第1回のビジカンは無事終了しました。先日指摘した運営上の問題点は、比較的容易に解決すると思います。重大な問題は、発表内容とその学生評価(投票)というイベントの根幹部分にあります。
今回、多くの4年生が卒論の内容を発表しました。教員から見ると、文献の渉猟、アンケート等の一次データ収集という点で、2、3年生の発表よりも総じてレベルが高い。にもかかわらず、卒論に対する学生からの評価が概ね低い。大半が低い得票でした。投票によって優秀賞に選ばれた卒論がありましたが、もっと良い卒論があるはずなのに、なぜそれらが高評価なのか不可思議。
閉会式で発表にかかわった先生方からコメントをいただきましたが、複数の先生から「我々の目と、学生の目は違っている。皆さんが優秀だと評価した発表の中には、我々が評価していないものがある」という指摘がありました。私も同様の指摘をし、「多くの4年生の卒論に対する得票が低いのは残念。4年生が伝える努力を怠ったことが原因の一つであるが、評価する学生の目が養われていないことも原因の一つである。今後の課題としたい」と話しました。
結局、自分たちに身近で、分かり易い発表は「良い」発表であると捉え、理論考察やデータ処理のような自分たちに難解な部分がメインの発表は「良くない」発表であると判断してしまったのでしょう。あるいは、自分たちに未知の分野は評価を回避したのかもしれません。投票用紙に評価のポイントを記述しましたが、それを学生たちは理解しなかったということです。
学生が研究発表に対する十分な評価眼を持たないという問題点は、私は過去10年間ずっと認識してきました。今回はそれが顕著に現れてしまったと思います。今回は、参加学生のモチベーションを上げるため、事前想定の4つよりも多くの学生投票による優秀賞を出しました(7つ)。しかし、本音を言うと、出しすぎたと思っています。2、3年生が今回の評価を参考に「こんなレベルでいいのだ」と高をくくって、次年度の卒論や研究発表に対する取り組みを進めてしまうのは、大変よろしくありません。次年度は4月からビジカンの準備を始め、できれば春学期中に中間発表会を実施したいと思っていますが、その時にきちんと参加学生の評価眼を養う工夫が必要であると強く感じています。また、不正が疑われる投票があったので、その防止も考慮して、投票方法も改善するつもりです。
ここで、うちのゼミの卒論を振り返ります。半数以上が一次データによって仮説検証を行っています。また残りは、ケーススタディーによってマーケティング上の原則導出を試みています。例年並みだったと思います。調査をきちんとやった上で、独自の見解を示すのが、卒論の基本であると過去散々諭してきましたので、それを受けとめてくれたようです。
ただし、つぎの大きな欠点があります。どれも理論検討が薄いのです。マーケティング論や経営学に関する様々な理論を用いて、「なぜそのことが起きたのか」について分析をするという努力が足りない。あるいは、仮説を導出する際に十分に理論に触れていない、ケーススタディーが物語の記述にとどまってしまった。3年生には、この反省を踏まえて、次年度卒論で理論を正面から取り上げてほしいと思います。
今年度ゼミの運営で良くなかったと反省しているのが、恒例の全学年参加の卒論発表会を行わなかったことです。ビジカンに参加するので、時間的余裕がないという判断から、卒論発表会を見送りました。しかしながら、2、3年生たちは卒論を今後どのように進めるべきなのか、4年生の反省から学ぶ機会を持てなくなりました。次年度は、ビジカンとは別に卒論発表会を開催する予定です。
今回、多くの4年生が卒論の内容を発表しました。教員から見ると、文献の渉猟、アンケート等の一次データ収集という点で、2、3年生の発表よりも総じてレベルが高い。にもかかわらず、卒論に対する学生からの評価が概ね低い。大半が低い得票でした。投票によって優秀賞に選ばれた卒論がありましたが、もっと良い卒論があるはずなのに、なぜそれらが高評価なのか不可思議。
閉会式で発表にかかわった先生方からコメントをいただきましたが、複数の先生から「我々の目と、学生の目は違っている。皆さんが優秀だと評価した発表の中には、我々が評価していないものがある」という指摘がありました。私も同様の指摘をし、「多くの4年生の卒論に対する得票が低いのは残念。4年生が伝える努力を怠ったことが原因の一つであるが、評価する学生の目が養われていないことも原因の一つである。今後の課題としたい」と話しました。
結局、自分たちに身近で、分かり易い発表は「良い」発表であると捉え、理論考察やデータ処理のような自分たちに難解な部分がメインの発表は「良くない」発表であると判断してしまったのでしょう。あるいは、自分たちに未知の分野は評価を回避したのかもしれません。投票用紙に評価のポイントを記述しましたが、それを学生たちは理解しなかったということです。
学生が研究発表に対する十分な評価眼を持たないという問題点は、私は過去10年間ずっと認識してきました。今回はそれが顕著に現れてしまったと思います。今回は、参加学生のモチベーションを上げるため、事前想定の4つよりも多くの学生投票による優秀賞を出しました(7つ)。しかし、本音を言うと、出しすぎたと思っています。2、3年生が今回の評価を参考に「こんなレベルでいいのだ」と高をくくって、次年度の卒論や研究発表に対する取り組みを進めてしまうのは、大変よろしくありません。次年度は4月からビジカンの準備を始め、できれば春学期中に中間発表会を実施したいと思っていますが、その時にきちんと参加学生の評価眼を養う工夫が必要であると強く感じています。また、不正が疑われる投票があったので、その防止も考慮して、投票方法も改善するつもりです。
ここで、うちのゼミの卒論を振り返ります。半数以上が一次データによって仮説検証を行っています。また残りは、ケーススタディーによってマーケティング上の原則導出を試みています。例年並みだったと思います。調査をきちんとやった上で、独自の見解を示すのが、卒論の基本であると過去散々諭してきましたので、それを受けとめてくれたようです。
ただし、つぎの大きな欠点があります。どれも理論検討が薄いのです。マーケティング論や経営学に関する様々な理論を用いて、「なぜそのことが起きたのか」について分析をするという努力が足りない。あるいは、仮説を導出する際に十分に理論に触れていない、ケーススタディーが物語の記述にとどまってしまった。3年生には、この反省を踏まえて、次年度卒論で理論を正面から取り上げてほしいと思います。
今年度ゼミの運営で良くなかったと反省しているのが、恒例の全学年参加の卒論発表会を行わなかったことです。ビジカンに参加するので、時間的余裕がないという判断から、卒論発表会を見送りました。しかしながら、2、3年生たちは卒論を今後どのように進めるべきなのか、4年生の反省から学ぶ機会を持てなくなりました。次年度は、ビジカンとは別に卒論発表会を開催する予定です。
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