望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ちょっとウラ話「ホンを離すとき・・・稽古場での心理戦」

2012-11-27 22:30:43 | 演劇・舞台・小劇場

気がつけば、本番まであと2週間。
今は当然のように、全員、台本を離して稽古しています。

  

というか、本番1ヶ月以上前から、
ほぼ全員が台本を離してるんです。

これ、実はちょっと感動的だったりします。

だって、本番2週間前ですら、
まだ台本を離さない人がけっこういる、
っていうのが、普通の現場ですから。

まぁ、いくら覚えたくても、
台本がまだ3分の1しかできてない、
なんてことも決して珍しくありませんしね。


今回は再演で、まず台本があった。
これは必須条件ですよね(笑)

そこで、ぬぁんと、
主役の下井くんが、立ち稽古の初日に、
膨大な台詞を全部入れて(覚えて)きた!

いやぁ、もう、みんなアセったの何のって。

その上、次に気がついたら、
台詞回しが難しい上に、大量の台詞を、
ヒロインの佐々木悠花ちゃんが、
涼しい顔でサラサラと喋っている。

ほかの若手も、すでに覚えてる 

いやぁ、とんでもない座組みだと思いました。



言い訳するワケじゃないけど、
私たち「見習い能化(神様)」の台詞って、やたらむずかしい言葉がたくさんあるんです。



こういう「語句の説明」がついている台本って、初めてでした(笑)

こういう説明が、台本以外に3ページも付いてるんですが、
その言葉の半分以上が、我々、見習い能化の台詞で 

でも、アセッたおかげで、
ある程度までは、かなり早く覚えられました。

いや、もちろん今でも、噛むは、止まるは、間違うは、
冷や汗だくだくの状態なんですけど、

これが、覚えない座組みだったら、
たぶん今でも台本を持っていたと思います。


結局、芝居の稽古って、台詞が入らないと稽古にならないんですね。

動きも感情も、台本を読んでる間は結局見えてこない。

だけど、それだけわかっていても、
そうはいかないのが人間の弱さで。

座組みの空気に左右されちゃうんですよね~。


ほら、夏休みも後半になると、
友達の宿題の進み方が気になってくるじゃないですか。

「どのくらいできた?」
とか聞いて、

「えーと、国語のドリルは全部やって、自由研究もできて」

なんて言われると、もう焦りまくって、
全部はできないまでも、かなり真剣に取り組みます。


でも、たまたま聞いた子が、

「やばいよ。まだドリル真っ白だ~」

なんて状態だと、根拠もなく安心して(笑)
「まっ、まだいっか」

なんてことになっちゃう。


台本を離す時期って、
これに近い感じなんですよね。

台本を持つ、最後の1人なんかになると、
それだけで、役者として焦りはじめたりして。

そうかと思うと、

「おれ、今日、ホン離すからさ~」
「え~? 〇〇さん、うそでしょ~。ずるいよ~」

なんて、いいトシをした大人2人が、
最後の1人を脱却すべく、競いあってたりして。


しかし、今回、主役が気合を見せてくれたおかげで、
本当に稽古場が締まりました。

若者たちの真剣さに感謝しています。


これからは私も、周りの状況に左右されずに、
ちゃんと早く台詞を入れるぞ!



・・・と毎回、思ってるんですけどね。

なかなかね~


子供のころだって、

今年こそ、夏休みの宿題を10日で片づけて、
残り全部、遊ぶぞ!

と意気込んで、一度もできたことがなかったし。

なかなかね~。はは。




          

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コメント (2)
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