まずはアーリントンC。勝ったのは、ロードカナロア産駒ダノンスコーピオン。川田騎手は中団待機で脚を溜める選択。4コーナーを回っても、馬群に包まれて前に出られませんでしたが、残り200mのところでようやく外へ持ち出し、4番手から先に抜け出していたルーラーシップ産駒タイセイディバインを豪快に差し切ったところがゴール。勝ちタイムは1分32秒7。2着はタイセイディバイン、3着は、3番手から内で粘り切ったロードカナロア産駒キングエルメス、4着は、最後方から追い込んできたワールドエース産駒ジュンブロッサム。
ダノンスコーピオンが、路線をマイルに変えた途端に本領を発揮いたしました。これでNHKマイルCは、セリフォスと並ぶ本命候補に。2着タイセイディバインと3着キングエルメスは、卓越したスピードを活かしたレースでしたが、府中マイルだと少し直線が長すぎるか。惜しかったのは、4着のジュンブロッサムで、この馬ならば府中マイルも合うと思いましたが、優先出走権は3着まで。残念!
次は中山GJ。勝ったのは、ステイゴールド産駒オジュウチョウサン。最初は中団待機で、途中から好位追走で、最後は、ディープインパクト産駒ブラゾンダムールとのマッチレースを制して勝利。11歳で6度目のグランドジャンプ勝利。JーGⅠは9勝目。歴史的な名ジャンパーが、さらに勲章を一つ加えました。
いつもと異なり、着差は小さかったですが、きっちり勝ち切りました。とにかく、無事で何より。もう、ファンとしてはそれだけで十分です。
そしてアンタレスS。勝ったのは、7歳牡馬のレジェンド、オメガパフューム。中団後方待機で脚を溜めます。直線では、1番外へ持ち出して、4番手から先に抜け出していた4歳馬のキングカメハメハ産駒グロリアムンディを外から豪快に差し切って完勝。59㎏のハンデも何のその、まだまだ若い者には負けないぞと、存在感を見せつけました。パサパサの良馬場の勝ちタイムは1分50秒5。2着はグロリアムンディ、3着は後方から追い込んできたヘニーヒューズ産駒ニューモニュメント。
勝ったオメガパフューム、引退は取消しで正解。まだまだ走れます。この秋のGⅠロードも活躍が楽しみです。
1番人気で15着に敗れた4歳牡馬のバーデンヴァイラーは、やはり無理にでも先頭へ立たないと厳しい気性のようです。逆に2着に粘ったグロリアムンディは、ニューヒーローとして見事な走りでした。
最後に三冠第一関門の皐月賞。勝ったのは、ドレフォン産駒ジオグリフ。好スタートから、5番手の馬込みの中に位置を取って脚を溜めます。すぐ外には同厩舎の人気馬キタサンブラック産駒イクイノックス、内側にはハーツクライ産駒ダノンベルーガが居ました。アスクビクターモアが逃げる展開となって、前半1000mは1分0秒2のスローペースに。結果として、これが直線での瞬発力勝負の原因となりました。
4コーナー手前から、ルメール騎手のイクイノックスが外から前に進出、その背中を追いかけて、ジオグリフも前に進出していきます。直線に入ると、イクイノックスが一気に抜け出して、そのまま勝利かと思われましたが、すぐ後ろにいたジオグリフが、そのイクイノックスを豪快に差し切って完勝。勝ちタイムは1分59秒7。2着はイクイノックス、3着は、ほぼ最後方から追い込んできた1番人気のハーツクライ産駒ドウデュース、4着は、好位から馬場の内側を選択して差してきたハーツクライ産駒ダノンベルーガ、5着は逃げ粘ったディープインパクト産駒アスクビクターモア。
なお、出遅れて後方待機となったキラーアビリティは、伸びない馬場の内を突いて13着に敗れました。やはりこの馬は、スローの瞬発力勝負よりも、淀みのないペースの消耗戦が得意なのだと思います。ダービーでは人気が落ちるので、改めて見直したいと思います。
さて、勝ったジオグリフ、まずは福永騎手の完璧な騎乗が勝因だと思います。それから、福永騎手も言っていましたが、距離は2000mがギリギリの印象。ダービーでの不動の本命という訳にはいかないと思います。最近のダービーは、スローペースにはならず、究極の消耗戦になると思いますので、別路線組も併せて、また凄い競馬になることを期待したいと思います。