あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第247話感想

2018-01-26 00:10:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2018年8号掲載
 掲載順第10位
 第247話 【“氷の女王”

 

 






 ・・・さて。

 大方の予想通り、この4thBOUT第1カードはえりなの完全勝利で終わったわけですが・・・



 今回の話って



 明らかに



 創真VS斉藤先輩の決着回である第243話との対照性が意識された脚本&描写になってるじゃありませんか!!

 

 

 それはもう初っ端の扉絵から。
 第243話の扉絵と並べると一目瞭然です。

 不機嫌そうな表情で桜並木を歩いていた創真。
 そして、今回のえりなも同様に仏頂面で桜並木を歩いているという。
 創真とは反対方向に。
 
あの時は編入試験に向かっている時の創真を描いているものとばかり思っていたのですが・・・違ってましたね。
 どちらも第4話の「あの宣告」後に別れた二人だったわけです。

 煽り文も粋ですよねこれまた。
 サブタイトルが【“氷の女王”】に対し、「春の嵐を乗り越えて・・・」とは。
 もう何度も言ってるように、第9話のサブタイトルである【氷の女王と春の嵐】という言葉と意味合いに格別の思い入れを持っている私としては堪りませんでした。
 ありがとう担当編集さん。グッジョブです担当編集さん。





 まずは今回最大のツッコミ所その1。
 創真くん、それぐらいの笑い方を「爆笑」とは言いませんよ。
 「そんなウケるとこあったか?」とかいう言い方の方が自然かと。



 食べるまでもない、とえりなの品を減点と決めつける茜ヶ久保もも。
 あ゛~~ほんっと少し前のえりなとそっくり。(-"-)

 まあ・・・確かにその指摘はご尤もではあるのですが。
 餡子を挟んだことでスフレの食感が損なわれてしまったのでは・・・?と正直な所私も思いましたから。
 創真も地獄の合宿での朝食ビュッフェ課題でスフレオムレツを思いついた際は「食感」に着目していましたしね。


 でも。
 食べれば案の定悶絶。(ザマーミロ)


 えりなのスフレどら焼きは、そんな食感の損失を大きくカバーする程風味が深かった模様。
 その隠し味になったのは、水分を抜いたヨーグルト、別名ギリシャヨーグルト」。
 調べたところ、ギリシャヨーグルトは低カロリー・高タンパク質なため、美容や健康に良いと女性達に人気がある模様。
 私は全く知らなかったけど。(←)

 そして、それを即席で作るためにえりなが用いたのが、前回ちらりと見せていたコーヒーフィルターだったわけですか。
 なんだか、生粋のお嬢様であるえりながこういった一般家庭で使われている道具を用いるのは不思議な感じですね。
 この工夫を思い付けたのは極星寮での生活があったから、とかいう理由だったならば個人的には大歓迎。(^^)



 品名からえりなの意図が分かっていたアリス。
 「grace(グラース)」の意味は「恵」。
 え???
 んなアホな。
 ・・・(再び調べてみた)・・・
 ホンマや☆
 いえ確かに「優美」も間違いではありませんでしたが、「恵み(恩恵)」という意味もちゃんとありました。(※他にも「(食事前後の)感謝の祈り」という意味も)
 うわこれは完全に引っ掛かってしまいました☆
 見事すぎて悔しいレベル。



 ともすればマイナスになりかねない事でも、敢えて承知で挑むチャレンジングな姿勢、ですか。
 残念ながらリスクを越えることが出来なかった恵のりんごどら焼きの工夫を、えりなはこのスフレどら焼きで越えてくれたわけですね。(^^)
 その一方で、私はこうも思いました。
 やはり恵の料理への姿勢は創真と似てますよね。
 恵VS茜ヶ久保ももの闘いではボクシングという「殴り合い」がイメージとして描かれていましたが、創真もまたこの遠月革命編内で「殴り合い」のイメージで闘っていましたもの。
 遠月革命編中盤における最大の山場であったVS葉山戦で。
 リスクを恐れず、可能性を信じ捨て身で挑む姿勢で。

 そんな創真や恵の姿勢は、言い換えればイチかバチかの大博打。
 ・・・あ、なるほど。
 そこが第232話の巻頭カラーと繋がっていたわけですか☆



 でもって今回最大のツッコミ所その2。
 えりなさん、創真からインスパイアされまくりやないけ。
 「上座にふんぞり返っているだけ」のくだり、創真から言われた事(第3話)じゃないですか。
 「お粗末さま」ってモロに創真の決め台詞じゃないですか~。





 創真の精神的成長の集大成が描かれていた第243話。
 それは、遠月学園という世界を認めるという形でした。

 そして、えりなの精神的成長の集大成が描かれていたのが今回。
 それは、『幸平創真』という人物を認めるという形だったという。
 えりなが創真に対して執拗に否定や反発や苛立ちを抱き続けていたのは、彼の(一見)失礼な言動だけでなく、「自由」や「可能性」といった自分の知らない“輝き”を持っていた事に対する嫉妬もあったわけですか。



 そんな二人に共通していたのは
 過去の自分”を回顧しながら“今の自分”を宣言していたこと。

 そして。

 “出会い”にしっかり向き合えていたことですね。

 特にえりなはその頑なさと幼稚さから“自分”にも“出会い”にも背を向け続けてきただけに、創真とはまた違う感慨深さがありました。
 現に茜ヶ久保ももからも「自分の事は棚上げしてるくせに」と言われてましたしね。
 でも、過去の自分を顧みることが出来るようになったのは大きな成長の証。
 今のえりななら、私も素直に「女王」と認められますよ。(^^)



 というわけで、やはり此の度の闘いでは[氷の女王]から変わったえりなが描かれましたね。
 この闘いが始まった時、茜ヶ久保ももへの冷笑を見て第9話【氷の女王と春の嵐】を思い出していた私。
 今回の扉絵&サブタイトルだけでも満足でしたが・・・やはり附田&佐伯先生はニクイお方です。最後に追い打ちをかけてくれました。

 去り際に「お粗末さま」と告げた時のえりなの表情。

 第9話での「ごきげんよう」を回顧したものになってましたね。(さあ!単行本2巻87ページと見比べてみましょう!)

 表情はほぼ同じながらも、その発言だけで明確に以前との違いが分かるというこの巧みさ。
 これは附田&佐伯先生の会心の工夫だったと思います。





 さあ、そして気になる他のカードの対戦図はというと・・・?
 (えりなの勝利のコマで先バレしちゃってたけど)
 予想的中!
 一色先輩VS司
 タクミVS竜胆先輩

 となりました!

 次回からは第2カード:一色先輩VS司の戦いが繰り広げられる模様。
 個人的にこの対戦はえりなVS茜ヶ久保ももよりも興味深いですね。
 なにせ、私から見て一色先輩は次期十傑第一席最有力候補ですから。
 勿論創真もいずれ必ず第一席になると信じていますが、まだまだ成長途上ですからね。
 料理面的技術やセンス、人格的度量や気概といった総合的な面で考えれば、えりなよりも、創真よりも、一色先輩が一番第一席に近いと思っています。
 そんな十傑第一席に一番近い人物と、現・十傑第一席との勝負。
 果たして一体どんな戦いになるのでしょうか?

 


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