あまぐりころころ

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『食戟のソーマ』第135話感想

2015-09-25 19:20:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2015年43号掲載。
 掲載順第7位
 第135話 【薙切の血族】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回にて総帥交代という激震が起こった遠月学園。
 でしたが、学生達の学業生活は一見これまでと何ら変わらないように見えました。
 ただし。
 えりなの表情からは、いつもの強気さが全くありませんでしたが。



 このニュースに吉野ら極星陣も一色先輩を問い詰めます。
 ですが一色先輩もこの事は知らなかった模様。
 唐突に思える今回の件も、正式な手順によるもののため何の問題もないとのこと。
 説明を受け、割とすぐに納得する吉野達。

 よく考えたら自分ら生徒には全く関係ないことだし、と笑う吉野。

 ・・・そうか?


 そんな中、伊武崎は一色先輩に新総帥を支持する根回しがされていなかったことを少しだけ気にしていました。
 うん、確かに。
 一色先輩、久我、女木島冬輔ら三人に根回しがされていなかった理由は気になるところですね。
 少なくとも久我は今回の件に不満を抱いている様子。
 それは自分の知らないところで根回しが進んでいたことに対してか、それとも薊が総帥に着任すること自体に対してか・・・。





 その頃、薊は報道メディアの前で総帥着任の挨拶を行なっていました。
 前日の横柄な言動とは打って変わって、爽やかな好男子振りを見せる薊。
 そんな彼の姿に、喜多や安東はあれだけボロを出しておきながら、何を今更猫被りを・・・と不審に思います。

 ですが、千俵おりえは勘付いていました。
 薊は猫を被る気などそもそも無く、昨晩の姿も今日の姿も、彼の本心による言動なのだと。





 挨拶を終え、学園を一通り見て回る薊。
 その中には、汐見ゼミや丼研も。
 ああ・・・これは嫌な予感の暗示・・・。


 そして薊が最初に実行したのは、新戸の解雇。
 えりなは震えながらもなんとか新戸を引きとめようとするものの・・・。
 あえなく、その言葉は失われることに。
 これから一緒に頑張ろうと言われ、大人しく「・・・はい」と答えるえりな。
 その眼にはもう、意思はほとんどありませんでした。

 

あ、こりゃ心折れたわ。

 

ってゆーか。

 

これ完全にマインドコントロールの域だよ。

 

 

 

 所変わって、再び極星寮へ。

 平和なのは今だけかもしれないと言うふみ緒さん。
 今までは分散していたからこそバランスが取れていた十傑という権力図。
 それが今回の件で一気に同じ方向に揃ってしまったため、明確な「勢力」になってしまったと。
 つまり。
 その「勢力」に逆らってしまったら、遠月学園を、ひいては遠月十傑を敵に回してしまうということに。

 はーーー・・・なるほど・・・。
 「紅葉狩り会」で見せていたように、十傑達(特に二年生陣)がてんでバラバラだったのがそういう働きも成していたなんて・・・。
 ただ単に纏まっていれば良い、というわけでもない場合もあるのですね。
 これは感心させられた着眼点でした。



 夕食後、自室に戻る創真。



 

そこにいたのは筋肉

 

・・・じゃなくって、薙切仙左衛門。

 



 このコマ見た瞬間、第20話のザ・インパクトシーンがフラッシュバック☆
 したらば案の定、作者もそれを意図してましたとさ(笑)。


 反射的な創真の行動に仙左衛門殿は的確にフォロー。
 うん、改めて良い味してるお爺様です(笑)。

 突然の来訪を非礼と詫びる仙左衛門。
 いやそれ以前に、よそ様の自室で脱いでたことを詫びましょうよ仙左衛門殿。


 
そして、そこは普通に疑問に思いましょうよ幸平くん。
 ほんと創真って常識さと大物さが最高の比率でブレンドされた子だわー。



 っていうかですね。
 (前)遠月学園トップの仙左衛門の来訪をあっさり受け入れるふみ緒さんって何者!?
 仙左衛門と幼馴染だったとか、料理人として鎬を削り合う戦友だったとかだったりしたら納得しちゃいますからね!(←納得するんかい)




 堂島アニキのインパクトも一瞬で済ましちゃった創真くんだっただけに、今回の仙左衛門のサプライズにもすぐさま対応。(マジで流石だよ創真くん)
 そんな創真に、直接話をするのは初めてだな、と笑む仙左衛門。
 確かに。
 「秋の選抜」の時に一応会話は交わしてますが(本戦第一回戦時)、あの時は審査委員と選手としての質疑応答でしたものね。
 一個人としての対面・会話は確かにこれが初めてです。(^‐^)

 美作の来訪時にも思ったけど、創真って何気に躾が行き届いた子ですよね~。
 一見不躾のようでありながら実は・・・、っていうのが感心できるギャップになってると思います。
 ほんと良いお婿さんになれるよ。(←)



 切り出す仙左衛門。

 

 

城一郎に創真の遠月編入を勧めたのは自分だと。

 

 

 

 外に出ようと仙左衛門は言います。

 確かにその方がいいね、きっと。

 仙左衛門の来訪を知ったら、美作の時以上の聞き耳包囲網が出来上がってしまうこと確定だから(爆)。

 

 


 

 

 【薙切の血族】。
 遠月学園の総帥は代々薙切家の当主が担っている。

 第34話の伏線に気付いておられる読者にとってみれば、今回のサブタイ、そして涼子と吉野の会話には私と同様にきっと違和感を抱かれたことでしょう。
 前回薊の仙左衛門への呼び方を「お“父”さん」と表記していたことといい、まだ製作者側としては薊が薙切家の血縁ではないということを明かすつもりはない模様です。
 確かにこれは非常に重要なポイントですからね・・・。





 そして今回またキャラクターが掘り下げられた薊。

 千俵おりえの分析には至って納得。
 裏表関係なく、自分の本心をそのまま口にしている薊。
 だからこそ、侮辱発言をしても全く弁明もしなければ取り繕いもしないという。
 なるほど。そこが「創真と共通する部分」なんですね。
 始業式での所信表明のシーンが良い例です。
 創真も本当に悪びれずに自分の本心を口にする子ですから。
 ただし。
 創真は相手への見下しは一切ありませんけども。



 一方の千俵なつめの分析に対しては、私はそうは思いませんでした。
 全て自分の思い通りになると信じきっているというより・・・。


 自分の判断は絶対に「正しい」と信じきっているのでは。


 正しい事は社会に通用する。認められる。
 正義は絶対。
 だからこそ、正しい自分の言い分は必ず通用する。

 「新戸をクビ⇒新戸を秘書の責務から解放して、自由にしてあげよう」
 これも正義。
 「えりなの傍に⇒今度は自分がえりなを支え、よりえりなの才能を高めてあげよう」
 これも正義。

 自分の「正義」に微塵の疑いもナシ。
 ただし。
 それが真っ直ぐすぎて、完全に独りよがりなものになっている。


 そこが多分、薊とえりなの最も重要な「共通している部分」。
 
えりなも常に正しくあろうとしている子ですから。
 社会において。調理場において。どんな横暴な発言をしても、高慢な態度をとっても全く悪びれない。
 何故なら、自分が正しいのだから。 


 いうなれば。
 薊はえりなの「究極体」です。


 今は恐怖という「支配」によって何も見えなくなってしまっているえりなですが、いずれ薊の姿を通してかつての自分の振る舞いを突きつけられることになるでしょう。





 遠月学園内を歩き回り、学園の現状を自らの目で確認していた薊。
 それは排除対象の選別。
 いかにも読者の不安を煽らせる形で、それらが描かれていました。

 やはり危惧していたとおり、丼研も挙がってしまっていましたね。
 丼研はえりなも不要と見なして潰そうとしていた研究会でしたから・・・。
 そして汐見ゼミさえも。
 実績的には充分凄い所なのに・・・。
 やはりあの外観が薊の考えにそぐわなかったとか?

 まあ、「郁魅や葉山の薊への反発⇒創真ら庶民派勢と協力」という流れになってくれるのならば個人的には大歓迎ですけども。



 仙左衛門に続き、これまでの役職を奪われてしまった新戸。
 良いチャンスじゃないですか☆
 だって、これからはもう「主」と「従者」じゃないんでしょ?
 これからは「友人」として、えりなと対等に向き合えるわけじゃありませんか。
 こう捉えられるかどうかは新戸次第ですけどね。
 ここはぜひとも創真の言葉を思い出して、頑張ってもらいたいところです。


 ただ、えりなにとってはもはや最後の砦さえも失ってしまったわけですが。
 もはや完全にえりなは精神的な「囚われのお姫サマ」状態です(いや「女王サマ」か?)
 これが一般的な少年漫画なら、当然主人公である創真がえりなを現状から救い出す流れになるのでしょうが・・・。
 私個人としてはそれは望みません。
 恵が最大のピンチに陥った時(四宮編)と同じです。
 安直に助けたんじゃダメ。
 それじゃあ根本的な解決にはなりませんもの。
 だって、薊がえりなの父親であり家族だということは、変えようのない事実なのですから。
 これはある程度、彼女が自分自身で立ち向かわなくてはならない事です。
 なので私としては、創真にはえりなに勇気を出させる役として活躍してもらいたいですね。恵の時と同様に。


 一方でまた心配なのが堂島先輩。
 なにせ彼は城一郎と同様に薊と同世代ですし、遠月学園の役員ですからねえ・・・。
 仙左衛門と同様に薊から権力を奪われるか封じられるかされそうで、気掛かりです。

 ちなみに同じ薙切家に関わる者として、アリスはどう行動するのでしょう?
 薊がえりなに施した「教育」は知らずとも、幼少時にえりなと一緒に暮らしていたアリスから見て、薊はどんな人物だったのか。
 そして、今回の薊の総帥着任にどう思っているのか。
 ある意味で郁魅と同様に「上流階級」と「一般庶民」の間を行き来できるアリスの“自由性”は中々重要なだけに、彼女の動向も気になります。(竜胆先輩が薊派だからアリスには反薊派になって欲しいな)



 こうして色々な場所、様々な人物へのこれからの影響を予感させた今回。
 そんな中、唯一薊(遠月学園)の支配を受けない「特別区域」が存在するわけで。
 それが極星寮。
 第41話(単行本第6巻収録)でさらりと述べられていたことですが、かつて城一郎と堂島先輩が築いた黄金時代によって極星寮は独立採算性を取っているわけですから。
 
そして、そんな独立枠に入居している創真。
 そんな創真の元を訪れた、前総帥薙切仙左衛門。

 うっわ~~~・・・。
 これは気になる気になる。
 次回が超気になります。
 
 創真の遠月学園の編入の合否に仙左衛門が関与していたことは、当初から既に読者に明かされていたことでした。
 編入試験の審査員にえりなが任命されたことも、仙左衛門の計らいだったのであろうことも。
 でしたが、編入を勧めるという、そもそもの切っ掛け自体を作った張本人でもあったとは・・・!
 城一郎を「城一郎」と名前で呼んでいることから見ても、相応の関係が窺える仙左衛門と城一郎。
 このタイミングで仙左衛門は創真に何を話しに来たのでしょう?
 場所を変えようとしていることから、かなり込み入った話になる模様。
 ・・・もし次回の仙左衛門と創真の会話に余計なギャラリーが入ってきたら、そいつに靴投げつけてやる。(←)


 編入試験の時や始業式、そして秋の選抜と、度々創真とえりなの邂逅を離れた所から見守ってきた仙左衛門。
 「原石」達がぶつかり合い磨き合う事を教育理念としている仙左衛門にとって、創真とえりなが対立し合うこともお互いの成長に繋がる事として見てきたことでしょう。
 そして、これからもずっと遠くから見守っていくつもりだった筈。
 しかし、予想だにしていなかった薊による「変革」によって、それが出来なくなってしまったという。
 薊の危険性を知っている仙左衛門は、庶民派である創真がこれからかなりの苦境に立たされるであろうことを告げに来たのかもしれませんね。
 ・・・もし、薊の陰謀によって創真の料理人人生が絶たれることになったりでもしたら、巻き込んだ自分にも責任があるでしょうから・・・。


 附田先生がこれまでずっと、ず~っと引き延ばしてきた創真と仙左衛門のコンタクト。

 なにせ仙左衛門は、この作品中でもトップクラスの事情通ですから。
 長らく遠月学園を治めてきた者として。
 えりなの祖父として。
 城一郎の過去を知る者として。
 仙左衛門は創真に果たして何を語るのでしょうか・・・?

 なんにせよ、次回はこれまで伏せられていた謎の一端が明かされるに違いありません。
 あああ早く読みたい・・・!!!(><)


 


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