今回の「コロナ・ショック」による日本経済への影響について、西村経済再生相は「リーマン・ショック並か、それ以上かも」というお話をされていましたが、先進各国が揃って危機感を持って経済対策を打っていくというのは頼もしい限りです。
ところで、前回のリーマン・ショックの時も、その前のITバブル崩壊の時も、直後の混乱期でマーケット内で必ず起こる心理現象は「Cash is King」ということ。事業主も個人もファンドも、経済が混乱する時は「資金繰り」で追い込まれていくので、キャッシュ化できるものは何でもキャッシュ化へと、雪崩を打ったように現金化を急ぎます。そして、その際に世界のマーケットで最も価値がある存在が「ドル・キャッシュ」という状態になります。
世界の決済通貨は相変わらずドルであり、最後の資金繰りはドルの現金を持っているか否か、が決め手になりますので当然の成り行きなのですが、それに気づいて早く動いた者が、コソコソとドルの調達へ勤しむことになります。
相変わらず、株式マーケットは大きく下がったり上がったりと不安心理の塊のような状況ですが、為替マーケットは先週末あたりから、ジリジリとドルが上昇し始めています。これは「ドル・キャッシュ」の調達がコソコソと始まった証です。もちろん、経済が本当に混乱の時代に入るのか否かは判りませんが、それに備えた動きは始まっているということ。