愛知学院大学青木ゼミのブログ

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名古屋マーケティング・インカレ2

2008年12月08日 | 名古屋マーケティング・インカレ
今回の名古屋マーケティング・インカレでは,昨年以上に皆勝ちにこだわっていることに驚きました。予選では,学生が相互評価するのですが,他のチームを有利に導きたくないのか,低い評価を他チームに与えるチームが続出しました。その結果,実は余り差がつかなくなっていました。決勝に残ったチームは僅差の勝利だったのです。

この評価状況で不公平感が出るのは,他チームを高く評価する善人の集まるチームがいると,それ以外のチームが浮き上がり,それ自身は相対的に沈んでしまうことです。ゲーム理論の課題のような状況に陥っているのです。実際善人チームがいましたが,決勝には残っていませんでした。もちろんそれだけが理由ではありませんが。

最低点を与えるというケースもいくつかあり,ちょっとまずいかなと思いました。なぜならば,最低点が与えられているチームは私が見た印象ではその評価ほどひどい研究発表ではなかったからです。来年度は評価方法を見直す必要があるかもしれません。

評価が高いチームはプレゼンテーションに優れているというのはいいことなのですが,学生の評価がややプレゼンテーションの良し悪しに傾き過ぎているような印象を持っています。また,研究内容については,学生にとって分かり易いと高評価につながり易いということも気になります。学生の理解を超えた研究や関心を引かない研究は評価が低くなる可能性があるということです。勝つことにこだわりすぎると,各チームは分かり易い研究ばかりに取り組むことになってしまうかもしれません。それでは本当の研究の面白さが味わえなくなってしまいかねません。

われわれ教員の間では伝説となっている研究発表があります。昨年の名城大学大崎ゼミ商業集積グループ「長浜商店街の二極化」という研究です。研究内容は抜群だったのですが(大学院レベルでも通用するぐらい),学生には身近な問題でなかったため,あるいは少しプレゼンテーションが下手だったため,決勝には残ったものの,決勝チームの中では最低点しか得られませんでした。まあ,教員の世界でも,優れた研究をしている人が高い処遇や地位を得ているわけではないので,ありがちなことなのかもしれませんが。なお,今年の優秀チームをくさすわけではありませんが,今年は「長浜商店街の二極化」を超えるものはなかったというのが教員の一致した意見です。あの研究のすごさを皆が評価し,その情熱を共有してくれたらと今でも願っています。

現在の評価方法において勝ち負けにこだわると色々問題点が出てくるのはいたしかたないのですが,もちろん良いことのほうが多いと思います。何より,皆真剣に勉学に取り組んでくれるようになっています。最優秀チームが発表されたとき,涙を見せる学生がいました。勝って涙し,負けて涙したのでした。ここまで真剣なのかと,日経BP社特別審査員の方々が感激したそうです。この真剣さが持続し,今年参加した学生はもっとすごい研究発表を今後行い,来年参加する学生は今年の学生以上にすばらしい研究発表を行うことを望みます。


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