突然ですが、私は『ソーマ』以外のジャンプ作品も一通り読んでいる人間です。
なので他の作品の感想も書けるといえば書けるのですが・・・。
如何せん時間が無いものでして(涙)。
それでも今回(ジャンプ25号)だけは叫びたい。
『火ノ丸相撲』が至高すぎた。
この熱さ。
この説得力。
非の打ちどころが無いとはまさにこういうのを言うのかと。
この作品には毎回唸らされるのですが、それって物凄い事だと思うんですよね。
「心」でも「頭」でもしっかり納得させられる作品は、やっぱり後読感も最高。
もっともっと人気が出てほしいなあ~。
それと『ゆらぎ荘の幽奈さん』のラストにもスカッとさせられました。
やっぱり主人公が強いっていいネ!(d(>▽<))
佐伯先生としてもラストの構図は良い勉強になったと思います。
さすがは師匠・・・!
週刊少年ジャンプ2016年25号掲載
掲載順第2位
第167話 【浮かぶ顔と浮かぬ顔】
今回のサブタイも巧いなあ~~~・・・と思わせられた内容でした。
その理由は感想内にて。
今回の扉絵はドラ●エ風。(・・・だよね?)
以前もストリート●ァイター風の扉絵が描かれたことがありましたが(第29話)、あの時の方がハマってましたね(笑)。
特に違和感が激しすぎるのが創真。
創真に鎧って凄まじく似合わないと思うの。
一方、えりなの役は妖精。
これは現在彼女が戦えない状態にあるという事を意味しているのでしょうね。
その気にさえなれば、魔王をもたじろがせる「女王」になれるというのに。
セントラルの代表として、校内放送に出演させられる司。
そこで彼が伝達したのは一年生の進級試験についてでした。
例年ではいつもその試験で大多数の生徒が退学させられたものの(ちゃんと第4話の仙左衛門の言葉と帳尻が合ってるね、よしよし)、薊政権での教育メソッドとなったこれからは、これまでの授業で習ったことを忠実に実践すれば誰しも合格できる内容とのこと。
ただし、薊政権に従わない者はどうなるか、そこで知ることになるであろうとも。
・・・すっかり悪役顔が板についたな~この人も。
そんな放送を見て、やっぱり創真も思ったようですね。
進級試験の時期が随分と早いことに。
果たして三学期には一体何が待ち受けているのでしょう?
「世界進出」に向けての本格始動は多分二年生になってからだと思うんですよねー。
やっぱり卒業目前となる現三年生と大きく関わる事になるのでしょうか?
で、創真はそんな調子でしたが・・・。
他の皆さんは浮かぬ顔。(←はい、ここがサブタイその1)
仲間達はその進級試験が反薊派を退学させる決定打になることを悟ったのでした。
・・・ん?
ドサクサに紛れて郁魅とえりなが一緒の場にいるね。
またしても、この二人の確執も先送りにされた模様です。
もはや一方的に不合格と言い渡されるに違いないと決めつけてしまっている仲間達。
いやそれはちょっと早とちりすぎるんじゃない?
あんまり決めつけてかかると、生き残れる可能性も見逃してしまいますよ?
そして、この進級試験で反薊派である創真達が退学させられてしまったら、えりなは一人になってしまうことに。
新戸も言います。
薊はえりなを退学にさせることは無いと。
仲間達はこの発言の理由を「えりなは薊の娘だから」と解釈しているでしょうが、実際は
えりなは薊の計画の“鍵”だから
という意味だと思います。
そしてえりなも、その表情から察するに自分が“鍵”であることを知っている模様。
新戸からその事を教えてもらっていた創真も、そんなえりなの様子に気付いている模様です。
そんな一方で、薊は料理界の重鎮達に自分の「教育」の成果を披露していました。
「教育」を受けた生徒達の目・・・人形みたい。
その味は絶品のようですが・・・。
ぜんっぜん惹かれるイメージじゃない。(拘束って・・・)
重鎮達はみな、その技術の高さを絶賛します。
その場にはシャペル先生も出席していました。よかった。クビになっていなくって。
そんなシャペル先生も周囲に促され、食べてみることに。
確かに認めざるを得ないほど、味は一級品でした。
ですが・・・。
脳裏に浮かぶのは、薊の顔・顔・顔。(←はい、ここがサブタイその2)
うっぎゃーーーーー!!!
絶対食べたくないーーーーー!!!
扉の向こうからコンバンワの図も相当でしたが(第149話)、今回もこれまた夢に出そうなホラー画像です。
そんな洗脳フードを食べるくらいなら創真のゲテモノ料理の方が遥かにマシ。(本気)
着々と薊の「教育」という名の「支配」が広がっていくのを、シャペル先生は苦い思いで傍観することしかできませんでした。
事実、既に生徒のほとんどがセントラルに逆らうのを諦めてしまっていました。
この流れは、もはや止めることはできないのでしょうか―――?
日が暮れ、極星寮に帰ってからも恵を始め仲間達は落ち込むばかり。
もはや故郷へお詫びの手紙まで書き始める始末。
だから諦めるのは早いっての!
ってゆうかメールじゃなくて手紙なのね。
そんな諦めムードが蔓延する中、創真だけはマイペースに自室へ。
ですが、創真も自室に戻って包丁を研ぎながら、司の言葉を思い返していました。
・・・その時。
創真の部屋に、一人の来訪者が。
その人物は―――えりな。
やはりこのまま進級試験編に入る模様ですね。
またもや葉山や久我の現状も先送りにされましたか。
これは彼らのファンからしたら、またもやフラストレーションが溜まることになってしまったのでは。
ここまでくると「温存」を通り越して「引き延ばし」と取られかねませんよ附田&佐伯先生~・・・。
じわじわと確実に。
上層部にも一般生徒らにも浸透していっている薊政権の支配。
以前の体制も「実力主義」でしたが、結局今も「実力主義」であることに変わりませんよね。これって。
どんな思想であれ、結局は実力のある者が認められ、正しいということになるわけですから。
―――その方が利口だからだ―――
というナレーションにも色々思うところがありました。
それって結局は「損得勘定」であり「保身」にすぎませんよね。
確かに生徒達にも実家の継承などといったそれぞれの事情があるわけですし、矜持や理念を一旦捨てて実力の向上の為にセントラルの支配に従おうとするのも一つの考えでしょう。
それでも。
「料理に携わる者」の一人として言わせてもらいますが、私だったら絶対に今の遠月学園の「教育」は受けたくありません。
だって自分の作った料理が、薊の料理になってしまうんだなんて・・・。
それって完全に「薊のコピー」になってしまうという事じゃありませんか。
それは凄く恐ろしいことだと思うんです。
料理人としての「自分」を失ってしまうのですから。
少なくとも、いくらその「教育」で腕前が上がったとしても、「大切な人」に食べてもらいたいと心から思える料理が作れるようになるとはとても思えませんね。
そんな薊政権が反抗分子を排除する手段として用意してきたのが進級試験ですが、果たしてどんな内容になるのでしょうか?
学園の外での試験(試練)というと「地獄の合宿」が思い出されますが、今回は基本コンセプトからして違いますからねえ~。
薊メソッドに従順な生徒には楽勝、対して反対者には難関な内容とのことですが・・・。
・・・ふっふっふ。
この展開を待っていました。
“あの仲間”の活躍の番が遂にやってきましたよ♪
その人物とは―――
美作昴!!
彼のスキルは「模倣」。
それこそ薊政権が生徒達に強いている教育指針そのもの。
しかも彼は相手の心理や行動・判断パターンまでトレースできるという最強のコピー能力者というのですから心強いったらありゃしません♪
創真のお陰で料理人としての誇りに気付けた今の彼なら、セントラルのこの方針にきっと反論してくれるに違いないでしょう。
「お前らの模倣には愛がねえ」とか言って(爆)。
ところが、そんな進級試験の前に思いもよらない展開が。
とりあえず述べておきましょうか。
創真&えりな派の方々、良かったですね。
私としてはえりなが創真の料理を無暗に見下さなくなっただけでも大進展と思っていましたが・・・、まさか。
まさかえりなの方から創真の元を訪れるとは・・・。
ラストシーンは大変意味深いですね。
某有名ジャンプ感想ブログ様でも取り上げられていますが、これまでの創真とえりなはその“視線”にかなり配慮されながら描かれてきたんですよね。
目線が合っていないシーンでも、構図的に合っているように見えたり。
逆に目が合っているであろうシーンだとしても、コマを分けることで視線をずらしていたりといったような。
それが今回遂に、目が合っている様子が同じコマ内できちんと描かれたという。(それでも座っているか立っているかの違いで高低差を出しているのがまた巧妙なところですが)
カラーイラストを始め本編中の描写でも、そのほとんどで創真に顔を背け続けてきたえりな。
そんな彼女が、ようやく創真を正面から見始めたということを示唆しているシーンと言えましょう。
これまで創真と関わるのを拒んでさえいたというのに、わざわざ自室に赴いてまで、えりなは一体何を創真に話そうとしているのでしょうか?
私の考えとしては、えりなは訊きたくなったのではないでしょうか。
この進級試験でも“闘う”のかと。
極星寮の件では一筋の希望を照らした創真でしたが、前回の司との件で、自分よりも強い相手と対立していることを痛感した筈。
そして薊が政権を握っている以上、こういった試練はいくらでも襲ってくるに違いないわけで。
それでも、抗い続けるのかと。
これまで闇雲に創真を否定し続けてきたえりなでしたが、これまで知らなかった世界や城一郎との関係を知ったことでその「否定」が改められた今、今度は「疑問」へと移行したと思うんですよね。
えりなにとって、創真は全ての意味で「未知」の存在ですから。
そんな「未知」と向き合うことによって、えりなはこれまでの己の価値観を再構築し始めているのかもしれません。