お盆過ぎ
海へは
行かない方がいい
という
昔からの言い伝え
それまでの穏やかな海とは
少し違って
時より
強い
波が押し寄せる
晩夏
遠く台風からのうねりからの
大波を
土用波という。
台風が発生しやすい秋口にかけて
こうした
大波が
浜辺へ押し寄せる
サーファーたちにとっては
絶好のコンディションになる
こうした波を目にすると
夏も終わったかなぁと
思わせる
海岸線で風が吹く
白波が立つ海を眺めて
少し
進んだ季節を思う。
名残り惜しい夏と
照りつける日差しも
少しゆるみ
秋の気配を
ふと、心によぎらせる
8月も終わりを迎えるこの時期
長かった夏休み
長かった夏を
なにかしら
取り戻そうと
焦りながら
何故か
海に来ていた
あの頃。
忘れた物などなかったのに
忘れたような気がして
風が吹き
波が立つ
晩夏
土用波が
夏の終わりを
告げる
この人
やっぱ 似てるんだよなぁ
雰囲気だけでも
中島みゆきさん本人と思いながら
……
土用波
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
昔の歌を聴きたくはない
あの日が二度と戻らないかぎり
なつかしい名前口ずさんでも
砂を崩して 土用波がゆく
愛の重さを疑いながら
愛に全てをさらわれてゆく
伝えそこねた言葉のように
雨をはらんで 土用波がゆく
あなたの髪から私の髪へと
流れ落ちる 土用波の音
溜息まじりの潮風を泳ぐ
折れたカイトに見覚えはないか
愛の重さを疑いながら
愛に全てをさらわれてゆく
あなたの髪から私の髪へと
流れ落ちる 土用波の音
流れゆけ流れてしまえ立ち停まる者たちよ
流れゆけ流れてしまえ根こそぎの土用波
愛の重さを疑いながら
愛に全てをさらわれてゆく
伝えそこねた言葉のように
雨をはらんで土用波がゆく