回転寿司チェーンに関わる『悪ふざけ動画』が、一時期、毎日のように地上波ニュースで流れておりました。少し前には、コンビニチェーンや飲食店チェーンのアルバイトによる『悪ふざけ動画』が話題になっていました。
こうした動画を発信する輩のメンタリティには、「人間は一人では生きていけない生き物」であり、「社会や地域で役割を果たしながら共生する存在」という意識が微塵もありません。社会や周囲の人間に対するリスペクトどころか、自らが生きていくための最低限の責任感、そのカケラもないのでしょう。
『悪ふざけ動画』の主体は中学生とか高校生の子供ですが、これを撮っている主体は恐らく親だと思いますので、この親自体のメンタリティに、上記の意識も責任感も欠如しているのだと思います。
それではなぜ、こうした輩が増えているのでしょうか?
恐らく、自らの存在を「社会や地域で役割を果たしながら共生する存在」だと、生まれてから一度も感じたことがないからだと思います。もちろん、そうなった状況には、まず本人に一番の原因と責任があるのですが、彼らが胸の内に想い抱いていることは、きっと次のようなことだと思います。
「貧しいのに、苦しいのに、誰も助けてくれなかった」「親自体が無責任で、子供(自分)を放り出して好き勝手やっていた」「自分は、一人で自立して頑張ろうとしたけれど、結局、社会は自分を受け入れてくれなかった」など・・
ちなみに、先の参議院議員選挙で当選した某氏の言動を見ていると、これにも同じ匂いが致します。やっていることは、特に根拠も証拠もない噂話や、勝手論理の誹謗中傷をSNSでバラまいて、芸能人や有名人の名誉を著しく傷つけて、本人はSNSのフォロワー数を獲得しながら、広告収入で大金を稼いでいる。国内にいると警察のお世話になりそうなので、安全な海外から帰ってこない。
この某氏の言動からも、「社会や地域で役割を果たしながら共生する存在」という意識は全く感じられません。むしろ、社会から疎外されつつある存在として、社会に向かって、手あたり次第、咆哮している姿に見えてきます。
この某氏に投票した人たちも、社会や周囲の人たちへのリスペクトなどもなく、自らが活きていくための最低限の責任感も、失いつつあるということなのでしょう。そうした人々が少なくとも、数十万人(得票人数)は存在する国になったということ。ガーシー氏への投票は、彼らにとっての『咆哮』なのだと思います。
冒頭の悪ふざけ動画の発信者には、毅然とした罰を与えるのは当然ではありますが、気をつけないといけないのは、彼らをこのまま「社会から疎外」するのではなく、むしろ、ここからは「社会に引き戻す」ことが大事になります。それをやらずに、ただただネット上で叩き潰すことばかりしていると、彼らは「反社会勢力」の暗闇にどんどん落ちていくことになります。それこそ、『フィリピンのルフィ』の世界へ行ってしまい、帰ってこないでありましょう。
厳しく叱って、優しく受け入れる。
ひと昔前の日本では、当たり前に行われていた習慣であり、島国としての文化であります。
もう一度、この習慣・文化を思い出してまいりましょう。