あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第112話感想

2015-04-09 09:50:00 | 食戟のソーマ

 うあちゃ~~~!!!(><;;;)
 感想記事が遅れていて申し訳ありません!!

 やはり4月は年度始めということで色々と・・・!

 そんなごたついた中でも、待望の『食戟のソーマ』のアニメはしっかり観ましたよ~~~!!
 もうね、すっごく良かった!!!(><)
 アニメに関してはかなりの辛口と自覚している私でも大満足!
 ・・・なので。
 アニメの方の感想も、これからこのブログで述べていきたいと思います!
 まあ、正直本編感想だけでかなり一杯一杯な現状もあり、アニメ感想の方はかなり簡潔なものになると思いますが。
 それと、アニメ感想に時間を充てるにあたり、不定期にUPしていた単行本感想の方はしばらく更新をお休みさせて頂くことにします。申し訳ありません。
 ですが、時間に余裕が出来たらまた再開したいと思っていますので、その時は宜しくお願いします☆ 



 さてさて、それでは♪ソーマ祭りだった前週のソーマ感想に早速入りましょう!




 週刊少年ジャンプ2015年18号掲載
 表紙&巻頭カラー
 第112話 【成長への道標】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 いよいよアニメ放送直前!!
 それを記念して表紙&巻頭カラーは勿論のこと、アニメ&佐伯先生それぞれによる描き下ろしポスター付随というサービスっぷりです。
 いやマジで佐伯先生がお倒れにならなかったのが不思議。
 本当にありがとうございました・・・!!(><。)





 そんな表紙はもうね、文句無しの迫力。
 

 「フランベ」をしている創真のイラストですが、
 これが文字通り熱い素晴らしい!!ファイヤーーー!!!
 炎や水って描くのが物凄く難しいでしょうに。
 それを堂々と表紙イラストに持ってくるあたり、ほんと佐伯先生の自信や意気込みが感じられます。
  
 このイラストを見て、連載一周年記念(第48話)の際の表紙イラストに構図が似てると感じた私。
 ちなみにアニメ化決定&二周年記念(第93話)時の表紙イラストは、祝杯(お酒)をあげる創真が描かれてましたね。
 そしてアニメ放送直前である今現在の本編で、創真はフランス料理の技術を習得中ですが、「フランベ」はまさにその技法の一つ。
 偶然かもしれませんが、これら三つの要素が上手く組み合わされたイラストに思えました。
 
 まさに料理漫画。
 まさに主人公。
 そんな正統性に溢れた表紙に早くも高揚させられてしまいました。



 続きましては表はアニメ、裏はWヒロインのリバーシブルポスター。
 きっとこれは裏面の方が反響が大きいに違いありません(苦笑)。
 表面もまあ・・・悪くはなかったのですが、なんかこれまで公開されてきたアニメイラストと比べると描写自体が“浅い”と感じました。

 というわけで裏面の方の感想を述べさせてもらいますね。
 私が「こっち路線」のイラストの感想を述べるのは珍しいかも(笑)。
 ですが、このイラストは女性視点から見ても色々と興味深いものがあったので。

 とりあえず最初に思ったことは

 佐伯先生思いっきり気合入れてるな~~~。

 表紙とはまた違った意味で(苦笑)。
 まあセクシー路線のカラーイラストって、考えてみれば結構久し振りでしたものね。無理もないか(笑)。

 スタジエール研修で一緒になった恵とえりなでしたが、このイラストは丁度そのシーンの一部ですね。
 えりなが着ている服が研修先であった『エクセラン』のコックコートであることから、それが窺えます。

 ロッカールームで一緒に着替えている二人。
 色々と注目ポイントはありますが(ええ、色々と/苦笑)、一番注目すべきは恵の髪が半分おろされている点ですね。
 半分というのがまた上手いんですよこれが。
 半分はいつもの三つ編みヘアにすることで普段の恵らしさを、そしてもう半分をほどいていることで丁度えりなとの対比に。 
 金髪と黒髪のロングヘアー。
 そして構図もシンメトリーを意識したものになっています。
 単行本第2巻感想でのキャラクター考察でも少し述べましたが、キャラデザイン的に(そして性格的にも)対照的な恵とえりな。
 ルックス的な華やかさというとどうしてもえりなの方が注目されがちですが、髪をおろしてみるとこれがどうして恵も結構レベルが高い。
 料理の腕だけでなくルックス的にも、恵はえりなに引けを取らないポテンシャル持ちだという事がこのイラストから分かります。

 そんな二人の間に挿入されている煽り文。
 「目が、離せないーーー!」
 これは勿論読者の代弁(苦笑)。
 でもそれだけでなく、もう片面のアニメの方もご注目を、という意味も多分含まれているかと。
 そしてもう一つ。
 読者側を向いている恵とえりなですが、えりなは恵を、恵はえりなをと、絶妙にお互いへ視線を向けているようにも見えるんですよね。
 恵は勿論えりなの豊満なスタイルに目を引かれているのでしょう。
 そしてえりなの方も恵のスレンダーなスタイルを案外羨ましく思っているのでは?
 番外編や『別腹』でも触れていましたが、四六時中「味見」という目的で数多の料理を口にしているえりな。
 その裏で、きっと体重の事を気にしてると思うんですよ。えりなも女の子ですから(笑)。
 自分には無いお互いのスタイルの良さが気になってしまう。
 そんな女の子としての二人の気持ちという意味合いもこの煽り文は含んでいるように思えました。

 こういう風に二重も三重も深い意味合いが読み取れるから、この作品はイラストの方も侮ってはいけないんですよね。
 一見どんな内容であれ(苦笑)。



 そして巻頭カラーから始まる本編。
 さあ、果たして今回はどんな展開に・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ばったーーーん(卒倒)  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なにこのビッグインパクト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ポスターのお着替えシーンはお年頃の子には目の毒かもね~なんて苦笑いしていたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HE・SO・TI・RA!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


キミの方がよっぽど目の毒だ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 なんてことをやらかしてくださったんですか創真さん。
 なんてことをやらせてしまったんですか佐伯先生。



 Wヒロインよりも主人公一人の露出の方に目が釘付けになってしまうだなんてどういうことですか。



 脳みそがパンクしちゃったじゃないですかもう!
 お陰で修復に半日以上かかっちゃいましたよもうもうもう!

 ・・・ふう・・・。

 ようやく落ち着いたので、この扉絵も考察。
 突き抜けた格好良さの扉絵ですが、これはまず間違いなく、つい最近の第110話の扉絵のシリアスバージョンとして描かれていますね。
 あの扉絵は個人的に気に入っていたこともあって、この演出はかなりニクイものがありました☆
 第110話の扉絵でも、今回も、背中合わせになっている創真と四宮。
 ですが、あの時は顔を見せていなかった四宮でしたが、今回は少し振り向いて不敵な笑みを。
 対する創真は学生服で強気な笑みを浮かべていたものの、今回は真剣な表情で四宮の店のコックコートを身に纏おうとしています。

 「着かけ」というのがこれまた巧妙としか言いようがない!!
 そうさせることによって、躍動感のみならず挑戦への気概も表現されているんですよね。
 しかもそれに乗じて色香も忍ばせるというこの隙の無さときたもんだ。
 HESOTIRAの破壊力も凄まじかったですが、袖を通す創真の手首のラインも綺麗だな~と見惚れてしまいました。
 ・・・あっれ~~~???私ってこんなにマニアックだったっけか~???(爆×爆×爆)


 ゆきひらTシャツのロゴを見せていないのも上手いな~、と思ってたら・・・違う。
 これはいつも着ているゆきひらTシャツではありませんね。
 だって襟元の形が違いますもの。
 ゆきひらTシャツはスクエアネック(四角型)ですが、このシャツはラウンドネック(丸型)です。
 実際本編でも、シャツにゆきひらロゴが入っていません。
 極めてシンプルなデザインであるぶん、この襟元の形がゆきひらTシャツの大きな特徴なんですよね。 
 
 四六時中ゆきひらTシャツを着ているというのに、今回は着ていなかった創真。
 「スタジエール」として他店にお世話になる以上、『ゆきひら』の店員であるという証明であるゆきひらTシャツを着るのは失礼にあたると分かっているのでしょうね。
 

 こうして家宝がまた増えることに☆
 表紙のような少年漫画の王道的熱さがとてつもなく似合うというのに、扉絵のようなクールなシリアスさも見事にハマる我らが主人公創真さん。

 オールラウンダーどころか遂にパーフェクトオールラウンダーにまで上りつめてしまいました。

 一応確認しておきますけど、彼まだ高校1年生なんですよね?
 今でこれじゃあ、卒業する頃にはもうどうなっているのやら





 あ~~~素晴らしかったvvv
 ・・・と、まだ本編について全く語っていないのに満足しそうになってしまったという(爆)。



 苦戦のまま終わった、『SHINO’S TOKYO』でのスタジエール研修第一日目。
 この研修では、創真はお店に泊まりこむ模様です。

 帰路に就く前に、創真にダメ出しする四宮。
 この人の口の悪さは既に分かり切っていることだけどさあ~。
 「使えなかったら速攻叩き出す」と最初に言っていたことから考えれば、ある意味妥協してくれてるとは思うんだけどさ~~。
 それでもさ~~~。(-_-)

 

 四宮らが帰った後の深夜。
 創真は起き出し、一人復習を。
 ・・・っ。(><。)
 教科書だけでなく、メモも。
 料理に関する記録の習慣がある創真ですが、今日注意されたこともやはりきちんと書き留めていたのですね。



 そして翌日。
 創真はいち早く厨房に入っていました。
 なんかもうコックコートがすっかり馴染んでいるなあ~v

 アベル達に、質問があるので時間をもらえないかと願い出る創真。
 案の定、きつく叱責してくるアベル。
 おい(怒)。
 創真は昨日言われたミスを改善しようとしているんじゃありませんか。
 それはとても見上げたことですよ。
 それを「図々しい」だなんて・・・!!(-"-)

 なおも言いつのろうとしたアベルですが、厨房の様子に気付き、閉口。

 これから自分達がやる予定だった清掃や仕込み。
 それらが全部、創真一人の手で完璧に終わっていたのです。

 ここの創真のカットが凄く良い・・・!!
 黙っているのに文句は言わせないと聞こえてくるかのような彼の気迫が伝わってきます。
 
 拒否する理由が無くなってしまい、アベルはリュシに創真の質問に答えるよう指示を。
 創真のその姿勢に、アベルは内心驚かされるのでした。



 それからというもの連日、時間を貰うための清掃と仕込みを行い、質問をし続けていく創真。
 しまいにはその質問量にアベル絶句・・・を通り越して石化(大笑)。
 営業中は多くの叱責を受けるにも関わらず、創真はあっけらかんな態度を全く変えないのでした。
 

 そうしてプレオープン開始から4日目―――

 次第に、リュシの指示の前に動けるようになっていく創真。
 何度もやり直しさせられていた食材の切り方もどんどんOKが出るように。



 全然挫けない創真が不思議でならないアベルでしたが、創真からしてみれば挫けているヒマなど一秒もありませんでした。

なぜなら、今まで知らなかった新しい技を自分のものにするのが面白くて仕方なかったから。

 

 

 

 

 

 

 

ここ!!!
(机バンバン)

 

 






 これこそが「幸平創真」という料理人の根源なんですよぉ!!!



 

 己の力不足を味わう辛さよりも。
 毎日厳しい叱責を受ける大変さよりも。
 遥かに上回っていたのは料理への好奇心・探究心。

 アベルが驚くほどの凄まじい吸収力も、この果て無き貪欲さによるもの。
 料理そのものを楽しむ
 創真のもう一つのアイデンテティーをここに見ました。




 創真がこんなに頑張っているんですもの、私も頑張らないと!
 ということで、今回出てきた料理用語の説明にいってみましょう!!

  • ポン=ヌフ・・・1cm角で長さ6~7センチほどの棒状に切ったもの。日本では「拍子切り」といわれる。
             じゃが芋のみに用いられる呼び方。
  • アリュメット・・・5mm角で長さ7cmの棒状に切ったもの。
             “マッチ棒”という意味を持つ。
  • パイユ・・・“藁”という意味を持ち、文字通り藁のように極細に切ったもの。(1.5~2mm角)
          太さで比較すると、 【ポン=ヌフ > アリュメット > パイユ】 となる。
          
  • メダイヨン・・・日本でいう「輪切り」。肉や魚などに使われる呼び方。
  • ダルヌ・・・日本では「筒切り」と呼ばれる切り方。
          フランス語で“魚の切り身”を意味し、大きな魚等に使われる呼び方である。
  • トロンソン・・・「輪切り」や「筒切り」と呼ばれる切り方。
  • エスカロップ・・・1cm前後の、やや厚めの薄切り。
              魚の他、肉(特に子牛)の薄切りに用いられる呼び方。

  • アビエ・・・内臓などの不要な部分を取り除くこと。
          主に家禽類(鳥)の下処理に使われる用語。
  • シズレ・・・いわゆる「みじん切り」と呼ばれる切り方。
          ただし、きちんとしたごく細かい正方形に形を揃えなければならない。
          野菜に用いられる呼び方である。

  • ロティール・・・肉の塊(場合によっては魚)をオーブンで焼く技法。
  • ラグー・・・煮込み料理の総称。
  • ソテ・・・油脂を使ってフライパンや鍋で炒め焼く方法。
  • ブレゼ・・・肉や野菜を密閉した蓋を持つ鍋に入れ、だし汁、ワイン、水などを材料が隠れるくらいまで入れてじっくり蒸し煮すること。
  • コンフィ・・・「漬ける」という意味。
           肉料理の場合、肉を塩漬けにしてその肉の脂で80度くらいの低温でゆっくり煮込んで仕上げる。
           野菜の場合は砂糖水や酢に漬け込んで煮たりする。
  • アロゼ・・・「水を撒く」という意味で、ソースやシロップを上から振りかけること。
          また、肉や魚に煮汁や脂を振りかけながら焼く技法。こうすることによって、表面の乾燥が防がれツヤ良く仕上がる。
  • トゥルネ・・・野菜の「面取り」のこと。
  • カヌレ・・・レモンの皮やキュウリ、ニンジンなどに専用の溝切り用ナイフを使って飾り切りをすること。
  • バルデ・・・脂身の少ない肉(特に小型の野鳥類)に、豚の背脂の薄切りや網脂を巻いて糸で縛ること。 

 

 ぜえ、はあ・・・。
 よく頑張った私!!(自画自賛)
 それと「ポシェ」はこの前出たので除外しました。(ちなみに「コンフィ」は「ポシェ」の一種だそうです☆)

 調べてみて分かったことですが、フランス料理って切り方だけでなく、食材によっても呼び方が細かく分類されているんですね。もう愕然でした★
 よくまあ創真、一週間足らずで覚えられたなあ~~。(いたく感心)





 そんな時、想定外のハプニングが発生。
 アベルもリュシも手が一杯で対応できない、その時。
 いち早く下処理の済んだ食材を差し出す創真。
 それは、想定外の事態に対応できるまでに創真の仕事が厨房のレベルに追い付いたことを意味していました。
 細かい所ですが、ここの創真、指先がコマ枠からはみ出てるんですよね。
 佐伯先生の秀逸なアングル描写も相まって、創真の存在感を大きく感じました。

 そのまま最後まで仕上げろ、と創真に指示する四宮。
 メニューの一つを任せられた。
 それはすなわち、創真がスタッフの一員として認められた証。

いぃよっしゃあぁぁ!!!
o(><)o

 


 そうしてアベルも創真を認め、無事に最終日まで研修を続けられることに。
 創真に何もアドバイスしないでいた四宮でしたが、彼なりの思慮があった模様。
 思い出す、地獄の合宿の時の創真の「あの姿」。

 (この俺に喧嘩を売った男なんだ  スタジエなんかで終わる料理人じゃあないだろ?)

 

()

 

 


 

 

 今回はなんていうか・・・ただ、脱帽。

 もうずっと前から創真のメンタルの強さ、そして料理人としていかに本物かというのは知っていましたが、今回は創真の姿勢、気概、全てに敬服です。心から。

 僅かでもいい。
 私も見習いたい。
 そう、切実に願います。





 未知の仕事場に創真がどうやって対応していったのか。
 前回ラストのシーンを丁寧にリファインする構成で、それが描かれていました。

 前回はフランス料理のコース形式、そして一流のプロの現場というものの厳しさに絶句。
 そして今回は創真の取った対処法と気概の素晴らしさに絶句。
 何度も思わされますが、つくづくこの作品の説得力は抜きん出ていますよね。

 やっぱり創真の最大の強みはメンタリティであることを再確認。
 仕事(料理)への情熱。
 積極性。
 誠実さ。
 バイタリティ。
 素直さ。
 創真のこの姿勢は、本当に社会人の鑑としか言えません。


 ・・・考えてみれば・・・。 
 これまでの創真の武器の一つだった「実家の定食屋で培った長年に渡る現場経験」。
 それは大きな強みであると同時に、「大衆食堂」という調理環境しか知らないという弱点でもありました。
 それが示されていたのが地獄の合宿での朝食ビュッフェ編です。

 ですが。

 「“実家でしか現場経験を積んでいなかった」ということは、同時に外の世界(社会)での振る舞いを知らなかった」という事でもあります。
 なのに、今回創真が取った行動は社会人として最高に見上げたものだったという・・・!!!


 誰からの助けも入らず、創真一人の力が試された今回の件。
 だからこそ断言できます。
 創真は料理人としてだけではなく、人間的にも世界に必要とされる人物ですね。





 今回描かれていた創真の姿に心底尊敬させられただけに、そんな彼がどんどん成長し、周囲に認められていく様は本当に嬉しいものがありました。

 料理への尽きない興味。失敗や未熟さを思い知っても、全く挫けずに前を向き続ける姿勢。
 第1話のくだりを筆頭として、第46話で創真が恵に話していたこと、第102話で城一郎が語っていた創真の強さ、そして第105話で見せていた“外の世界”への好奇的な笑みなど、これまでの全ての過程が今回の彼の姿勢を裏付けていましたね。
 だからこそ、創真のこういう姿勢は「天才」や「才能」なんていう一言で簡単に片付けてはいけないと思います。

 そんな姿勢と努力を続ける創真だったからこそアベルは認めたわけですが、ここに感じたのはやはりえりなとの違い。
 前回の研修先では「お互いに非常に慣れた環境下」というのが共通点でしたが、今回は「自分に(偏見的に)反感を持つ相手への対応」という点が共通点となってました。
 文句を言う相手を黙らせる。
 それはえりなも研修先で傘山に対してやっていた事ですが、創真はやはりそのやり方が全く違いました。
 えりなは己の高い実力によってあっという間に文句を圧し黙らせましたが、創真は文句の原因を取り除いていったんですよね。時間をかけて。誠実に。
 だからこそ、アベルは創真を認めることが出来たという。
 傘山はえりなに従うことにはなってしまいましたが、えりなという人間そのものには強い反感を抱いたままです。
 えりなのやり方は社会というものにおいて、根本的な解決にはなっていないんですよね。
 表面上は物凄いでしょうが、足元は非常に危ういやり方だと思わざるをえません。

 一つ星獲得が近いと言われているフレンチレストランを瞬く間に支配したえりな。
 三ツ星獲得も夢ではないと評されているフレンチレストランで、苦戦しながらもどんどん成長し認められていった創真。
 現在の実力でいうなら、えりなの方が遥かに上でしょう。
 ですが、伸びしろとして見るなら、創真の方が圧倒的に強大です。



 そんな創真と同じやり方を持つ子がもう一人。
 それが恵。
 第57話で語られた恵の過去。
 実家を助けるために。漁師からの反感と厳しい叱責を受けながら、それでも必死に頑張り続けた恵。
 そんな彼女の姿勢はまた、自身の存在を漁師に認めさせることに。
 諦めない。
 この点もまた、創真と恵の大きな共通点です。

 一つ一つのエピソードに潜んでいる、創真とえりなとの相対性と創真と恵との相似性。
 こういう丁寧な伏線張りがあるからこそ、彼ら三人の関係性がこれほど気になるのかもしれません。



 今回の創真の姿の総括役となった四宮。
 創真をさり気に「料理人」と呼んでいたことが、私的には嬉しかったですね。
 地獄の合宿時には創真達を「学生」と呼んで、侮っていた四宮。
 そんな彼が、今では創真を一人の料理人として認めてくれているということですもの。
 ここであの神回のラストカットを挿入してきたのも、もはや反則としか言えません。
 創真の熱さと強さ。
 それに対峙した人物として、まさに適任だったと思います。

 

 

 今回は本当に・・・。
 表紙・扉絵・本編。
 その全てを持って創真の魅力や真価が描かれていました。
 アニメ化直前のお祝い回として、これ以上のものは無かったと思います。

 まったくこの子はどれだけ私を夢中にさせれば気が済むんだか☆


 



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