気がつけば、本番まであと2週間。
今は当然のように、全員、台本を離して稽古しています。
というか、本番1ヶ月以上前から、
ほぼ全員が台本を離してるんです。
これ、実はちょっと感動的だったりします。
だって、本番2週間前ですら、
まだ台本を離さない人がけっこういる、
っていうのが、普通の現場ですから。
まぁ、いくら覚えたくても、
台本がまだ3分の1しかできてない、
なんてことも決して珍しくありませんしね。
今回は再演で、まず台本があった。
これは必須条件ですよね(笑)
そこで、ぬぁんと、
主役の下井くんが、立ち稽古の初日に、
膨大な台詞を全部入れて(覚えて)きた!
いやぁ、もう、みんなアセったの何のって。
その上、次に気がついたら、
台詞回しが難しい上に、大量の台詞を、
ヒロインの佐々木悠花ちゃんが、
涼しい顔でサラサラと喋っている。
ほかの若手も、すでに覚えてる
いやぁ、とんでもない座組みだと思いました。
言い訳するワケじゃないけど、
私たち「見習い能化(神様)」の台詞って、やたらむずかしい言葉がたくさんあるんです。
こういう「語句の説明」がついている台本って、初めてでした(笑)
こういう説明が、台本以外に3ページも付いてるんですが、
その言葉の半分以上が、我々、見習い能化の台詞で
でも、アセッたおかげで、
ある程度までは、かなり早く覚えられました。
いや、もちろん今でも、噛むは、止まるは、間違うは、
冷や汗だくだくの状態なんですけど、
これが、覚えない座組みだったら、
たぶん今でも台本を持っていたと思います。
結局、芝居の稽古って、台詞が入らないと稽古にならないんですね。
動きも感情も、台本を読んでる間は結局見えてこない。
だけど、それだけわかっていても、
そうはいかないのが人間の弱さで。
座組みの空気に左右されちゃうんですよね~。
ほら、夏休みも後半になると、
友達の宿題の進み方が気になってくるじゃないですか。
「どのくらいできた?」
とか聞いて、
「えーと、国語のドリルは全部やって、自由研究もできて」
なんて言われると、もう焦りまくって、
全部はできないまでも、かなり真剣に取り組みます。
でも、たまたま聞いた子が、
「やばいよ。まだドリル真っ白だ~」
なんて状態だと、根拠もなく安心して(笑)
「まっ、まだいっか」
なんてことになっちゃう。
台本を離す時期って、
これに近い感じなんですよね。
台本を持つ、最後の1人なんかになると、
それだけで、役者として焦りはじめたりして。
そうかと思うと、
「おれ、今日、ホン離すからさ~」
「え~? 〇〇さん、うそでしょ~。ずるいよ~」
なんて、いいトシをした大人2人が、
最後の1人を脱却すべく、競いあってたりして。
しかし、今回、主役が気合を見せてくれたおかげで、
本当に稽古場が締まりました。
若者たちの真剣さに感謝しています。
これからは私も、周りの状況に左右されずに、
ちゃんと早く台詞を入れるぞ!
・・・と毎回、思ってるんですけどね。
なかなかね~
子供のころだって、
今年こそ、夏休みの宿題を10日で片づけて、
残り全部、遊ぶぞ!
と意気込んで、一度もできたことがなかったし。
なかなかね~。はは。
演劇集団東京ストーリーテラー公演
TST CLASSICS 「紅い華のデジャヴュー」
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