あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

対パラグアイ戦、間に合いそう

2010-06-29 21:37:31 | Weblog
今日はCABGが二件でしたが、私と後輩で1例ずつ担当させていただきました。
とはいっても、最近のボスの流行は助手側から吻合させることです。かなり変則的で、型どおりにいきませんので、その場で考えて吻合せねばなりませんので、最初の1-2針は頭が少しこんがらがります。ボスとしてはMIDCABの練習やと言いますが、、、。本日は4枝でしたが、LAD、D、PLはやらせていただき、シークエンシャルのCXだけは助手がらからは、やや難ですので、ボスが吻合しました。今日のIMAは出血させた割には、2本とも30分以内で取ることができましたので、快調、出血なければもう5分早かったか。吻合もほぼ10-15分ぐらいの時間で吻合できていましたので、まずまずですが、Dのときにボスがキツキツのシャントチューブを入れたもんだで、えらい縫いにくくて、途中で引っ張りすぎてひっこ抜けてしまい、おかげで縫いやすくなって、ちょうどよかったけど。
出血で見にくいのも、難ですが、キツキツのシャントチューブほど厳しいものはないですね。針の運針方法がが全く違ってきますので、自分でやってたら意地張らずに、ワンサイズダウンするけど、なんか、ボスは意地になってた。いつも、結構な出血でも吻合しているせいか、多少の出血はあまり気にならなくなりました。

もうすぐ、2例目のCABGも終わりそうです、なんとかパラグアイ戦までに帰れそうです。

LIQRがやって来ます

2010-06-26 13:47:16 | Weblog
今週は6件あり、2件担当させていただきましたので、上機嫌な週でした。
来週は今のところ予定は3件と少な目ですが、今日MTがあるので、もう2-3件は増えるかもしれません。
来週末は、ついに日大のH先生が講演にやってまいります。
かねてから、講演に呼んで欲しいとボスにお願いしていたのですが、ついに実現する日がやってきました。
今回の講演のテーマは「開心術後のトータルマネージメント」という、何とも広いお話でありますが、スタチンの薬剤メーカーが主催ですので、どうしてもスタチンがらみの講演になってしまうのであります。
しかし、H先生といえばLIQRでありますので、そちらのお話もぜひとも聞きたいと思って、昨日、H先生にお願いのメールをしてみましたが、「心に響く、熱いお話をさせていただきます」とのお返事、さすがH先生らしい。
当日、お会いするのが大変楽しみであります。
今月のSTSにまたLIQRの中期成績が載っていました。
またLIQRのビデオみて気持ちを高めたりして。

若いって素晴らしい

2010-06-25 19:42:42 | Weblog
先日行った、慢性解離の破裂の方は、超低体温循環停止であったにもかかわらず、CCU入室後すぐに覚醒して、当日、抜管となったようです。先ほど見たら、麻痺も無く、もう飯食ってました。ボスの執刀であり手術もすんなり行きましたが、やはり若いって素晴らしいのね。

久しぶりのAR

2010-06-25 19:14:29 | Weblog
本日は久しぶりにARの弁置換を担当させていただきました。
AR自体、かなり珍しい手術になってきました。年に数例でしょうか。
82歳と高齢の方でしたが比較的、元気な方でした。
上行の拡張があったので、横切りではなく、Jシェイプで切開して少し縫縮ぎみに閉めました。縦切開の利点は閉鎖は楽ちん、欠点は視野が深くなり、弁輪の操作が難しくなることです。ただ、今日はARですし、大動脈も柔らかかったので比較的視野も良好でした。左の弁輪に少し石灰化あり、取ったら筋肉が出てきてしまったのでプローリンで形成、弁輪径はエコーで26mm、CEPの25mmのサイザーが通過しましたので、23mmのintra annuler positionで入れました。
出血も無く無事終了、あとは目が覚めればOK
久しぶりですし、最近、不調ですので、一つ一つかなり慎重に集中してやりました。
あっという間でしたが、遮断79分、4時間弱で終了しました。
しかし、ボスはこれを半分の2時間でやってのけるので、まだまだ道は遠いものです。

今日は2例目にUAPが入りました。
18年前にもUAPの緊急でSVGの三枝バイパスをされた方で、nativeはすべてCTO、SVGグラフトのみに依存して生きている方ですが、今回なんと、SVG3本とも90%、まー良く、18年もったものですね、と患者さんにいってみたが、さすがにほっとくわけにはいかんのです。
90%とはいえ、すべてliving graftであります。開胸で切ったらたぶん助からん。
という事で、左開胸でアプローチとなりました。
off-pumpでLITA-LAD、下行AO-SVG-#14-#4AVという作戦で、今やってます。
第五肋間で開けて肋軟骨切ったら、心臓丸見えです。
心嚢内の癒着も比較的ルーズでして、やはり18年も経てばルーズになるのでしょう。
こういう時の左開胸、いい作戦だと思いますが、肺の癒着があると、泣いちゃいますね。

古くて新しい

2010-06-24 23:49:49 | Weblog
昨年からAAAに関しては、ボスや部長の配慮を頂き、比較的自由にさせていただき、いろいろと新しい方法や道具を取り入れさせてもらっていますが、今は大開腹用の開創器の新しい鈎と、小開腹用の新しい開創器、それとパワースターというバイポーラのはさみをお願いしています。どれもこれも商品としては新しいものではなく、たぶん10年前、私が外科の研修をしていたころから使っていたものですので。
コストのかかるものですので、大学病院のように何でもかんでもとは行きませんが、手術手技料も上がったことですし、少しでも患者さんにとってメリットがあるのであれば、よいのではないかと思います。もちろん古い方法や道具も基本ですので大切ですが、安全が証明されているのであれば、新しいことも少しずつ取り入れなければいけません。
なんでもそうですが新しいもの買うのって楽しいですね、ストレス発散、しかしみんなが稼いだ病院のお金ですので、ちゃんと有意義に使って還元しなくてはいけませんが。

解離ちょろちょろ

2010-06-24 23:30:12 | Weblog
先週ぐらいから解離が2-3人いて、B型のお一方はたぶん切迫破裂、とりあえずドレナージのみでしのぎ、B型だけど上行にもうっすら少しある?ようなお方は、径の拡大もないので、そのまま内科の先生にお願いして、なんて逃げていたら、先日夜に本物が来ました。
慢性のB型胸腹部の破裂、麻酔かかったら血圧でなくて、ちょっと急ぎましたが、何とかFFでポンプにのり、ARがありませんでしたので、そんまま25度ぐらいまで我慢。中枢末梢ともにオープンで吻合、最後に人工血管同士の吻合。私は外勤でしたので、止血はお付き合いできず、仮眠を取ってシャワー浴びて山に逃げてきました。
予定もそうですが緊急もスタッフが足りずに辛い、とくにコメディカルが少なく、現状のスタッフも交代要員がいないので、精神的に壊れている。そのうち夕方5時以降は看護婦いませんみたいなことになるのでしょうか、まるでどっかの国立病院みたいに。
また、悲観的な発言をしてしまった。
次は明るい記事にしよう。


梅雨前線とともに

2010-06-17 19:19:54 | Weblog
そういえば梅雨入りしたそうな、先週の緊急の嵐も、きっと梅雨前線が運んできたのだろう。気圧の変化というのは、肌で感じるより早く体は敏感に感じ取るのでしょう。
喘息なんかは有名ですが、血圧、不整脈、気胸、解離、破裂、AMI、脳梗塞などなど、気圧との関係が言われている疾患は色々ありますね。
今回も、緊急が過ぎ去ったころに、天気が崩れだし梅雨入りしましたので、病気は一歩早く来る印象です。
今週は今のところ緊急もなく予定の手術が順調に進んでいますが、IEやら、UAPやら早めに手術が必要な方たちが紹介されてきます。来週が学会で後半はお休みの予定でしたが、このぶんだと、もう2-3件増えるかもしれません。

今日は私は山のバイトで夜はのんびりですが、先ほどマムシにかまれた子供がやってまいりました、腫れもひどいので数日経過観察が必要と思われ市民病院に転送いたしました。
マムシは軽症に見えても、注意しないと急性腎不全で劇的な経過で亡くなる事があると聞いてますので、怪しいときは入院して治療が必要です。
このあたりはよくマムシがでます、特に秋になるとマムシもお腹に子供を宿っていますので、かなり警戒心が強くなり狂暴になるので患者さんも多くなりなります。
マムシって蛇の中でも、特殊で卵を産みません、直接、子供を生むんですね。
マムシより死亡が多いのがスズメバチです、結構、なくなる方がいます。
病院に来たときは意外とケロッとしているのに、診察中に突然ショックになることもあります。どちらかというとマムシより毒の周りが早いためなのでしょうか。怖いです。

職員満足度=患者満足度

2010-06-17 17:52:31 | Weblog
今年の医局旅行は中止になったらしいです。
所詮、個人病院ですので院長の鶴の一声で、すべてが決まります。
何がしたいのでしょうか、中止の理由も伝えずです。
「医局旅行なくして、近くのホテルでパン食い競争でもやらせて一致団結させろ」と言ったか言わないか知りませんが、そんなうわさが流れています。
馬鹿にしているのでしょうか、それとも経営陣というものはえてして、職員を最初からそれぐらいにしか思っていないのでしょうかね。

顧客満足度の高いことで知られているリッツ・カールトン・ホテルには、「従業員は内部顧客である」という考え方が企業哲学(クレド)の中にあり、採用から研修教育に至るまで従業員を重視した一貫したシステムが構築されています。その従業員教育の基本的な考え方は、「お客様を心からおもてなしし、満足していただくためには、従業員自身が心から満足していなければならない」というポリシーに貫かれています。
以前、うちの職場にもリッツカールトンのお偉いさんが来て、接遇について研修をやったり、医局旅行でリッツカールトンに宿泊したりと、リッツカールトンの精神を取り入れようとしたみたいだが、まったく、どうしてリッツカールトンの一番の肝が経営陣には伝わらなかったのかな。いま、うちがやろうとしていることは、職員満足度を下げるだけ下げて、患者満足度をあげろあげろと接遇ばかりになっているような。

一致団結しろといいたいということは、経営陣も少しは危機感を感じ出したのでしょうか、遅すぎるけど、今すぐでも改善に向けて動いてほしいですね。
まずは、相手の気持ちを知らなければならないと思うのですが、職員満足度のアンケートやってみれば、何がいけないのか少しは問題点があがり、改善策も出てくると思うのですが。
どうなんでしょうか、うちでは自己評価表なる全くフィードバックのないものを半年置きに書かされますが、よっぽど半年置きに職員満足度調査をやったほうがいいのではないかと思う。
しかし、院長にこんなこと言ったら、首か減俸になるかもしれん、私には権限がないので。

無責任な下手糞やろう

2010-06-13 21:26:25 | Weblog
PCIのトラブル、手術を受けるのは仕方がない、それが外科医の仕事であるし、そのためにこの病院に外科があるのだから。
最後の砦として外科医がいるので、内科の先生も安心して、開ける必要もないCTOなどを開けにいけるのである。ほとんどの内科の先生はそのことを良く理解していると思われるが、一部には、外科はただの受け皿としか思っていない内科医も存在する。
自分で手を下して破ったくせに、休日返上で呼び出された、我々にも手術室スタッフに対しても、一言も無かった。
お偉いさんなのはわかるが、申し訳ない、お願いします、ありがとうのうち、どれか一つぐらい持ち合わせてないのかい。
情けなー、ドンだけ偉いか知らんが、人間として信じられん、この下手糞が。

外科医みよりに尽きるといえば

2010-06-13 20:32:13 | Weblog
先週は地獄の1週間でありました。もうわけわかんなくてよく覚えていませんが、緊急の嵐でUAP2件、AAA破裂2件、VSP1件、冠動脈穿孔1件、急性動脈閉塞1件と予定手術に加え、毎日1件づつありました。最後のころはバイパスの吻合最中に、普段でも緊張で目が霞むのというのに、今回は疲労と睡眠不足でほんとに目が見えなくなるわ、何もしてないのに両手がしびれてくるわ、体がボロボロです。
手術室スタッフにもほんとに申し訳ないです。特別手当てが出るわけでもなく、休日も返上して、毎日夜中まで、大変です。さすがにお互い疲れがピークで、ちょっとしたことで不満が爆発、手術中も部長とNSとでけんか状態で険悪なムード、その上、NSがぶっ飛んで仕事放棄。なんとか環境を改善してあげないと、ほんとスタッフが辞表を出す日も近そうです。少なくとも手術室スタッフは病院の中では立場が弱いので、私達外科医が何とかして守ってあげないとダメです。ボスや部長にもっと、危機感を持って、なんとか上層部に掛け合って欲しいものです。
現在、2人まで減らされましたが、次は手術室はNS1人という時代が目の前まで来ています。
ほんとに上層部って何やっているんでしょうか。
私の病院ではありませんので、どうなろうが知ったこっちゃ無いですが。この病院にもスタッフにも、いろいろと恩がありますので、なんとかこのピンチを救いたいと思いますが、私のような役職の何もないいち外科医がこんなことを考えるのはおこがましいことなのでしょうか、このまま衰退していくのを見るのは辛いです。
まー、低賃金でスタッフの給料から絞れるだけ絞って吸い上げているので、経営的にはものすごい黒字でしょうから、つぶれることはまずありません、そういう点では素晴らしい経営者ではありますが、使い捨てのように次々とやめていくスタッフを見て、もう、あたり前過ぎて、何も感じなくなってしまったのでしょうか。
黒字にするのは、当然ですが、接遇接遇といって体面ばかり気にしていて、従業員を全く大事にしないこの経営陣は頭悪すぎ。
教育と人材を大事にしない企業は必ず衰退していくという事が、実体験でわかりました。
天下りみたいな名前だけの医者にウン千万と給料払うなら、少しでも下々のために使えって言うんだ。うちの病院も蓮訪さん呼んで事業仕分けしてもらったほうがいいわ。

まー、私どもも、いくら手術やっても、給料は全く上がらないし、ボーナスも出ない。
手術手技料が上がりましたけど、スタッフには何もなし、役人さんに聞きたいです、何のために手術手技料ってあがったんですか、そもそもは勤務医の給料が安すぎるという事が始まりでなかったの、今のシステムでは病院が儲かるだけで、スタッフには何も還元されない。
外科学会では手術手技料の一部を外科医のドクターズフィーとしていくような提案がなされているようだが、早く実現して欲しい。

今日はあまりの忙しさで、怒り爆発してしまったが、私にとっては将来の悪いお手本となるであろう。
この先、どうするかわからないが、いつか自分が病院の経営に携わったり、トップとなって仕事ができる立場まで上り詰めたとしたら、人を大事にすることと育てること、頑張っている人にはちゃんとそれなりの評価をする、そういった病院を目指していきたいし、次はそういう病院で働きたい。理想と現実は違うのかもしれんが、踊る大走査線の室井さんではないが、結局、自分が上に行って、権限を持たないと、今の現場の立場から何を言っても、現場を知らない上層部は何もわかってくれないし、わかっていても変えようとしない。

まー、何のために、こんなに身を削って手術をするのか、外科医みよりに尽きるといえば、そのとうりであるが、冷静になって原点に立ち返ってみれば、1番は手術を必要としている患者さんのためであるはず、そして自分の外科医としての成長のためだわな。
そう思って今週も頑張るのである。

UAP

2010-06-11 07:14:01 | Weblog
本日は内科のライブということで、手術は入れちゃいかーんとのお達しが出ており、予定はありませんでしたが、先日の緊急の嵐でずれ込んだAAAと、またUAPがおりますのでAAAとCABGの2件となりました。
AAAはeasy caseですので後輩に任せるとして、CABGは部長が出張中ですので、ボスの気分によるでしょうが、担当させていただけるようお願いしたいと思います。
信用を得られるよう、きちっとミスのないようにグラフトの準備をしなくてはいけません。
両側IMAとSVG、1時間で取れるようにがんばります。
今朝は早起きしてしまいましたので、早速、吻合の練習をしていますが、なかなかどうして、時間ばかりかかってしまいスムーズに行きません。
やはり目標としてIMAで15分、SVGで10分、中枢は5分以内におさめたいところであります。

肝硬変

2010-06-11 07:02:53 | Weblog
先月はAAA症例が多く、easy caseを選んでレジデントに担当してもらったが、開けてみたらなんだか静脈という静脈がみんな1cm近くに拡張していて、んーと思い肝臓を見てみたら、案の定、ゴツゴツの肝硬変であり、なかなか苦労しました。吻合部の露出はさすがにこちらでやり、吻合はやっていただきました。止血にもさほど苦労はせず、術後は順調に経過して先日、無事退院となりました。

折れてた

2010-06-10 20:27:18 | Weblog
連日担当させていただいたAAA破裂の方たちは、経過は良好ですが、昨日の方が、朝方5時に換気不全で呼ばれまして、呼吸器の内圧が上がってしまい原因不明、吸引チューブも10cmぐらいのところから先に進まず、たかだか半日でチューブが詰まるわけないと思いつつ、寝起きで頭が働かず、気管支ファイバーやろうかと思いましたが、入れ替えたほうが早いかなと思い、入れ替えてみましたら、なぜか挿管チューブが10cmのところで折れてた。
折れてた原因はわかりませんが、とりあえずよかった。
いろいろと不測のことは起きるものであります。
そんなこんなで、寝不足が続きます。
レジデントが夜中は電話に出ないことが多いと看護婦さんたちからクレームがきています。
私もかつてそうでありましたが、雑用も多く慢性睡眠不足で大変なことはわかりますが、うちの看護婦さん達は優秀な方が多く、夜中にコールしてくるということは、それなりのことですので、呼び出しに出れないようでは心臓外科としては失格だと思いますが、どうなんでしょうか、私は前任の勤務地では、採用の条件の中に病院からのコールは絶対に出るようにと、電話に出れなければ解雇するとまで、うるさく言われたものですが。
辞書で調べるとレジデントとは本来、居住者という意味なのである。

本格的シュウマイ

2010-06-10 20:19:29 | Weblog
先日、またゴルフに連れて行っていただきました。
設備は少し古いのですが伝統あるコースで、またまた天気にも恵まれ良い一日でした。
ここの名物はシュウマイということで頂きましたが、確かにうまし。
スコアは121と前回より6打縮まったのみですが、調子はよかったほうだと思います。
ここのコースは結構難しいということで、普通と比べて、5-10打ぐらい少なく考えてもいいとのことでした。私がヘタッピなだけではありますが、すぐにOBが出てしまうコースで、OB4発が痛かったかなーと思います。
ようやく、気持ちよくプレーできるようになって来たなーと思いますが、たぶん、またすぐにスランプに陥るのでしょう。
がんばって続けて行きたいですね。

火事場のなんとか

2010-06-09 20:13:40 | Weblog
昨日から今日にかけて緊急が3件続きました。
昨日は予定の1件が終了してカンファやってたらAAA破裂、以前から指摘されていたが、ほぼ寝たきりのため手術は受けず経過を見ていたらしいが、ボンっといって即死であれば、これまた大往生で済むのでしょうが、中途半端に破れて痛みで苦しんでいると、これまた本人も家族も、いくら手術はしないといっていたからといって、何とかしたくなるのが人情というもの。
開けてみたら珍しく後腹膜には血腫はなく、腹腔内に直接oozingしている状態でした。
そんなもんで、むくみも無く、腸管のガスも無く非常にeasy caseでさくっと2時間台で終了、血腫も腸管のむくみも無いので、腹壁も余裕で閉じれまして、人工呼吸器も離脱できました。まー、もともと寝たきりですからこれからが大変。
今朝は今朝で7時半からカンファやっていたら、またAAA破裂、今度は89歳、ほぼ寝たきり、こちらも、手術は選択せず経過を診ていたタイプ、やはり、ボンとはいけなかったのでしょう。こちらはさすがに昨夜のようにeasy caseとはいかずでしたが、例によって、必殺、黄金の指刀で半ば強引に中枢を露出して、そのまま即クランプして、なんとかなりました。こちらは後腹膜の血腫も腸管のガスもひどかったので、コンパートメントになりそうでしたので、最近お気に入りのイレウス管を入れまして、全部ガス抜きしてペタンコにして余裕でとじれました。これやると30分ぐらいかかるので大変ですが、それでも2期的閉鎖することを思えばね。やや止血に手間取り、3時間オーバーでしたが、こちらも先ほど麻酔から目が覚めてきました。めでたしめでたし。
ちなみに、お腹を閉じている最中にIABP付きのUAPが登場、2例目にピットインされまして、off-pump4枝で4時間きっかりで先ほど終了、ただ今解散となりました。

という事で、本日予定されていた手術は2例とも、ぶっ飛んでしまいまして、こちらのフォローも大事であります。ご本人、家族、そしていつも自己犠牲を払って緊急を引き受けてくれる病院のスタッフ。
ほんとに人助けだと思って、予定の変更を受け入れてくれた患者さんに感謝であります。
みんな大概は話せばわかってくれます、同じように病気で苦しんでいるのですから、お互い様なのであります。
しかし幸いなことに、どれもこれも夜中の緊急ではないので、意外と平気。
逆に緊急だと、すべてが早い?ので、予定手術やっているより早く解散になったりして。
それなら普段から、もっと早くできるんじゃないかと思うが、これは火事場のなんとか、というやつでしょうかね。