朝、霧の立ち込めた道を歩いてきました。舗装道路をはずれ、田んぼの畦道を歩いて行くと、濡れた草の水滴が靴に浸みこみ、靴下まで濡れてきました。
上空を低く霧が覆い、通りすぎていく鳥の鳴き声と羽音が聞こえてきます。薄くなった霧の間に、列を組んで飛ぶ白鳥や鴨の姿が見えました。白鳥たちも、先の見えない白い霧の中を飛んでいるからなのでしょうか。南から北からとさまざまな方向から群れをなして飛んできては、迷い鳥のように それぞれがさまざまな方向に飛び去っていきます。
いつもより低空を飛んでいるせいでしょうか、鳴き声も大きく 勢いのある羽音まで 鮮明に耳に響くように聞こえてきます。
幻想的な白い霧、見え隠れする鳥の群れ、にぎやかな鳴き声、力強い羽音、畦道の真ん中を歩きながら、自然の中に包み込まれている自分を感じました。
もし叶うなら、鳥の隊列に加えてもらい、霧の空を飛んでみたいと思いました。下界は、どんなふうに見えるものなのでしょうか。