望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

人の台本、のぞいてみたら(2) 「グローバル型」

2012-11-12 22:50:22 | 演劇・舞台・小劇場
 
実は、このネタを書こうと思ったきっかけが、
ある人の台本を見たことから、だったんです。


羽島実優ちゃん。
 

彼女はなんと!
ジュリアード音楽院卒の声楽家。

音大卒くらいなら、知り合いはいますが、
ジュ、ジュリアード卒なんて、は、はじめて会ったぞ~。


と、最初はかなりビビったものの、
付き合ってみたら、意外なほどの天然系。

こんなおっとりさんでやっていける、ってことは、
よほど実力があるんだろう、
と、違う意味で感心したくらい。


今回、芝居は初舞台なのですが、
なかなかの芝居センスの持ち主です。

たしかに、オペラにも出てるし、
歌だって芝居心がなきゃ歌えませんからね。



で・・・、
読み合わせをやっている時期に、

見るとはなく、隣にいた彼女の台本を見て、

 「ん?????」

はい、「?」が5コくらいつきました。


横書き。それはまぁ、いい。

文字が、日本語じゃないぞ~~~

思わずじっと見ると、
わからないまでも、ドイツ語のよう。


で、私、勝手に思ったんですね。

ははぁ、彼女はドイツの帰国子女なんだろう。
半分以上は海外で暮らしてたから、
ジュリアードにも行ったんだろうな、と。


まぁ、それでも、1回は聞いてみなきゃ、
気持ちがおさまらないのが、オバサンのサガで。

「ねぇ、実優ちゃんの書き込みって、
 それ、ドイツ語だよね?」

「あ、そうですぅ」

「帰国子女? ドイツに暮らしてたとか?」

「いえ、ずっと日本ですけど、
 とっさに書くと、いろんな言葉が出ちゃうんです」

「ん? いろんな、言葉、って?」

「あ、英語だったり、イタリア語だったり、ドイツ語だったり」


文章にすると、嫌味に感じるかもしれませんが、
彼女の口を通すと、それがまるっきり、そういう感じじゃなくて、

「ちっちゃいころ遊んだのは、
 鉄棒だったり、ブランコだったり、鬼ごっこだったり」

っていうのと、ほとんど同じ感じで、

でも、素直にびっくりしました。


「あ、じゃぁ、ジュリアードで?」

「そうなんですぅ。
 歌が、ドイツ語だったりイタリア語だったりで、
 先生もそうなので、楽譜の書き込みがいろんな言葉になって、
 だから台本も、その時の気持ちで、ふっと書いちゃうんですぅ」

という彼女の台本、



内容がわかるほどにはお見せできませんが、
これはたぶんドイツ語だと・・・。


つまり、
日本語のダメ出しを、
ぴったりの外国語に置き換えて、台本に書き込み、

その書き込んだ外国語のダメ出しを、
チェックしながら、日本語の台詞を読む、

という、私なんかからしてみたら「効率悪くない?」
って方法で、台本を読んでいるんですね。

でも彼女にとっては、これが一番効率的。
いろいろ考えずに、咄嗟に出た言葉を書いているんですから。



やっぱり、語学って、
使って覚えなきゃ、身につかないんでしょうね。

って、なんで稽古場で語学に思いを馳せてるんだ?





          

演劇集団東京ストーリーテラー公演
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