ネスレ日本が新配送サービス開始のワケ 個人宅などを拠点に
01:19 FNN PRIME
配送コストの削減などを目指し、個人宅を利用した新しい宅配サービスを始める。
26日、食品大手の「ネスレ日本」は、「佐川急便」と連携した新しい宅配サービス「MACHI ECO便」を、10月から始めることを発表した。
ネスレ日本・高岡浩三社長は「タクシー業界でいう『Uber方式』。この21世紀、インターネット、AI(人工知能)の時代に宅配業界の中で、このシステムを進展できないのかと」と話した。
その新サービス、どんな内容かというと、これまでコーヒーなどの商品の宅配は、配送業者が利用客の自宅に1つ1つ届けているが、MACHI ECO便では、近所の個人宅や商店を「ECO HUB」という宅配の中継地にして、まとめて配送。
荷物を一時預かりしてもらい、利用客は、ECO HUBの運営者に配達してもらうか、自ら受け取りに行くことを選ぶことができる。
事前の試用期間に、ECO HUBの運営を担当した皆川和江さんは「持ってくときは、確認して持っていけるし、取りに来てくださるときは、一緒に、これ、おいしそうだねとか、結構、そんなに大変って思ったことは、今のところはないです」と話した。
利用客は、ECO HUBまで受け取りに行くことで、5%の割引を受けられるほか、ECO HUB運営者には報酬が支払われる仕組み。
ネスレがこのサービスを始めた背景には、ネット通販の需要が増える中、宅配業界のドライバー不足による配送コストの高騰など、厳しい現状があるという。
高岡社長は「Eコマースの場合は、配送ができないと売り上げが立たないという、非常に大きな問題がありまして、今すでに2倍、3倍のコストになってますから」、「(報酬を支払ったら、前とコストは同じでは?)全く違いますね。ハブになってストックしていただいているところにだけ、お金をお支払いすればいいので、全くレベルが違います。おそらく半分以下だと思います」と話した。
今回、参加した「P&G」や「ファンケル」なども、配送コストの問題で頭を悩ませていたという。
今後、パートナー企業を増やし、よりいっそう配送コストを削減したい考えで、ネスレは2025年までに、100万人の利用者を目指している。