ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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自殺した福岡県の高校3年の男子生徒の遺族が第三者委員会の報告を受けて30日に公表した手記

2015年03月31日 13時21分03秒 | 相続
一昨年の11月14日、私たちの最愛の息子は、マンションから飛び降り、自らの命を絶ちました。わずか18歳の短い人生でした。家では、いつもにこにこしていて、明るい優しい子でした。私たちは、叱った記憶すらありません。あの子がどうして自殺しなければならなかったのか。やっぱり、私たち家族がいけなかったのではないか。自分たちを責め続ける日が始まりました。あの子がどうして自殺しなければならなかったのか。そのことを明らかにしてもらいたいとの思いで、第三者委員会の設置をお願いしました。
先ほど、委員会の方々から、報告を受けると共に、報告書をいただきました。長期間にわたる、すさまじいいじめがあったと聞きました。息子は、辛く、悔しくて悔しくてたまらなかったと思います。一番楽しい時期であるはずの青春時代に、息子がいじめられていたなんて信じたくないと思っていましたが、報告書を受けて、真実を知ることができたことは良かったと思っています。
今回の事件が起きてから、周りから、いじめられる方にも原因がある、思春期だったからなどと言われたこともありました。励ましてくれる人もいましたが、そういう方と付き合うのも辛く感じ、周りの方に距離を置かれていくのを感じていました。今回の報告書では、息子が自殺したのは、いじめが原因で、他に原因はないと書かれていました。他の事例などでは、いじめ以外の原因を指摘されることも多いと聞きますが、きちんと調査をしていただき、息子が死に追い詰められた原因がいじめだとはっきり認定していただいたことに感謝しています。
今でも、どうして気がついてやれなかったのかという思いは残り、自分を責める気持ちは消えません。しかし、報告書に、息子は悪くなかった、家族にも問題はなかったと書かれているのを見て、少し肩の荷が下りました。また、同級生のアンケートなどに、息子は優しくて皆に好かれていたと書かれていたと聞き、少し救いになりました。
加害生徒に対しては、今は、私自身は、息子が亡くなったことの悲しみとかわいそうに思う気持ちでいっぱいで、責める気持ちにはなれません。しかし、家族の中には、「目には目を」という気持ちだが、それができない以上、一生息子のことを忘れずに、責任を背負って生きていってほしいという厳しい考えを持っている者もいます。加害生徒の責任の取り方については、家族で話し合って時間をかけてゆっくりと考えていきたいと思っています。
学校に対しては、初期対応が不十分で、いじめに対する認識や対応が甘かったと考えています。息子へのいじめはすべて学校内で起きていたことなので、気が付けたはずだと思います。命に関わる問題なのに真剣に受け止めていなかったのではないかと思います。教師の考えや行動は、生徒の考えや行動に大きな影響を与えます。そのことに自覚を持ってもらい、生徒一人一人を平等な目で見て、細かく目配りしてほしいと思います。保護者は、学校を信頼して子どもを預けています。まさか、学校内でいじめられて子どもが亡くなるなんて思いもよりません。今後は、生徒のどんな些細なことでも保護者に報告するなど連携を取っていただきたいと思います。
また、学校で当たり前のように行われてきたこと、見過ごされてきたことが、第三者から見ればおかしいこと、間違っていることもたくさんあると思います。今後は、学校だけで抱え込まずに、外部の目が入る仕組みや何かあったときに外部の機関と連携できる仕組みを整えるなど、具体的な行動を示してほしいと思っています。
いじめはどこにでも起こることです。いじめをなくすのは不可能ですが、いじめが起こったときに早期に発見して、適切な対応をして、二度と第二の息子を出さないようになることを願います。また、世の中にはいじめの実態を知らない方もおられると思いますので、この報告書を公表するなどして、世の中に役立つように活用してほしいと思います。
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