金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【独裁者あるある】 むかしむかし、いつも自分だけが正しいと考える独裁者があったとさ。

2023-02-08 04:52:46 | ウクライナ情勢

 むかしむかし、いつも「自分だけが正しい」と考える独裁者があったとさ。

 

 この独裁者はさまざまな手段を使って、長く長く、国の最高権力者に居座っておりました。まず政敵が現れると、その人間のスキャンダルを見つけては世間に流して失脚させる。もし、スキャンダルがなくても、その政敵が徐々にのし上がってくると、非合法な手段を使って粛清してしまう。それはそれは、恐ろしい独裁者でありました。

 なお、外見上は「選挙制度」が存在する「民主主義国家」であるため、最高権力者の任期制限が法律で定められていましたが、これも第1の子分と交替で最高権力者の地位に就くことで任期制限を無力化してしまいました。最後は面倒くさいので、この任期制限の法律自体を変えてしまい、自分が死ぬまで最高権力者に居座れるようにしてしまいました

 

 ある日、この独裁者が不治の病に侵されてしまいました。余命は数年しかありませんでした。あ~どうしよう。今のままでは、自分は歴史に名を残すような偉業を達成していない。死んだ後も、国の英雄で居続けたい。

 そこで独裁者が思いついたのが、『兄弟国である隣国の併合』という偉業。

 もともと隣国は、同じ国の一部だった場所ですが、約30年前の連邦崩壊により、別々の国に別れた土地。今でも多くの同胞たちが隣国に暮らしていました。もし、この土地を併合出来たら、自国民だけでなく、隣国に住んでいる同胞たちも大喜びするに違いない。そうなれば、自分は歴史的な英雄となれる! しかし、いきなり攻め込んだら国際世論を敵に回してしまう。何か良いきっかけはないのか⁉

 隣国は民主国家となって、まだ日が浅く、先般の選挙で国のリーダーになったのは、何とTVで人気のコメディアンでした。しかも、そのコメディアンは、あの老獪で狡猾な『米帝』の誘いに乗って、自国は『米帝』の同盟国となって、あの独裁者とは決別しよう! などと息巻いている人物でした。独裁者は考えました。こいつの軽はずみな行動を口実にして、一気に国を併合してしまえば良いのだ!

 しかもラッキーなことに、宿敵『米帝』の現在のトップは、前任者とは異なり、常識人で好々爺。自分からは、けして狂ったことを言わないし狂った行動もしない。すなわち、御し易い相手。かてて加えて、我が国の軍の幹部に聞いたら、2週間で全土を占領してみせると豪語している。『米帝』がアワアワ言っているうちに、スッキリ終わらせてしまおう‼

 

 ところがどっこい・・。あれから1年。

 

 2週間で終了するはずの占領作戦が、泥沼の内戦状態。豪語していた軍の幹部はとっくにクビにしてしまったが、それでは何の解決にもならない。しかも、自分の死期は着実に近づいている。今日、明日に、体調が急変してもおかしくない

 

 このまま、自分が倒れたら、自分の後継者はこの戦争をすぐに終わらせてしまうだろう。そして、全ての責任を死んだ自分に押し付けて、世界中に詫びを入れるに違いない。

 しかし、それでは自分の名誉はどうなる。国の英雄どころか、国を貶めた逆賊扱いになってしまうではないか!

 そんな結末では我慢できない・・

 

 かくして、その国の独裁者は、路上の氷が解けて、戦車・装甲車の動きが取れなくなる3月になる前に、自国の陸軍部隊を隣国から撤収させました。そのうえで・・

 『戦術〇〇兵器』と呼ばれる最終兵器の発射ボタンを押したとさ。  おしまい

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする