現在ゼミ生には,研究発表や卒論作成に向けて,テーマの設定を行ってもらっています。今月に入ってからは,その途中経過をゼミにおいて発表してもらっています。
4月から,しつこく指示したことは,既存研究をきちんと読んで,それを踏まえてテーマを考えるということです。さらに,既存研究を修正するという発想で,研究の方向性を考え出すようにも指示しています。
これまでのゼミ生たちの発表やレポートでは,テーマを自分たちの身近な経験から探そうとしていました。しかし,これはすぐに壁にぶち当たります。なぜならば,学生の経験と思考が浅いからです。たいていは思い付きにとどまり,明快な主張と根拠づけがないまま,体系立たない事例のつぎはぎを報告して終わりです。
今ゼミ生にやってもらっているのは,既存の論文を読んで,その結果や主張が本当に妥当なのか,修正すべき点はないのか,他の分野・対象への応用可能性はないのか,検討することです。ゼミではいつも,「なんで?」「ほんま?」の言葉を繰り返し問いかけるよう指示しています。
先日,あるゼミ4年生が,顧客満足とブランド・ロイヤルティーとの関連を研究した論文を読んで,その修正策をテーマにするという卒論の方針を発表しました。その既存研究は,一般的には,消費者がブランドの購買・消費に対して高い顧客満足を得ることができれば,当該ブランドを繰り返し購買することにつながる,すなわちブランド・ロイヤルティーは高まるとされているが,それは本当なのか疑問に思い,様々なカテゴリーで検討しなおすというものです。そして,いくつかのカテゴリーでは,顧客満足がブランド・ロイヤルティーを高めるとはいえないという結果が得られたというものです。
ゼミ生は,それをレビューしたうえで,何か問題点を見つけ,修正する策を導出し,それをテーマにしようとしていました。そこで,私は次のように指示しました。「なぜ,いくつかのカテゴリーでは,顧客満足がブランド・ロイヤルティーを高める結果を得ることができなかったのか。何かカテゴリー間で共通性はあるのか。また,顧客満足がブランド・ロイヤルティーにつながらないメカニズムは何なのか。さらには,ブランド・ロイヤルティーを生み出すメカニズムはそもそもどのようなものなのか」考えて欲しい。
彼が取り上げた既存研究は,ブランド・ロイヤルティーに関する通説を疑うものです。それを踏まえて,さらにゼミ生にはその既存研究の結果に対して,「なんで?」「ほんま?」を問いかけて欲しいのです。既存研究においては,顧客満足が得られれば,ブランド・ロイヤルティーは高まるというのは本当なのか?という本質的な問いかけをしています。そして,顧客満足が得られてもブランド・ロイヤルティーには結びつかないカテゴリーがあるという結果を導き出しています。しかし,なぜ,そうなるのかについては検討が不足しています。ゼミ生には,そこを追究して欲しいといいました。
その既存研究は高度な統計手法を使用しています。私にもよく分からないものです。しかし,それに幻惑されずに,本質的な問いかけと,その答えを考えてみて欲しいと思っています。経営学やマーケティングの研究では,高度な統計手法は,研究の本丸ではないことが多いでしょう。素朴な検証方法でもよいと思います。大事なことは,本質的な問いかけを見失わないこと,きちんとロジックを示すことができることです。
既存研究の修正でテーマを導出するという課題のおかげか,例年と比べ,ゼミ生の思考は具体的になっています。この先しつこく指示していくつもりです。
4月から,しつこく指示したことは,既存研究をきちんと読んで,それを踏まえてテーマを考えるということです。さらに,既存研究を修正するという発想で,研究の方向性を考え出すようにも指示しています。
これまでのゼミ生たちの発表やレポートでは,テーマを自分たちの身近な経験から探そうとしていました。しかし,これはすぐに壁にぶち当たります。なぜならば,学生の経験と思考が浅いからです。たいていは思い付きにとどまり,明快な主張と根拠づけがないまま,体系立たない事例のつぎはぎを報告して終わりです。
今ゼミ生にやってもらっているのは,既存の論文を読んで,その結果や主張が本当に妥当なのか,修正すべき点はないのか,他の分野・対象への応用可能性はないのか,検討することです。ゼミではいつも,「なんで?」「ほんま?」の言葉を繰り返し問いかけるよう指示しています。
先日,あるゼミ4年生が,顧客満足とブランド・ロイヤルティーとの関連を研究した論文を読んで,その修正策をテーマにするという卒論の方針を発表しました。その既存研究は,一般的には,消費者がブランドの購買・消費に対して高い顧客満足を得ることができれば,当該ブランドを繰り返し購買することにつながる,すなわちブランド・ロイヤルティーは高まるとされているが,それは本当なのか疑問に思い,様々なカテゴリーで検討しなおすというものです。そして,いくつかのカテゴリーでは,顧客満足がブランド・ロイヤルティーを高めるとはいえないという結果が得られたというものです。
ゼミ生は,それをレビューしたうえで,何か問題点を見つけ,修正する策を導出し,それをテーマにしようとしていました。そこで,私は次のように指示しました。「なぜ,いくつかのカテゴリーでは,顧客満足がブランド・ロイヤルティーを高める結果を得ることができなかったのか。何かカテゴリー間で共通性はあるのか。また,顧客満足がブランド・ロイヤルティーにつながらないメカニズムは何なのか。さらには,ブランド・ロイヤルティーを生み出すメカニズムはそもそもどのようなものなのか」考えて欲しい。
彼が取り上げた既存研究は,ブランド・ロイヤルティーに関する通説を疑うものです。それを踏まえて,さらにゼミ生にはその既存研究の結果に対して,「なんで?」「ほんま?」を問いかけて欲しいのです。既存研究においては,顧客満足が得られれば,ブランド・ロイヤルティーは高まるというのは本当なのか?という本質的な問いかけをしています。そして,顧客満足が得られてもブランド・ロイヤルティーには結びつかないカテゴリーがあるという結果を導き出しています。しかし,なぜ,そうなるのかについては検討が不足しています。ゼミ生には,そこを追究して欲しいといいました。
その既存研究は高度な統計手法を使用しています。私にもよく分からないものです。しかし,それに幻惑されずに,本質的な問いかけと,その答えを考えてみて欲しいと思っています。経営学やマーケティングの研究では,高度な統計手法は,研究の本丸ではないことが多いでしょう。素朴な検証方法でもよいと思います。大事なことは,本質的な問いかけを見失わないこと,きちんとロジックを示すことができることです。
既存研究の修正でテーマを導出するという課題のおかげか,例年と比べ,ゼミ生の思考は具体的になっています。この先しつこく指示していくつもりです。