今日の夕方に 空を焦がすような 濃い橙色の夕焼けを見ました。これまでにあまり見たことのない色合いでした。秋の深まりを空も告げているのでしょうか。
楽しみにしている新刊本が4冊出され、一挙に読み終えました。読書の秋をたっぷりと味わうことができたような感じがします。
読んだ本は、佐伯泰英著「居眠り磐音江戸双紙」40巻、「吉原裏同心」17巻、辻堂魁著「風の市兵衛」8巻、坂岡真著「鬼役」7巻のいずれもシリーズ物の最新刊です。
中でも驚いたのは、居眠り磐音のシリーズが40巻目の発刊だということ。藩の改革派である磐音と親友が、保守派の策略によって、悲しい戦いを強いられてしまうところから始まった物語でしたが、以来さまざまな試練と悲しい別れを乗り越え、亡き師の志を受け継いで道場を再建し、二人の子の父親となった磐音。その経てきた波乱の人生を40巻の物語から汲み取れるような気がしました。佐伯泰英さんの書いたシリーズ物の中でも、現在この物語が一番長く続いているようです。磐音はもちろんのこと、家族や友人・関わりのある人々等、登場人物の一人一人が、物語の世界を通して親しい存在として私の心の中にも生きているような感じがしています。
私が一番初めに読んだ佐伯作品は、「居眠り磐音江戸双紙」ではなく「吉原裏同心」でした。これを読んだことで、佐伯ワールドの魅力にとりつかれてしまい、以来発刊された佐伯作品はすべて見逃さずに読むようになりました。内容の紹介は省略しますが、どの作品も面白く、心惹かれる主人公が登場します。
時代小説好きの私にとって、毎回発刊を楽しみにしているのがこの佐伯作品であり、高田郁著澪つくし料理帖のシリーズです。そして、最近になって新たな魅力にとりつかれたのが、辻堂魁著「風の市兵衛」、坂岡真著「鬼役」のシリーズです。市兵衛は、雇われ家業の算盤侍であり、風の剣をつかう達人でもあります。鬼役は、将軍の食事の毒見役である御膳奉行を務め、裏では悪の手を討つ居合いの達人でもあります。この二人の登場人物の人間性が、また魅力的です。
秋の夜長は、好きな作家の本をじっくりと読んで過ごすのもいいですね。