コントレイルの2021年のスタートは大阪杯(GⅠ)に決まりましたが、そのあとは、いったいどこに向かうのか? 矢作芳人調教師は、海外のコロナ情勢を見ながら、悶々と考えているはずです。恐らく、世界トップのGⅠ路線を視野に入れているはず。そして、それはドバイとか豪州・香港・シンガポールではなく、あくまで欧州競馬を見据えているのだと思います。
さらに加えて、あくまで、コントレイルには、2000m路線での闘いを前提に考えていると思います。理由は2つ。第1に、天からの授かりモノであるコントレイル、彼が最高のパフォーマンスを出せる舞台を選び抜くことが、自らの使命と考えているから。第2に、現在は2000mこそが、世界のチャンピオン・ディスタンスであるから。
コロナの影響が緩くなってくれば、5月の仏ロンシャン1850mのイスパーン賞(GⅠ)、6月の英ロイヤルアスコット2000mのプリンスオブウェールズS(GⅠ)あたりが目標になるのではないでしょうか。欧州の2000m路線のトップ級と、先方のホームグランドで闘い、これを打ち破る。矢作芳人調教師が考えそうなことです。相手次第ではありますが、この時は、7月の英ロイヤルアスコットのキングジョージか、同じく7月の仏サンクルーのサンクルー大賞で、2400m路線へのチャレンジがあるかもしれません。そして、秋はアジアに戻って、天皇賞秋から香港カップで総仕上げでしょう。
もし、コロナ禍の回復が遅れた場合は、7月の英サンダウン2000mのエクリプスS、8月の英ヨーク2060mのインターナショナルS(GⅠ)をターゲットにするかもしれません。その場合は、そのまま欧州に残って、9月の愛レパーズタウン2000mの愛チャンピオンS(GⅠ)、10月の英ロイヤルアスコット2000mの英チャンピオンS(GⅠ)を最終目標にするサブシナリオもあります。
いずれにしても、ディープインパクトの最高傑作コントレイルで、日本人の欧州競馬コンプレックスを破壊して、日本競馬界の新たな時代のスタートを切ること。これが、矢作芳人調教師の目論見だと思います。自分は、ただそれを全力で応援したいと考えています。(続く)