金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【雑感】 ジョン・レノン Imagine

2019-11-29 17:09:23 | 雑感

 朝にアップした「香港と深圳」のブログの中で、ジョン・レノンのImagineの話題をいたしましたが、深圳の人間が「共産主義を讃える歌だ!」と思うはずもなく‥と書いたところに、幾つか質問も頂いたので、もう一度テーマにいたします。

 以下、Imagineの原文と和訳です。

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって...

想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ

想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲張ったり飢えることも無い
人はみんな兄弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
そして世界はきっとひとつになるんだ

 この歌が発表された1971年当時、「国なんて無い」「宗教もない」「何も所有しない」というところが、共産主義を礼賛していると言われて、テレビやラジオで放送禁止にされたことがあったので、上記フレーズを入れたのです。まぁ、軽いジョークですが‥。

 いまや、世界平和を唱えるスタンダードになったこの曲が、デモクラシーの盟主である、当時のアメリカ国内でも、そんな仕打ちに遭っていたということ。国家資本主義の中国だって、10年後には変わっていると期待したって、良いジャンね!




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【金融】 香港と深圳 その2

2019-11-29 07:33:18 | 金融マーケット

 先週、香港と深圳が、「デモクラシー基盤の資本主義」と「国家資本主義」の闘いの象徴的存在であると申し上げました。そして、片や「トランプの関税政策」、片や「一帯一路」では、この勝負は、国家資本主義に分があるとも言いました。本日は、その続きです。

 今週の日経新聞で報じられていましたが、香港に「レノンウォール」が出現して、ジョン・レノン所縁の壁に、市民が自由に自分の主張を書き立てる場所が出来たとのこと。すぐに香港政府が取り締まってしまうでしょうが、このレノンウォール、そもそもは1980年の冷戦下のチェコのプラハで、暗殺されたジョンレノンを偲んで哀悼のメッセージを壁に描いたのがオリジナルで、当然ながら自由や平和への希望、権力への抗議も含まれる内容だったそうです。

 デモクラシーという仕組みは、国民の感性が荒んでしまうと、すぐにポピュリズムというカオスに引き込まれてしまう不安定なシステムではありますが、一方で、個人が自由に何でも叫ぶことができる社会であるため、ジョン・レノンやボブ・デュランといった天才が出現できる仕組みでもあります。

 香港の対岸にある深圳では、スティーヴ・ジョブスやビル・ゲイツを生むパワーはあるかもしれませんが、ジョン・レノンやミック・ジャガー、忌野清志郎を生むことは絶対にあり得ません。

 前回は、デモクラシー陣営の代表選手としてトランプ大統領の名前を挙げましたが、ここで取り消させて頂きます。やっぱり、ジョンでしょう。ジョンのイマジンを聴いて、深圳の人たちが「共産主義を礼賛する歌だ!」って思うはずはなく、自由や平和の素晴らしさをかみ締めるはず。

 結論を言うと、10年後、国家資本主義はアメリカ資本主義を凌駕して、世界経済の中心に座ることになるでしょう。しかし、その時に、中国国民のメンタリティを、中国共産党がしっかりグリップできているとは思えません。むしろ「革命を発生させない仕組みとしてのデモクラシー」が見直されて、それを徐々に取り入れていく新中国の姿が見えてくると期待いたします。そして、そのトリガーとなるのが、ジョン・レノンやデュランなのではないか? 70年代・80年代のアメリカで起きたことが、40~50年後に中国でも起きるという気がしてまいりました。


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