世の中に「サイコパス」と呼ばれる人間が存在します。
脳科学者の中野信子先生によると、世の中のイメージのように「サイコパス=凶悪犯」ではなく、「サイコパス=共感力に乏しい人間」とのことらしい。すなわち、共感力がない人間だから、相手の痛みや苦しみを想像できる力がなく、それで残酷なことを平気で出来てしまうということ。そして、このようなサイコパスと呼ばれる人間は、100人に1人とか、200人に1人とか、当たり前に存在するらしい。
ちなみに、共感力が乏しくてかつ、自分の言動が周囲から見て、どう思われるかを想像できない人の場合(すなわち、あまり頭が良くない場合)、相手の気持ちなど考えずに、自分の欲求を満たすことだけを考えて行動してしまうため、いわゆる凶悪犯になりやすい。だから、世間一般に「サイコパス=凶悪犯」のイメージが定着しているようです。
一方で、共感力は乏しいが、自分の言動が周囲から見て、どう思われるかを客観的に予想できる場合(すなわち、相当に知能指数が高い場合)、当然ながら、不用意な行動をすることはありません。むしろ、周囲の人間の流行や感情の動きに左右されずに、冷静に行動すべきチャンスを待ち続ける泰然自若といえる人物となります。しかも、他人への共感力がないが故に、人が考えないような斬新なアイデアを発想したり、人が尻込みしてしまう過激なことでも躊躇なく実行出来る冷徹な人物となります。
したがって実は、歴史上の有名な人物や、現代のカリスマ経営者の中には「サイコパスに分類できる=共感力に乏しい人間」が、けっこうな割合で潜んでいるそうであります。
確かに、秦の始皇帝や織田信長に、他人への共感力があったとは思えませんから、サイコパスだからこそ斬新で残酷な行動が取れたのでしょう。
日本の企業経営者の中にも、周囲から「間違いなくサイコパスだ」と思われている「カリスマ経営者」はおります。誰とは言いませんが、自分の後継人材をようやく外部から招へいしたのも関わらず、1年足らずで解任して自分が再び就任するケースなどはその典型事例。共感力がなく、相手の気持ちなどに全く関心はなく自分の欲求だけがルールになってしまっています。
だいたいこの類の人間は、「地域と日本の成長のため」「全てのステイクホルダーのため」「世界への貢献のため」などと何かしら大義名分を掲げるのが好きでありますが、それは「何よりも自分の欲求を満たすため」という第1目的を隠す方便に過ぎないということ。
とはいえ、神様は「100人に1人、あるいは200人に1人」の割合で、サイコパスを生み続けています。この「共感力に乏しい人間」が一定割合いることが、すなわち種族繁栄のための必要悪かも。つまり、サイコパスがいないと革新的なイノベーションが発生しえないということなのかもしれません。
まぁ、とは言え、サイコパスの近くで一緒に過ごさねばならない人たちにとっては、大変迷惑な存在ではありますが・・
ちなみに、ワタクシは会社生活の40年間で、何人かのサイコパスと対峙して参りましたが、64歳になった現在、彼らと付き合うのはもう金輪際懲り懲りであります。
あなたの傍に、「サイコパス=共感力に乏しい人間」はいませんか?
絶対に深くお付き合いしてはいけませんよ。
頭の悪いサイコパスは、凶悪犯罪を引き起こす可能性が大ですので、巻き込まれては大変です。また、頭の良いサイコパスには、あなたが振り回されて、ボロボロになるまで利用されて、いきなりポンと捨てられるのがオチであります。
どちらにしても、良いことはありませんから。