あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

勇気ある撤退

2022-01-28 19:13:00 | 術者、勉強になった症例
本日は金曜日ですのでステントグラフトの日であります。
弓部の瘤で1deb Zone2の予定でした。
アクセスがかなり細いため現行で最も細いTXアルファのデバイスを選択して、いろいろと準備して挑みました。
同径のダミーシースが通過したらデバイスを出すつもりでしたが、全く通らないため、ひたすらPTA、それでも通過せず。
一部石灰化が2/3周のところあり、割れたら何とかなるかなと思ってましたが、リコイルしてしまうようで。
VBX入れてPTAと言う準備もしてましたが今回は無理せず、ここで辞めて仕切り直すことにしました。
途中でダミーシースが削れて傷だらけなことに気がついてしまった。かなりの石灰化です。
それを見たら無理はやめようと。
ステントグラフトで無理すると泥沼にハマってしまい低侵襲ではなくなってしまいます。
トラブルを起こす前なら、撤退できることもカテーテル治療のメリットの一つであると言い聞かせて。
次回は計画的にお腹開けてコンディットを建てて行う予定です。


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