あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

ハイテンション

2010-08-19 12:46:32 | Weblog
昨夜の破裂は夜間で危険ということで、ヘリコプターが病院横には降りれず、発着場所が遠くなったりで、到着が遅れまして、前医でCTも取ってなかったりで、手術開始がずいぶん遅くなり、早くから集まってくれた手術室スタッフには迷惑をかけました。
開けてすぐにネックが捕まえて、ほとんど手刀で剥離しましたので、ぱぱっと行きまして、1時間ちょいで吻合は終わり予定手術よりハエーと思い喜んでいたのはつかの間、腹が閉められず、本日もイレウス管に登場していただきました。イレウス管の扱いにみな慣れていませんので、何だかんだ、奥まで突っ込んで腸管の内容物を抜くのに2時間ぐらいかかってしまいましたが、それでもおかげで閉じれましたので、2期的に閉鎖しに行くよりは一度ですんだほうが、後のことを考えるといいかと、、、。
おかげで今日も寝れずに、外勤先にやってまいりました。
一時間半の運転は辛く、大声で歌を歌いながら、なんとか寝むけと格闘して、生きて到着しました。こんなこと続けてたら、いつか事故ると思うけど、この状況から抜け出せない。
しかし来たとたん、AMIと外傷が待ってまして、働かない頭でなんとか午前中の外来を乗り切りました。
呼ばれるまで、ちょっと昼寝します。

やはり続きます

2010-08-18 23:48:18 | Weblog
やはり夏だろうがなんだろうが続きます、またAAAの破裂です。
今から県境の山奥からヘリでやって来ます。
破裂なので私の担当となるのはうれしいですが、正直、夜中は勘弁です。
ようやく先週末の緊急のダメージから開腹したところなのに、また、体調が、、、。

お盆でボン

2010-08-17 11:35:01 | Weblog
今年もお盆の週はスタッフが休みのため予手術室もお休みでした。AAAの緊急が2件ほどはいりましたが、なんとか無事終わり、比較的平和なお盆でした。
AAAは何故か2件とも腸骨動脈瘤でありまして、1例は切迫破裂という事で開けましたが破裂はしておらず、ただ2ヶ月で急速に拡大してぼこぼこと飛び出して、腰痛が激しく腰椎と腸腰筋を巻き込んでいましたので、早くやって正解だったのでしょう。
もう1例は完全に破裂、ショックで飛び込んできました。
腸骨領域の破裂は深くて、厄介なものです、ほぼ盲目的に剥離遮断で4分枝管で3本(外2、内1)で再建しました。途中、片側の尿管らしき構造物も、おそらくやってしまいました。ステントなどありませんので、オートネフレクトミーという事で、ごめんなさいで、もう片方の腎臓さんに頑張ってもらうことし、あきらめました。
再建までは2時間程度でおわりましたが、大量出血のためか、凝固能が壊れてしまい、出血が全く止まりませんでした。なにせ人工血管の汗が止まらず、エア抜きの針穴から吹きまくり、こりゃ当分ダメだと思い、こっちも嫌な汗が止まりませんでした。とりあえず院内にある凝固関連のものを入れまくって、ラッピングして、追加かけまくって、ようやく3時間後に止血、まるで超低体温にした解離みたいでした。
こりゃ厳しいかなと思いましたが、意外と尿も出て、呼吸器も離脱できて、順調に経過しています。
緊急の破裂は自分の責任でやっていいことになってますので、2例とも担当させてもらいましたが、こういったゲリラ的な手術は燃えますね。腹部の破裂に関しては、ここのところ成績はいいです、たまたまでしょうが、まー、半分は術前の状態と運でしょうね、実際のところ外科医の力なんてのはほんの1-2割ぐらいしか関わっていないのだろうな。
でも、やはり夜中は勘弁して欲しいですね、もう若くありませんので2-3日、調子悪くなります。今日も、まだすっきりせず、眠いというかだるい。

屋形船

2010-08-08 20:53:38 | Weblog
先日関連病院の合同カンファレンスという名目で鵜飼の会が開かれました。
昨年もあったのだが、これはもう恒例になるのでしょうか、いいことです。
今年は残念ながら雨が降りまして、もう、屋形船の上で酒と会話で、ほとんど鵜飼見なかった、すみません。
30台真ん中で近い学年の先生も多く、いろんな話になったが、やはり施設間でかなり差があるね。手術の件数から内容などもろもろ、同世代で、弁形成やら大動脈とか複合手術をやっている話を聞くと、うらやましいし、すごく悔しいけど、仕方がないのね。
上司にもよるだろうけど、私が下手糞なので信頼を得られてないのか、アピールが足らないのか。アピールするのもやや疲れてきたが、また、主張しないといけないのかな。ボスが外で言っているのは、「なんかうちの若いのも手術やりたいみたいで、最近言ってくるんだ」と、当たり前だよ、手術やりたいから、こんな奴隷みたいな生活に耐えているんじゃないか、手術やれなきゃ、腐るし辞めるわ、すぐにでも。わかってるんだかないんだかね。
今年は専門医は4人受けます。同年代でも、すでに2年前に取ったというつわものがいるかと思えば、学会発表が足りなくて今年は受けれないというやつもいるし(たったの3回やろ、これまで10年何してたん)、そう思えば、うちの部長はセミナー受講が足りなくて、今年失効、、、とほほ。それでわれらと一緒に、今年もう一度受けるとのこと(情けなー)。
学会に行くと、みんなお偉い先生方がこぞってセミナーとか講習会とかにでてるけど、そういうことなのね。
腕さえあれば、いらないんだろうけどね。
私も手術は下手糞なので、今年専門医受けることにしました。
これまで、どうでもいいと思ってましたが、今年なんとか症例も集まりそうですので。
今日は申請書類を作っていました。
これまでの心臓血管外科の手術件数は6年で、執刀が104件しかありませんでした。そのうち開心術はたったの34件でした。なんか、もっとやってる気がしたけど、これだけなのね。年間300の施設にいても、こんなものなのでしょか。
もっとチャンスを頂きたいです。これからだと信じていくしかないけど。
先月もポンプ症例一例も回ってこなかった。
最後にAVRやってから、もう2ヶ月が過ぎますかね、感覚忘れちまうよ。

久々に

2010-08-04 20:26:44 | Weblog
ここ数年、単純なASDなんて見ないのである、あー、いつの間にかカテーテルがメチャクチャ進化したのね。
先月あったのは、ASD+CABGで上司に持ってかれたが、本日はASD+MAZEで私に出番が来ました。
普段なら後輩に回っていたかもしれないが、夏休みでいないので、、、。
ASD単独であれば今のレジデントの症例だったかもしれないが、仕方ない。
とはいっても私もMAZEを自分でやるのは初めて、何百と見てきてはいるが、見るのと自分でやるのとは大違いですね。
僧帽弁手術が回ってこない限り、次のMAZEはないね、何年先のことかわからん。
見切りをつけているかもしれんし、外科続けているかもわからんね。
やはり手術って見るのも大事だけど、アル程度続けて数をこなさないとダメだなーと思うが、私みたいな下手糞ができる症例は少ないですね。
元気にする自信がなくては術者はやっちゃいかんね、歩いて帰してもともとですから。

留学への思い

2010-08-01 22:47:27 | Weblog
先日の学会でドイツに留学していた同級生に話をきいてが、とにかく留学した方がいいと、なぜかというと一番は自信がつくとのこと。彼はたぶん世界一かずやってる、年間6000例の施設に行っていたのだが、欧米人はとにかく、手先は不器用でへたくそ、その上、サボってばかりで全然仕事しないらしい。だから日本人はものすごく尊敬されるし、大事にされるさしい。誰かも同じこと言っていた。あいつらは時間になったら帰っちゃうし、緊急は呼んでも来ないので、そういう時に文句言わず、いつも日本人が活躍するらしい。うまく使われていると言えばそれまでだが、ギブアンドテイクである。
日本では年間20-30の施設でも、そこそこに技術をキープしてやっていけるかもしれないが、欧米人は無理だとのこと、集約化されて毎日手術しているから、なんとかなるけど、年間20-30では欧米人ではとても、日本人ならではと言っていた。
だから行く前は言葉の壁があって、いつも尻込みしてばかりで、相手を上に見てばかりだったけど、向こうにいても日本人であることに誇りを持って、逆に欧米人を見下して仕事してたって。
それから、やはり留学するなら英語圏にしろと、ドイツ語ペラペラで日本に帰ってきても、結局は英語ができないと意味ないと言っていた。
なんかそんな話を聞いたら、おれもビビらずそろそろ留学を考えようかななんて思ってしまった。でも、言葉の壁が、、、、行かなきゃ話せるようにならないよ、いくら英会話教室行っても無駄と言われた。そいつは向こうでまず4カ月語学学校に通ったとのこと。
やはりそれぐらいしないとダメだろうね。
まず語学留学ね、悪くないかも。
ちょっと甘いかな。

off-CABGの功罪

2010-08-01 22:16:59 | Weblog
先週担当させていただいたCABGの方は昨日造影しまして無事開存を確認できました。
技師さんからきれいにつながっているよとお世辞をもらいましたが、ボスがいなかった時の症例であり、しかもLADへの一本バイパスでしたので、さすがにこれで吻合の形が悪かったりなんかした日には、たぶん次はないというぐらいのつもりでやっている。
先日、冠動脈外科学会というのがありIMRの話を聞いてきたが、結局、リング形成だけでは遠隔期に3割は再発するので、弁下組織にも手を加えなくては駄目だろうという話になっていた。方法としては離れてしまった乳頭筋を寄せるか、もしくは引っ張られている腱索を切ってしまうか、引っ張られている乳頭筋を釣り上げるか、だいたいこの3つが主流かと思われる。確かにその通りではあるが、どれもこれも結局は虚血のリモデリングで左室が拡大することがすべての原因であるので、手術した時は元の場所に戻るかもしれないが、遠隔期にまた左室の拡大が進めば、どうにも再発は免れない気がするが、どうなんでしょうか。
そこで、他大学の同級生ともお会いしまして、いろいろ情報交換しましたがあちらは、CABGはほぼ全例、CPBのせるとのこと。ビギナーからしたらうらやましい。でも、IMRの話を聞いたときにM弁を触るか、CABGのみで終わらせるかの話になっていて、入院した時はMRじゃかじゃかだけど、心不全コントロールついて、しかも麻酔かけちゃうと、負荷がとれてMRが消えてしまう事は、昔からよく言われていたことだが、、、。実際にどうかというと、麻酔下でMR2度程度であれば、ついついoff-CABGですませてしまうことも、みんなあるんではないかと思う。もちろん症例それぞれでCPBのせる方がリスク高い人もいるだろうし。難しいところである、脱転に耐えられるからと言って、何でもかんでも意地になってoff-CABGで終わらせてしまい、あとからMR心不全で入院を繰り返すでは意味がなくなるので、そこらへんの評価は大事である。と今回学会に行ってあらためて思った。やはり学会って勉強にも刺激にもなるね。いつもは開催場所で選んでいたけど、今回も行くつもりはなく、たまたまオペ中止になったので行ったが、やはり、なんか時代に置いてかれる気がしてしまう。ただなんでもはやりすたれというのがあるので、一昔前まで正しかった事が今では正しくないなんてことは、この世界いくらでもあるので、何でもかんでも飛びついていては大変だし、アホである。でも、うちの上司二人はほとんど学会に出ない、何か新しいネタを聞いてきても、流されてししまうことが多い、せっかく学んできても病院にフィードバック出来る事って少ないんだな、AAAぐらいですかね、好きなように出来るのは、開心術はまだ、権限がないというか自信もないし。