読みました『ジャンプ+』の『ヒット作のツメアカください!』。
 「やっぱりネズミさんな附田先生可愛いなあ・・・v」と和みながら(笑)。
 ファンとして嬉しかったのは、天望先生が附田先生ならではの苦労、そして凄さをしっかり理解してくれていたことです。(^^)
 『食戟のソーマ』という作品は、附田先生(ネーム)・佐伯先生(作画)・森崎先生(料理知識)・担当さん、という多人数で話作りを行なっているという、ジャンプの作品勢の中でも少々異端な作品なんですよね。
 だからこその面白さ。
 だからこその大変さ。
 それらをちゃんと汲み取り、取り上げてくださっていた天望先生に感謝です。
 そして。
 このお話で、また附田先生が好きになれました。(^^)
 う~~~ん・・・単行本にしてほしい・・・絶対買うのに・・・。

 それにしても直し8回て。
 頑張り抜いた附田先生に敬礼。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年10号掲載
 掲載順第7位
 第249話 【君の横顔】

 

 

 や~・・・前回(第248話)は失礼致しました(苦笑)。

 でもね。

 うあああああうさぎさんかわいいうさぎさんかわいいおっきいよまんまるだよもふもふだよちょっとアンそこかわれいやかわってくださいおねがいしますあああなでなでしたいかおうずめたいほおずりしたいあああかわいいかわいいあ~~~~~~~~~~~~~~かわいい

 といったような事を延々と述べている感想なんて誰も読みたくないでしょ?(そりゃそうだ)
 そんなわけで、あの一言を叫んだだけに留めたわけです。

 うさぎさんの可愛さで吹っ飛んでしまった分を、今回の感想と合わせて述べさせて頂きましょう。




 ・・・さて。




 ようやく五周年突破を祝ってくれましたか。(←地味にキレてた人)
 少年ジャンプも50周年を迎え、一緒にゴーゴー(55)☆
 なるほどね。

 そんなゴーゴー感(←どんなや)に合わせてか、カラー扉はレーサー風。
 ・・・附田&佐伯先生・・・。
 レーシングスーツはえりなより創真の方が圧倒的に似合うと思うんですけど。(もしくは郁魅)





 ようやく明かされた一色先輩のバックボーン。
 そのあまりの冷たい乾燥した境遇に絶句。
 出来て当然。出来たとしても一切褒められない。
 重視されるのは一色先輩本人ではなく、家柄の格式や名誉。
 「傍から見ればこれ以上ないほどの後継者」「料理が何の為にあるのか分からなかった」という点など、えりなとよく似た過去を持っていたのですね。
 なるほど・・・。
 こんな世界での出身だったならば、極星寮を「家」と呼んで愛するのも当然ですよ。
 初期(第7話)に一色先輩が語っていた「青春や学生生活に憧れて極星寮に入った」という言葉が漠然とした憧憬ではなく、しっかりとした背景に裏付いていたものだったということがここで説明されたわけです。
 基本ギャグ調に扱われ気味ですが、実際はほとんど真面目な理由で行動してるんですよね一色先輩って。
 そういう意味においても一色先輩は既存のキャラの中でもトップクラスで味わい深い人物です。



 前回は「汁」の審査が描かれていた一色先輩の椀物でしたが、今回は「椀種」へ。
 これはとても面白い工夫ですね!!
 正直なところ、創真ら反乱軍がこれまで出してきた料理の中では、一色先輩の料理が一番食べてみたいと思わされます。(セントラル陣側で一番食べてみたいのは斉藤先輩の料理)
 『野ウサギ』というテーマ食材は馴染みが無いだけにどうしても味のイメージが想像しにくいのですが、その点を一色先輩の品は料理分野や副食材で上手くカバーしているなあ~と。
 そして料理に仕込まれた工夫に伴うメッセージ性も、これまた見事。
 「澄まし汁」が「味噌汁」へ。
 この発想はエンタメ性としても勿論面白いですが、それ以上に澄んだ(純粋な)もの濁った(不純物な)ものへという変化は、遠月革命編の序盤:黒木場VS楠戦で示された不均一の肯定とも相通じていますよね。
 そんな清濁併せ持つという思想をこれほど的確に料理で体現させた一色先輩(&森崎先生)は本当に凄いと、改めて尊敬し直しました。

 しかもそれだけではなく。
 一色先輩は椀種に「お餅」を用いていましたが・・・。
 「お餅」を用いたことで、この品は「お雑煮」としても見ることが出来ますよね?
 作中で言われていますが、「椀物(汁物)」という和食の中でも最も繊細かつ高度な技術が求められる洗練された品を、一色先輩は「お煮」という名前と共に上記で述べた“不純物”へと変えてもいるわけです。


 「お餅」を用いた面白みは他にもまだまだ。
 うさぎさんといえばお餅ですよね。(どーん)
 うさぎさんは月でお餅をついてますし。
 『雪見だ●ふく』のパッケージにだってうさぎさんがいるし。(←)
 しかも。
 月と遠“月”学園を掛けていたとしたら、もはや巧妙なんてもんじゃないレベルですよ。
 そんな連想イメージを見事に踏襲しているのがひたすら感嘆しきり。

 勿論これは私個人の勝手な連想&こじつけですけどね。
 でも、この多重構造的関連性に気付いた時、かなり興奮したんですよ。
 やはりこの作品は「創造」と共に「想像」も素晴らしく膨らませてくれます。
 改めて言いましょう。
 この料理漫画に出会えて良かったです。本当に。(^^)


 優雅に。
 それでありながら攻撃的に。
 イメージと共に、まさに「一色慧の料理」と呼ぶに相応しい品でした!!





 そして、長きに渡る蟠りがようやく解消された寧々先輩との関係。
 結局のところ、寧々先輩は一色先輩に認めてもらいたかった・・・
 “見て”もらいたかったのでしょうね。
 
有象無象の数えきれぬ賛辞より、ただ一人、最も見てもらいたかった人からの褒め言葉の方が遥かに価値がある。
 そういうものですよね。

 一色先輩という存在に対して、常に心の奥底にあった劣等感。
 それをこれまで寧々先輩は強者として歩み続けることで誤魔化していましたが、創真に敗北し、自分の至らなさを思い知ってしまった事で隠しきれなくなってしまったわけです。

 確かに一色先輩は常に余裕ある態度で飄々としている分、内心が分からない人物。しかもドS(爆)。
 そんな掴みどころのない態度が、余計に寧々先輩の劣等感や不安を助長させてしまっていたのは事実でしょう。
 ですが。
 それは単なる寧々先輩の思い込み。
 寧々先輩は一色先輩から馬鹿にされている、見下されていると思っていたようですが、一色先輩はそんな言葉は一言も言っていないし、思ってもいないんですよね。
 ・・・そこが一色先輩の悲しいところだと思います。
 誤解されやすいというところが。
 主人公と同じく。

 実際は、寧々先輩が思っていたよりもずっとずっと、寧々先輩の事を“見て”いた一色先輩。
 対して、幼馴染という間柄であったというのに、ずっと見ていた筈なのに、一色先輩の本心が“見えていなかった”寧々先輩。
 この二人の相違性はこれからの群像劇においてもかなり重要な鍵になると思っています。





 ちなみに。
 今回のサブタイトルは【君の横顔】。
 まさにその言葉通りの内容でしたし、この回で一色先輩&寧々先輩の関係性に注目するようになった読者もおられることでしょう。


 ・・・でも。

 一色先輩が「その横顔」に見入った人物はもう一人いますが、ね。

 


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最近の附田先生のお仕事についてあれこれ&『食戟のソーマ』第248話感想

2018-02-03 13:00:00 | 食戟のソーマ

 色々あってリアルタイムでの視聴は逃したものの、しっかり聞きました!『週刊ラジオジャンプ』の附田先生インタビュー!
 一番驚かされたのは、あの伝説の神回第21話【至上のルセット】がアンケート第一位ではなかったという事実ですね、やはり。(実際は三位だったそうで)
 私も附田先生の立場だったならば、思わず「ウソつけーーー!!!」と叫んでいたに違いないでしょう。きっと。絶対。
 でも一位二位の作品名を聞いて、納得せざるを得ないというのがまた悔しいというかなんというか・・・。
 まあ、第21話が『食戟のソーマ』という作品の起爆剤となったのは確かですがね!!
 附田先生の過去体験[なにこの地獄ベスト3]も面白かったです。(っていうか、それって「ベスト」じゃなく「ワースト」では?)
 第一位の[京王線メリーさん事件]には、となりました。(NAKADIさん・・・やっぱ凄いお方だ・・・)
 残り二位三位も、「ああ、あの時の・・・」と頷きながら視聴。
 これまでの歩みをちょっと振り返るような気分になれました。



 そして『ジャンプ+』の『ヒット作のツメアカください!』にも現在出演中。
 ・・・なんとな~くなんですけど・・・。
 附田先生って、基本大人しいですけど時々ズバショなツッコミをなさる方に思えます。
 実際私がそうなんですよね。
 基本的に聞き役なんですけども、慣れた相手に対しては時々ズバショなツッコミを炸裂させるという。(実際この前それで叔母を撃沈させました/核爆)

 それと、あまりお体が丈夫ではないとのことで・・・。
 ラジオで仰ってた高熱の件も、これと関係しているのでしょうね・・・。
 どうかお体だけは何より大事になさって欲しいところです。
 でもってN氏(NAKADIさん)からも会社の上司さんからも「なんでや!!?」と驚愕される附田先生・・・(大苦笑)。
 その会社の方々とは今も仲良くさせて頂いているそうで・・・。本当に良い会社だったんですね。
 だからこそ尚更、決意なさるのに大変悩まれたことでしょう・・・。

 それと、作者の天望先生は毎回各人物を鳥さんやワンちゃんといった可愛いキャラで描いてくださっているのですが・・・。
 今回の附田先生はネズミさん!!(一方のNAKADIさんはネコさん/苦笑)
 かわいー♡かわいー♡
 角度によってはウサギさんにも見えるのがまたか~わいい~~~♡



 ということで。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年9号掲載
 掲載順第8位
 第248話 【凡人の気持ち

 

 

 

 

 

 

う さ ぎ さ ん ! ! !

 

 

 

 

 

 以上!!(え)

 


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『食戟のソーマ』第247話感想

2018-01-26 00:10:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2018年8号掲載
 掲載順第10位
 第247話 【“氷の女王”

 

 






 ・・・さて。

 大方の予想通り、この4thBOUT第1カードはえりなの完全勝利で終わったわけですが・・・



 今回の話って



 明らかに



 創真VS斉藤先輩の決着回である第243話との対照性が意識された脚本&描写になってるじゃありませんか!!

 

 

 それはもう初っ端の扉絵から。
 第243話の扉絵と並べると一目瞭然です。

 不機嫌そうな表情で桜並木を歩いていた創真。
 そして、今回のえりなも同様に仏頂面で桜並木を歩いているという。
 創真とは反対方向に。
 
あの時は編入試験に向かっている時の創真を描いているものとばかり思っていたのですが・・・違ってましたね。
 どちらも第4話の「あの宣告」後に別れた二人だったわけです。

 煽り文も粋ですよねこれまた。
 サブタイトルが【“氷の女王”】に対し、「春の嵐を乗り越えて・・・」とは。
 もう何度も言ってるように、第9話のサブタイトルである【氷の女王と春の嵐】という言葉と意味合いに格別の思い入れを持っている私としては堪りませんでした。
 ありがとう担当編集さん。グッジョブです担当編集さん。





 まずは今回最大のツッコミ所その1。
 創真くん、それぐらいの笑い方を「爆笑」とは言いませんよ。
 「そんなウケるとこあったか?」とかいう言い方の方が自然かと。



 食べるまでもない、とえりなの品を減点と決めつける茜ヶ久保もも。
 あ゛~~ほんっと少し前のえりなとそっくり。(-"-)

 まあ・・・確かにその指摘はご尤もではあるのですが。
 餡子を挟んだことでスフレの食感が損なわれてしまったのでは・・・?と正直な所私も思いましたから。
 創真も地獄の合宿での朝食ビュッフェ課題でスフレオムレツを思いついた際は「食感」に着目していましたしね。


 でも。
 食べれば案の定悶絶。(ザマーミロ)


 えりなのスフレどら焼きは、そんな食感の損失を大きくカバーする程風味が深かった模様。
 その隠し味になったのは、水分を抜いたヨーグルト、別名ギリシャヨーグルト」。
 調べたところ、ギリシャヨーグルトは低カロリー・高タンパク質なため、美容や健康に良いと女性達に人気がある模様。
 私は全く知らなかったけど。(←)

 そして、それを即席で作るためにえりなが用いたのが、前回ちらりと見せていたコーヒーフィルターだったわけですか。
 なんだか、生粋のお嬢様であるえりながこういった一般家庭で使われている道具を用いるのは不思議な感じですね。
 この工夫を思い付けたのは極星寮での生活があったから、とかいう理由だったならば個人的には大歓迎。(^^)



 品名からえりなの意図が分かっていたアリス。
 「grace(グラース)」の意味は「恵」。
 え???
 んなアホな。
 ・・・(再び調べてみた)・・・
 ホンマや☆
 いえ確かに「優美」も間違いではありませんでしたが、「恵み(恩恵)」という意味もちゃんとありました。(※他にも「(食事前後の)感謝の祈り」という意味も)
 うわこれは完全に引っ掛かってしまいました☆
 見事すぎて悔しいレベル。



 ともすればマイナスになりかねない事でも、敢えて承知で挑むチャレンジングな姿勢、ですか。
 残念ながらリスクを越えることが出来なかった恵のりんごどら焼きの工夫を、えりなはこのスフレどら焼きで越えてくれたわけですね。(^^)
 その一方で、私はこうも思いました。
 やはり恵の料理への姿勢は創真と似てますよね。
 恵VS茜ヶ久保ももの闘いではボクシングという「殴り合い」がイメージとして描かれていましたが、創真もまたこの遠月革命編内で「殴り合い」のイメージで闘っていましたもの。
 遠月革命編中盤における最大の山場であったVS葉山戦で。
 リスクを恐れず、可能性を信じ捨て身で挑む姿勢で。

 そんな創真や恵の姿勢は、言い換えればイチかバチかの大博打。
 ・・・あ、なるほど。
 そこが第232話の巻頭カラーと繋がっていたわけですか☆



 でもって今回最大のツッコミ所その2。
 えりなさん、創真からインスパイアされまくりやないけ。
 「上座にふんぞり返っているだけ」のくだり、創真から言われた事(第3話)じゃないですか。
 「お粗末さま」ってモロに創真の決め台詞じゃないですか~。





 創真の精神的成長の集大成が描かれていた第243話。
 それは、遠月学園という世界を認めるという形でした。

 そして、えりなの精神的成長の集大成が描かれていたのが今回。
 それは、『幸平創真』という人物を認めるという形だったという。
 えりなが創真に対して執拗に否定や反発や苛立ちを抱き続けていたのは、彼の(一見)失礼な言動だけでなく、「自由」や「可能性」といった自分の知らない“輝き”を持っていた事に対する嫉妬もあったわけですか。



 そんな二人に共通していたのは
 過去の自分”を回顧しながら“今の自分”を宣言していたこと。

 そして。

 “出会い”にしっかり向き合えていたことですね。

 特にえりなはその頑なさと幼稚さから“自分”にも“出会い”にも背を向け続けてきただけに、創真とはまた違う感慨深さがありました。
 現に茜ヶ久保ももからも「自分の事は棚上げしてるくせに」と言われてましたしね。
 でも、過去の自分を顧みることが出来るようになったのは大きな成長の証。
 今のえりななら、私も素直に「女王」と認められますよ。(^^)



 というわけで、やはり此の度の闘いでは[氷の女王]から変わったえりなが描かれましたね。
 この闘いが始まった時、茜ヶ久保ももへの冷笑を見て第9話【氷の女王と春の嵐】を思い出していた私。
 今回の扉絵&サブタイトルだけでも満足でしたが・・・やはり附田&佐伯先生はニクイお方です。最後に追い打ちをかけてくれました。

 去り際に「お粗末さま」と告げた時のえりなの表情。

 第9話での「ごきげんよう」を回顧したものになってましたね。(さあ!単行本2巻87ページと見比べてみましょう!)

 表情はほぼ同じながらも、その発言だけで明確に以前との違いが分かるというこの巧みさ。
 これは附田&佐伯先生の会心の工夫だったと思います。





 さあ、そして気になる他のカードの対戦図はというと・・・?
 (えりなの勝利のコマで先バレしちゃってたけど)
 予想的中!
 一色先輩VS司
 タクミVS竜胆先輩

 となりました!

 次回からは第2カード:一色先輩VS司の戦いが繰り広げられる模様。
 個人的にこの対戦はえりなVS茜ヶ久保ももよりも興味深いですね。
 なにせ、私から見て一色先輩は次期十傑第一席最有力候補ですから。
 勿論創真もいずれ必ず第一席になると信じていますが、まだまだ成長途上ですからね。
 料理面的技術やセンス、人格的度量や気概といった総合的な面で考えれば、えりなよりも、創真よりも、一色先輩が一番第一席に近いと思っています。
 そんな十傑第一席に一番近い人物と、現・十傑第一席との勝負。
 果たして一体どんな戦いになるのでしょうか?

 


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『食戟のソーマ』第246話感想

2018-01-18 22:30:00 | 食戟のソーマ

 いや~今週号の『ゆらぎ荘』は普段よりも頭一つ抜け出ていたと言っていいほどの良さでした。
 コガラシのイケメンさがもうね!!!
 真のイケメンというものは、「優しい」だけじゃダメだと思うんですよ。
 相手を真剣に思い遣ってくれているからこそ。本気で大切に思ってくれているからこそ。
 だからこその、「怒り」。
 しかも、その「怒り」を単なる怒号としてぶつけるのではなく、敢えて背中を向けて告げたのも彼らしい配慮の形になっているんですよね。
 正面切って怒りをぶつけてしまったら、狭霧が傷付いてしまうかもしれない。
 怒りつつも、同時に相手を必要以上に責めようとしないコガラシの誠実さは本当に男前の一言です。

 「優しく」はあれほど、決して「甘く」はない。
 そういった絶妙な男前さは創真と似てるなあ、と個人的には思ったり。






 週刊少年ジャンプ2018年7号掲載
 掲載順第10位
 第246話 【カワイイ“女王”様





 茜ケ久保もものツイッターに寄せられる【いいね!】。
 う~ん時代だねえ~。(←ツイッターやってない人)
 でもさ~やっぱりそのスイーツは・・・(汗)。
 最近の「カワイイ」の基準はわからん★

 それにしても茜ヶ久保ももって随分とSNSの人気者だったんですね。
 月饗祭で売り上げ第一位だったのも、この人気が後押ししていたのでは。



 前回は茜ケ久保もものターンでしたが、今回はえりなのターン。
 やはりえりなもスイーツで正面勝負を挑んできました。
 やっぱりね~。やっぱりな~。


 お。
 前に新戸が言っていた「えりなは薊の計画の“鍵”」発言がここで再び取り上げられました。
 それを初めて聞いたときは色々と想像を巡らしましたが、一体どういう事なのでしょう?
 えりなの才[神の舌]と、薊がえりなを自分の価値観を絶対のものとするように洗脳したことが、きっと関係しているとは思うのですが・・・。
 その真相を明かすのは誰になるのでしょうかね?
 仙左衛門か、それとも司あたりか。
 やはり・・・薊か。



 えりなに(上っ面でとはいえ)声援を送るとは随分な余裕ぶりですね茜ケ久保ももは。
 それだけ自分の勝利を微塵も疑っていないということでしょうけど。

 その自信はどこから来ているのかというと、自分の絶対的センスや高度な製菓技術もさることながら・・・。

 用意されていた多くの選択肢の中から、「パティシエ」という道を選んだ自負。

 天性の才を持っていたという点ではえりなとよく似ていた茜ケ久保もも。
 ですが、えりなの「舌」という才は食物のみでしか発揮できないものですが、茜ケ久保ももの「審美眼」は衣服や玩具、装飾等々、デザインに関わるもの全てに通用する非常に活用幅の広い才です。
 それだけ多くの道があったというのに、何故「パティシエ」という道を選んだのか。
 その理由は―――

 ふ~ん・・・。

 茜ケ久保ももは「かわいい」ということを絶対的価値観としてこれまで度々口にしてきましたが、この時用いた「かわいい」を言い換えるならば。

 お菓子を作っている時の自分が一番“輝いている”から。

 それだけ茜ケ久保ももにとって、お菓子を作ることは好きな事であり、楽しい事であったのでしょう。
 なのに・・・。
 いつからなのでしょうね。
 お菓子作りが「敵を倒す手段」になり、「ストレス発散法」になってしまったのは。


 敷かれたレールをただ進むのではなく、しっかりと「自分」が選んだ「自分の道」を歩んできた茜ケ久保もも。
 それは尊敬すべきことです。
 ですが。
 そんな「自分だけの道」しか歩んでいないことが、茜ヶ久保ももの大人への成長を妨げているのでしょう。


 そんな茜ケ久保ももに何かを教えるため、えりなが作った品は。
 ホットケーキ!
 今の御時世では「パンケーキ」と呼んでいるようですが、いいんです!誰がどう言おうが私にとってはこういう品は「ホットケーキ」なんです!!
 だって「ホット」なんですから!!!
 料理とえりなの二重の意味においても。

 その品は、名付けて『Souffle’ le’ger de grace』 
 直訳すると『優美なるスフレ』とのこと。
 茜ケ久保ももの「可愛さ」に対して、えりなは「美しさ」で対抗してくるだろうとは予想していましたが、まさにえりならしい品ですね。

 それにしてもスフレかぁ~~~。(単行本4巻を目にしながら含み笑い)
 でもって桜の花かぁ~~~。(単行本1巻&小説版第二弾を目にしながら以下略)


 でも今回取り上げられていたのは、恵のどら焼きとの“繋がり”。
 和菓子を作ってくるかと思いきや、ホットケーキという至って馴染み深い洋菓子を出してきた時はちょっと意表を突かされましたが、どら焼きの構成要素をこういう風にアレンジしてくるとは思いませんでした。
 しかも「創真がもしお菓子を作るとしたらホットケーキかな~」と想像していた身としては、ダブルの不意打ちです。
 ・・・なんだか、附田&森崎先生のアイデアが今回の品には一層感じられるような・・・。

 でもって川島麗と一緒にアンもリアクション。
 「餡」だけに。
 うまい☆
 前回と同様に今回も過去作との融合リアクションですね。
 第30話での「見下ろすえりな」+第215話の「ぱふぱふ」という(苦笑)。





 繰り返し読んで気付いたことが一つ。
 インスタ映えするお菓子を披露している茜ヶ久保ももと、ホットケーキを作ったえりな。
 今回の話は共に「今のトレンド」にスポットを当てた内容になっていたんですね。
 こういう発見があるからこの漫画は面白いんですよ♪ 


 さぁて。
 次回は茜ケ久保ももの派手なリアクションが弾けそうですね。
 それに、まだ例のコーヒーフィルターが何に用いられたのか明かされていませんし。
 全然想像がつかないだけに、次回の種明かしが楽しみです。
 今回は料理を通して恵との“繋がり”が描かれていましたが、次回は是非とも新戸や郁魅との“繋がり”を描いて欲しいところ。
 新戸は勿論ですが、郁魅の場合も、今回の勝負にえりなが勝ったら第三次進級試験時(第191~192話)の敵討ちを兼ねることもできますから。



 そんなえりなの戦いの一方で、司と竜胆先輩は一体誰と当たっているのでしょうか。
 創真は今回は控えに回っているようですから、出場しているのはタクミと一色先輩。
 多分、一色先輩は司と、タクミは竜胆先輩と当たっているものと予想します。
 一色先輩は、その鋭さで司が何故薊政権を支持しているかについて切り込んでくれることを期待。
 タクミは、その情熱で竜胆先輩に立ち向かっていってもらいたいです。

 


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