2023年 JRA2歳リーディングサイヤーの中間報告です。
昨年の2022年は、最後の最後で、ドゥラメンテがエピファネイアを僅差の大逆転で破り、2歳リーディングサイヤーに輝きました。そのあとの現3歳世代では、ドゥラメンテ産駒のリバティアイランドが牝馬三冠、同じくシャンパンカラーがNHKマイルCを勝利、そしてドゥレッツアが菊花賞を制覇するなど、種牡馬ドゥラメンテが圧倒的な勢いを見せてくれています。
さて、今年はどのような状況になっているのでしょうか?
以下は、2023年11月26日現在の上位10位の成績です。
第1位 エピファネイア 勝利数31勝 AEI 1.66 賞金3億56百万円
第2位 スワーヴリチャード 勝利数22勝 AEI 1.97 賞金3億00百万円
第3位 キズナ 勝利数23勝 AEI 1.54 賞金2億99百万円
第4位 モーリス 勝利数17勝 AEI 2.07 賞金2億88百万円
第5位 ロードカナロア 勝利数17勝 AEI 1.78 賞金2億25百万円
第6位 ドルフィン 勝利数17勝 AEI 1.19 賞金1億95百万円
第7位 ブリックスアンドモルタル 勝利数12勝 AEI 1.45 賞金1億91百万円
第8位 ダイワメジャー 勝利数11勝 AEI 1.43 賞金1億77百万円
第9位 リアルスティール 勝利数12勝 AEI 1.76 賞金1億72百万円
第10位 ヘニーヒューズ 勝利数11勝 AEI 1.78 賞金1億51百万円
【ご参考】以下は、昨年2022年のJRA2歳リーディングサイヤーの最終順位
第1位 ドゥラメンテ 勝利数24勝 AEI 2.28 賞金4億11百万円
第2位 エピファネイア 勝利数35勝 AEI 1.52 賞金4億10百万円
第3位 ルーラーシップ 勝利数19勝 AEI 1.57 賞金3億50百万円
第4位 ハーツクライ 勝利数22勝 AEI 1.33 賞金2億87百万円
第5位 ロードカナロア 勝利数19勝 AEI 1.06 賞金2億61百万円
第6位 モーリス 勝利数23勝 AEI 1.10 賞金2億61百万円
第7位 ジャスタウェイ 勝利数22勝 AEI 1.31 賞金2億57百万円
第8位 キズナ 勝利数20勝 AEI 1.33 賞金2億26百万円
第9位 ハービンジャー 勝利数18勝 AEI 1.05 賞金2億25百万円
第10位 ヘニーヒューズ 勝利数20勝 AEI 1.33 賞金2億21百万円
まず今年の第1の特徴は、上位4頭が大激戦になっていること。第1位は、2歳リーディングサイヤー争いの常連であるエピファネイアですが、4位のモーリスまでは逆転可能な差の範囲であり、毎週のように順位が入れ替わります。2位スワーヴリチャード、3位キズナ、4位モーリスともに、12月のGⅠ戦線での有力馬を抱えているため、最後の最後まで、誰が2歳リーディングサイヤーに輝くかは全く判らない激戦模様と言えると思います。
第2の特徴は、新種牡馬の躍進であります。第2位のスワーヴリチャード、第7位のブリックアンドモルタル、第11位のニューイヤーズデイ、第12位のレイデオロが今年の新種牡馬であり、4頭もベスト15に入る年は珍しい。特にスワーヴリチャードは、勝利数、AEI、賞金額ともに素晴らしい成績であり、新種牡馬が2歳リーディングサイヤーに輝けば、あのディープインパクト以来の大偉業ということになります。少なくとも、3月に亡くなった父ハーツクライの後継種牡馬の座を確固たるものにしたと言って良いでしょう。
(なお、直近発表された2024年の種付料も、スワーヴリチャードは、前年の200万円から一挙に1500万円へアップ。いきなりトップ種牡馬の仲間入りを果たしています!)
第3の特徴は、昨年の1位で、今年も産駒の大活躍が目立つ大種牡馬ドゥラメンテが、なぜか2歳リーディングサイヤー争いでは第18位と出遅れていること。有力馬のデビューが遅れていることが主因ではありますが、今のところ、来年のクラシック候補は、牡馬のガイアメンテ、ショウナンラピダス、牝馬のラヴスコールくらいで、例年よりもやや少なめ。また昨年3位の種牡馬ルーラーシップも出遅れており、その分、新種牡馬に活躍余地が生まれた感があります。
さて、12月には、2歳GⅠ競走が3つ組まれていることに加えて、多くの特別レースも組まれており、最後の最後まで、2歳リーディングサイヤー争いは激戦が続くと思われます。特に、新種牡馬のスワーヴリチャードには京王杯2歳Sを勝ったコラソンビート、ブリックスアンドモルタルにはサウジアラビアRCを勝ったゴンバデカーブースがいますので、新種牡馬による2歳リーディングの可能性も十分ある状況。
2歳リーディングサイヤー争いに注目して参りましょう!