うちのゼミでは,例年,ゼミの教科書として,白井利明・高橋一郎『よくわかる卒論の書き方』〔第2版〕ミネルヴァ書房,2012年を指定しています。教育学・心理学専攻の学生向けに書かれた教科書ですが,商学部の学生でも十分に活用可能な良書です。卒論の書き方といいながら,ゼミの選び方・学び方や,研究発表の仕方など,2,3年生にも有用な内容が盛り込まれているので,うちのゼミでは2年生からこれを活用してもらっています。
現在,ゼミの2,3,4年生にとって,論文コンテスト,研究発表会,そして卒業論文の締め切りまで残り1か月~2か月ほどになりました。2,3年生は当然のこと,4年生も多くは内容がまとまらなくて,全員頭の中がぐちゃぐちゃになっている様子です。
ここで全員に『よくわかる卒論の書き方』を熟読してほしいと思います。研究の進め方という章では,テーマの深め方,問いの立て方など,丁寧に説明がなされています。これらは学生にとって,きちんと教えられずに見よう見真似で進めてしまう事柄かもしれません。テーマを深めることは,自然とできて当然のようで,実際には指導されないと学生は自らでは行えない事柄です。
現在大半のゼミ生はテーマが深まっていません。それ故に,あいまいで論理性のない発表を繰り返し,さらに今後何をしていいのか分からなくなっています。
テーマの深め方について,その教科書はつぎのように項目を立てて説明しています。①反証を発見する,②原因と結果を考える,③異分野との融合をはかる,④追試をする,⑤現場に行ってみるです。私自身「なるほど」と得心します。
この中でまずゼミ生に手掛けて欲しいことは,⑤現場に行ってみるです。机上であれこれ考えたところで,知識のない学生がテーマを深めて独自の主張を論理的に組み立てることは不可能です。分からなければ,他人から教えてもらうのが近道。そのためには,現象が起きている現場を訪ね,そこで関係者に話を聞いてみるのがよいでしょう。現在ゼミ3年生は,2チームに分かれて,中古車の電子商取引と,スターバックスの誘客要因を検討しています。手掛けて半年以上経ちますが,テーマが深まりません。4月と同じ議論を今でも繰り返しています。
こんな時には,中古車販売やスターバックス店舗の現場に出向くことが肝要です。そこで,顧客やスタッフが何をしているのか観察し,会話に耳を傾けてみるのです。顧客は自分たちの想像を超える動機で店舗を利用しているかもしれません。スタッフの動きは自分たちの考えを補強する情報をもたらしてくれるかもしれません。疑問がわいたら,顧客やスタッフにヒヤリングすることを探ってください。
さらに,取り組んで欲しいのは,徹底して文献を読むということです。新しいアイディアというものは無からは生まれません。既に頭にインプットされている知識を複数組み合わせたり,解釈を変えたり,適用対象を変更したりすることで,新しいアイディアは生まれます。したがって,頭に今以上に知識を蓄えるために,自動車販売,電子商取引,カフェ,飲食業などに関する文献をたくさん読んで欲しいのです。
この文献渉猟は,現象を示す雑誌や新聞の記事だけでなく,理論を取り上げた専門書も含みます。学生が嫌う理論は頭を整理するのに役立ちます。理論は,様々な現象を整理するフレームや,主張を根拠づける土台になりうるのです。マーケティング,経営学,心理学,社会学等の理論を学んでください。
なお,テーマを深める前に確認してほしいのが,研究発表を手掛けるために,最初に設定したテーマです。それは漠然としていましたが,自分たちなりに,何を知りたいのか,どんな主張をしたいのかを決めたはずです。迷ったら最初に戻ることが近道なのです。テーマを掲げた際に,それなりに動機があったはずです。その動機と併せて,何を知りたいと考えていたのか,どんな主張をしたいと思っていたのかを確認してもらうと,方向が見えるはずです。
現在,ゼミの2,3,4年生にとって,論文コンテスト,研究発表会,そして卒業論文の締め切りまで残り1か月~2か月ほどになりました。2,3年生は当然のこと,4年生も多くは内容がまとまらなくて,全員頭の中がぐちゃぐちゃになっている様子です。
ここで全員に『よくわかる卒論の書き方』を熟読してほしいと思います。研究の進め方という章では,テーマの深め方,問いの立て方など,丁寧に説明がなされています。これらは学生にとって,きちんと教えられずに見よう見真似で進めてしまう事柄かもしれません。テーマを深めることは,自然とできて当然のようで,実際には指導されないと学生は自らでは行えない事柄です。
現在大半のゼミ生はテーマが深まっていません。それ故に,あいまいで論理性のない発表を繰り返し,さらに今後何をしていいのか分からなくなっています。
テーマの深め方について,その教科書はつぎのように項目を立てて説明しています。①反証を発見する,②原因と結果を考える,③異分野との融合をはかる,④追試をする,⑤現場に行ってみるです。私自身「なるほど」と得心します。
この中でまずゼミ生に手掛けて欲しいことは,⑤現場に行ってみるです。机上であれこれ考えたところで,知識のない学生がテーマを深めて独自の主張を論理的に組み立てることは不可能です。分からなければ,他人から教えてもらうのが近道。そのためには,現象が起きている現場を訪ね,そこで関係者に話を聞いてみるのがよいでしょう。現在ゼミ3年生は,2チームに分かれて,中古車の電子商取引と,スターバックスの誘客要因を検討しています。手掛けて半年以上経ちますが,テーマが深まりません。4月と同じ議論を今でも繰り返しています。
こんな時には,中古車販売やスターバックス店舗の現場に出向くことが肝要です。そこで,顧客やスタッフが何をしているのか観察し,会話に耳を傾けてみるのです。顧客は自分たちの想像を超える動機で店舗を利用しているかもしれません。スタッフの動きは自分たちの考えを補強する情報をもたらしてくれるかもしれません。疑問がわいたら,顧客やスタッフにヒヤリングすることを探ってください。
さらに,取り組んで欲しいのは,徹底して文献を読むということです。新しいアイディアというものは無からは生まれません。既に頭にインプットされている知識を複数組み合わせたり,解釈を変えたり,適用対象を変更したりすることで,新しいアイディアは生まれます。したがって,頭に今以上に知識を蓄えるために,自動車販売,電子商取引,カフェ,飲食業などに関する文献をたくさん読んで欲しいのです。
この文献渉猟は,現象を示す雑誌や新聞の記事だけでなく,理論を取り上げた専門書も含みます。学生が嫌う理論は頭を整理するのに役立ちます。理論は,様々な現象を整理するフレームや,主張を根拠づける土台になりうるのです。マーケティング,経営学,心理学,社会学等の理論を学んでください。
なお,テーマを深める前に確認してほしいのが,研究発表を手掛けるために,最初に設定したテーマです。それは漠然としていましたが,自分たちなりに,何を知りたいのか,どんな主張をしたいのかを決めたはずです。迷ったら最初に戻ることが近道なのです。テーマを掲げた際に,それなりに動機があったはずです。その動機と併せて,何を知りたいと考えていたのか,どんな主張をしたいと思っていたのかを確認してもらうと,方向が見えるはずです。
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