春の引っ越しシーズンに異変 「予約取りにくい」「料金が高い」
02月24日 19:20 NHKニュース&スポーツ
ドライバーなどの人手不足が深刻になる中、企業の人事異動などが集中する春の引っ越しシーズンを前に、インターネット上では「引っ越しの予約が取りにくい」などという書き込みが相次いでいます。大手引っ越し各社は、希望どおりの日程で引っ越しできない人が多く出るおそれがあるとして、取引先の企業に異動の時期をずらすよう要請するなど、対応に追われています。
引っ越し会社などが加盟する全日本トラック協会によりますと、3月下旬から4月上旬までの間は、企業や官公庁の人事異動のほか、就職や進学の時期も重なるため、例年、年間の引っ越し件数の3分の1が集中する繁忙期となっています。
しかし、ネット通販の拡大などでドライバーの人手不足が深刻になっているほか、学生などが厳しい仕事を敬遠する動きもあり、アルバイト作業員の確保に苦労する会社も多いということです。
このため、大手引っ越し各社は、希望どおりの日程で引っ越しできない人が多く出るおそれがあるとして、取引先の企業に人事異動や引っ越しの時期を春の繁忙期からずらすよう要請していますが、インターネット上ではすでに「引っ越しの予約が取りにくい」とか「料金が高い」などという書き込みが相次いでいます。
NHKが取材した名古屋市の大学4年生は「4月から都内の企業に就職するため、3月末の引っ越しを希望していたが、連絡した大手5社にはすでに断られている状況で、無事に新生活を送れるのか不安でいっぱいだ」と話していました。
【人手不足に悩む現場】東京・中央区に本社がある引っ越し会社、アップルは予約が集中する春の引っ越しシーズンに対応するため、例年100人以上のドライバーを確保しています。
しかし、ネット通販の拡大に伴う人手不足によって、宅配業者などとの間でドライバーの争奪戦となり、人件費が上がっていることなどから、ことし確保できるのは例年の9割程度にとどまる見込みだということです。
また、学生などが厳しい仕事を敬遠する動きもあり、アルバイト作業員も思うように集まらない状況だということで、繁忙期となる来月の勤務のシフト表はまだ組めていないということです。
このため、ことしは首都圏から北海道や九州・四国などに向かう遠距離の引っ越しは採算が合わないとして、3月下旬から4月上旬までの繁忙期には原則、引き受けないことを決めたということです。
(以下略)