1年以上も前に、大きな台風が関東に到来して、うちのTVアンテナを吹き飛ばしてしまった際、ケーブルTVに替えるまでの間、しばらくTVが全く観られない時期が1か月半ほどありました。
自分はTVを目覚まし時計の替わりにしていたので、同じようにラジオを枕元に置くことにしました。夜中にトイレで目が覚めた時に、何気なくラジオのスイッチを入れると、NHKで「ラジオ深夜便」をやっているのです。夜11時から翌朝4時くらいまでですので長丁場なのですが、当然に生放送であり、また民放の深夜放送のような騒がしさが一切なく、静けさの中に、凛とした独特の間合いで、非常に品格のある時間が流れていく‥そんなラジオ番組なのです。
昭和の時代の歌謡曲のリクエストコーナーや、地方局が作る「報道インタビュー」コーナーもあったりで、内容もバラエティに富み、しかも中身の濃いものが挟まっていたりで、この時期にかなりハマって、よく聞いておりました。
ところで、この放送を誰が聞いているのか‥と考えてみたところ、「ハッとさせられた」のを覚えています。
この静けさと、優しさと、そして中身の濃さを求めて聞いているのは、「眠れない方々」がリスナーなのだと。眠れない理由は人そろぞれだと思いますが、一人で山中に住む老人も、体調をくずして長期休養中の方も、特殊な介護のために終夜起きていなければならない人も、深夜運転専門のドライバーの方も、孤独の中で自分に寄り添ってくれるようなラジオ放送を求めて、毎日聞いているのだと思います。
一度、お聴きあれ。ラジオ深夜便、ものすごい番組だと思います。(続く)