愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

第5回名古屋マーケティング・インカレ本大会

2010年12月05日 | 名古屋マーケティング・インカレ
12月4日午前9時から午後6時に第5回名古屋マーケティング・インカレ本大会(日経ビジネス協賛)が名古屋学院大学において開催されました。今回,愛知大,名城大,名古屋学院大,愛知学院大から20チーム90名を超える学生が参加しました。また,日経新聞社の田中陽氏はじめ3名の特別審査員をお招きしました。

午前中に5つの発表グループに分かれて全チームが発表の予選の研究発表が行われ,学生による相互評価(採点)によって各グループにおいて優秀賞を決定しました。午後は各グループから勝ち上がったチーム(優秀賞)による決勝の研究発表が行われました。

優秀賞はつぎのチームです。

愛知学院大学牡丹と薔薇
名城大学コーンポタージュ
愛知大学ボン・マルシェ
愛知学院大学放課後ファミレスタイム
名城大学ケッチャピー
名城大学Tsuzzy zoo

コーンポタージュとボン・マルシェは第2グループにおいて同点のため双方優秀賞となりましたが,じゃんけんの結果ボン・マルシェが決勝で発表することになりました。

昼食をはさみ,午後はまず日経新聞社田中陽氏による講演が行われました。その後決勝が行われました。全チームによる採点に,特別審査員の採点を加え最優秀賞が決定されました。今回最優秀賞に選ばれたのは放課後ファミレスタイムでした。このチームは,電子書籍の売上高を上げるためのマーケティングを展開することに向けて,消費者の受容に対して障害となっている要因と促進する要因をあぶりだすことを研究目的としていました。そして,文献調査,アンケート調査,インタビュー調査から,障害要因として購入手続きが分かりづらいこと,促進要因として収納性という電子書籍の利点を利用した新市場開拓を見出しました。彼らが評価されたのはプレゼンテーションの分かりやすさでした。障害要因と促進要因(の希薄さ)を「壁」と表現し,2つの壁を打ち破ることが売上高を向上させるというストーリーが組まれていました。また要因をあぶりだすために消費者に対するインタビューを行うなどデータ収集に尽力していた点も評価されました。

決勝で放課後ファミレスタイムと激しく争ったのがケッチャピーでした。若者の献血を増加させるためのプロモーション策を考察しています。両者の得点差はほんのわずかでした。得点確認を何度もやり直したほどです。そのため,ケッチャピーには実行委員会特別賞が授与されました。また,予選で放課後ファミレスタイムと激しく争った名古屋学院大学HITSにも特別賞が与えられました。

インカレを総括すると,研究発表内容については,特段にレベルの高いものがなかった一方,レベルの低いものはなく,全チームの力は拮抗していたという印象を持ちました。少々残念だったのが,全般的にオリジナリティーが弱かった点です。最優秀チームをはじめ,決勝に残ったチームの発表を聴いても,「ほう」「へえ」と思わせてくれる独自性の高い着想やロジックは見られませんでした。例年教員は第2回の「長浜商店街の二極化」を超える研究発表があるか?と注目するのですが,今回はありませんでした。

しかし,今回優れていたのが,質疑応答とプレゼンテーションでした。予選段階から,研究目的,概念,論理展開などのおかしさをつくするどい質問が続出しました。それに対する応答も丁寧でした。この点は教員一同感心しました。プレゼンテーションについては,どのチームも聴衆に分からせようという姿勢が徹底していました。この点は特別審査員の方々が感心していました。

発表会後,懇親会の席で,悔し涙を流す学生が何人もいました。慰めるのに苦慮しましたが,正直いって良かったと思いました。涙を恥じることなく悔しがるほど真剣に取り組んでくれた姿勢を感じたからです。学生の涙を見て,「今年もやってよかった」としみじみ思いました。

チーム間に大きな差はありませんでした。勝敗を決めたのは少しの差と運でした。負けたからといって卑屈になる必要はありません。また勝ったからといっても反省する必要があります。「長浜商店街の二極化」を超える研究発表はなかったのですから。全大学の学生には「勝っておごらず,負けてくさらず」という言葉を認識して欲しいと思います。
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