2015年度予算の各省庁からの概算要求が29日、出そろった。一般会計の総額は過去最大の101兆7000億円程度で、初めて100兆円を突破した。国の借金返済に充てる国債費や医療・年金など社会保障関係費が過去最大に膨らみ、地方創生など重点施策に優先配分する3.9兆円の「特別枠」はほぼ満額の要求となった。
要求総額は今年度当初予算(95兆8823億円)に比べ約6兆円多く、政策に充てる経費は約3兆円増の約76兆円。国債残高の増加に伴い国債費は11%増の25兆8238億円に上った。
社会保障関係費は高齢化の進展で膨らみ、厚生労働省の要求額は3%増の31兆6688億円。2年連続で増額した公共事業関係費は6兆121億円と16%増の要求になった。
防衛省は、安倍晋三政権が進める島嶼(とうしょ)部の防衛強化に向け過去最大の5兆545億円を計上。一方で景気回復による地方税収の上振れを見込み、総務省は自治体に配る地方交付税を16兆450億円と5%の減額要求にした。
財務省は年末の予算編成で総額を100兆円以下に絞り込む考え。ただ、年末に予定される消費税率10%への引き上げ判断の結果や、来年春の統一地方選をにらみ与党内から歳出圧力が高まることも予想される。