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サム・アルトマンをご存じの方がどれくらいおられるだろうか?。私も今度のオープンAI(人工頭脳)での解任劇まで彼がどんな人物か知らなかった。
オープンAIは2015年に設立された人工知能を人間に害を及ぼさず総合的に利益をもたらす方法で進歩させることを目的とした非営利団体で既にチャットGPTを開発している。サム・アルトマンはそのオープンAIの最高経営責任者であったのだが11月17日取締役会議で取締役会との意思疎通において率直さを欠き、取締役会の責任遂行を妨げたという理由で解任された。
AI界の有能で重要人物であるサム・アルトマンの解任で、AI業界は茶瓶をひっくり返して灰神楽状態に陥っている。サム・アルトマンが辞めるならと我々も辞めるとオープンAIのスタッフの大半が言い出し、肝心のサム・アルトマンはマイクロソフトに移籍することになった。慌てたオープンAI側はサム・アルトマンの引き留めを図っているが上手くいきそうにない。
この人間臭い騒動を果たしてAIはどう見ているか、聞いてみたいものだ。微妙なことだがサム・アルトマンは同性愛者で誤解を恐れず感じたことを書くとコンピュータサイエンスに親和性があるのではと頭の隅で閃いた。
いづれにしても、このコンピューターサイエンス業界最先端の人間的な騒動が日本を含む全世界に大きな影響をおよぼすのは間違いない。
将棋NHK敗戦の広瀬対中村太一戦を録画で見た。幸い結果を知らなかったので、手に汗を握った。実は二人とも好きな棋士なのだが、この対戦は正直に言うと中村太一を応援した。中村太一は最初やや不利から終盤はかなり不利になったが、粘り強く決め手を与えず最後はコンピュータの示す最善手を指して逆転で勝った。広瀬は残念そうだったが、取り乱すことはなく敗戦を受け入れている様子だった。粘る順もあったようだが、そうした手順は選ばない棋士なのだ。
ヘボだが将棋を指すので、終盤で秒を読まれた時、主戦場から離れたところの手を指すのが難しい心理はよく分かる。しかし切羽詰まった時にも冷静に広い視野から形勢判断をできる方が勝つのは大切な教訓と感じた。
中村太一は好青年と言うには35歳とやや年を取っているが、将棋だけでなく社会科学の知識もある視野の広い良い男だ。将棋は攻撃的なのだが、人物はバランスが取れ謙虚で人望がある。余計なお世話と言われそうだが、なんでこんな良い男を独りにしておくのかと、周りに居るはずの適齢期の女性に申し上げたい。