一気に寒くなりました。今日は外来の後に、転院してきた心不全コントロール不良のMRがオペになりました。今週はその他、全部埋まっていて、スタッフには申し訳ないが遅い時間のスタートになります。
高齢ですが、自分で運転もされていたという、元は元気な方。2ヶ月ほど心不全でかなりADLも落ちてますので、出来るだけ侵襲を減らす方向で、4cmの傷でアプローチ、A2ですが人工腱索などは使わずにAlfieri stitchにて、出来るだけ心停止時間を減らすことに。
リングつける前にA2P2を合わせてみましたが、弁輪拡大が強すぎるのか、全く左室が張らない。
取り敢えず、リングつけてもう一度位置を合わせてみると、見事に逆流消失です。PafもありますがMAZEは過侵襲と思われ、左心耳切除のみ。
なんとか日勤帯に終了です。
Alfieriの歴史についての論文を読みましたが、病変ごとに詳しく書かれていて勉強になります。17年の追跡調査で前尖病変では心膜を使ったリングは成績が悪かったようで、しっかりとした人工弁輪の方が再発率は低かったと書かれてます。
やはりedge to edgeだけではなくリングでしっかりと締めてあげることで、接合部を稼ぐ必要があります。また縫合部にかかるストレスを減らす役割もあると書かれてました。
最近、形成はリングをつけてから弁尖をいじった方がわかりやすいかなと思ってきました。
Alfieriの方法をカテーテルで行うのがMitraclipでありますが、やはり、弁輪を縫縮できないことを考えると、良い成績が残せる適応は狭いかもしれません。
Tetheringによるいわゆるtype3bの成績は良いらしいので、弁輪拡大を伴う、type1,2や心房性MRでは片落ちで成績不良かもしれません。
うちの若い先生が、人工腱索は遠隔期に伸びてきて再発する可能性あるので、実はAlfieri stitchの方が遠隔期に成績が良いのではないかと、恐ろしいことを言ってましたが、一理あるかも。
ただ、日本ではalfieriの発表はあまり聞いたことがない。プライドなのか、難しいことが好きなのか。
もしかしたら人工腱索とかはただの外科医のアレかもしれません。
論文の中には、レスキューで使えますとの記載もあり、人工腱索で逆流が残ってしまったら、レスキューでedge to edgeを使うのもありですと書かれてました。
実はわたしはこれまで、そうして助けられたことが何度かあります。
もっと広まらないかな。
でも外科医がこれを肯定するとmitraclipで良いじゃんとなってしまうからなのかな。alfieri+リングは外科医しか出来ないので、それでも良いと思うけど。
無事に抜管した頃には、外はもう暗く。
街に明かりが。
今日はヘルシーにしゃぶしゃぶ。
野菜がメインです。お肉はちょこっと。