駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

アラスカ魂

2009年09月10日 | 自然
 アラスカが遠くなった。昔はコペンハーゲンやニューヨク便が北極回りで、必ずアンカレッジに寄ったものだが、今は直行便がなくなり、不便な極北の地になった。
 私にはアラスカはジャックロンドン、開高健、野田知佑、星野道夫によって馴染み深い土地で、訪れるべき特別な野生の聖地なのだ。
 残念ながら最近体力に自信がなくなり、だんだん優先順位が下がってきた。果たして訪れることがあるかどうか。アラスカに行けば、僅かでも厳しい大自然の息吹に触れなければ、訪れる意味もないだろう。
 開高健はちょっと違うが残りの三人にはどこか文明社会を拒絶するところがある。なんというか、彼等の内には不思議なほど強い自立魂から組織へのやり切れなさが煮えたぎっており、人間社会と折り合いを付けるためアラスカが必要だったようにも見える。確かにアラスカは何処とも違う。シベリアやラップランドでは代わることのできない、人の知らない遠い過去が残存する特別な土地だ。地磁気の北極が脳を痺れさせるのだろうかと妙な考えが頭をよぎる。
 特に星野道夫を読むと彼にはひょっとしてアラスカから永遠が見えていたのではという気さえする。
 まあ、私には永遠は見えないだろうが、可能なら一度訪れてみたい土地に変わりはない。
 
 
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産みの苦しみ

2009年09月10日 | 世の中
 一般に数の横暴と言えば、多数が少数を無視することだが、民主、社民、国民新の連立協議を見ていると逆の感じがする。横暴という言葉は適当ではないが、社民党は過大な権利を要求していると思う。キャスティングボードを握ったからと言って譲らないのは、民主主義に悖る。有権者の意に反する。有権者とは自分の党に投票してくれた人のことだけではなく、国民全体のことだ。与党の仕事は国民全体のことを考えることだ。入閣で十分と考えるのが、世の常識ではないか。僅かでも前に進めれば由とするのが、成熟した政治家の判断だ。
 初産は辛い、大変な仕事だ。身近に経験しているからよく知っている。しかし、お産はあまりに長引くと母子共に生命の危険にさらされることを忘れないで欲しい。
 麻生さんが転けたのは、何よりも愚かであることを国民に悟られたからだ。福島さんは愚かではないと思ったが。もっとも、図々しいのも、あまり支持されないだろう。社民党の女性トリオを応援している小父さんの意見にも耳を傾け、社民支持者を説得しなければなるまい、さもないと筋金入りでない応援者は降りてしまう。

 PS 一件落着、終わってみれば簡単のように見えるが、合点が行く決着だ。これから連立を育ててゆくわけだが、いろいろ困難があっても初診を忘れず、始めよければと行って欲しい。10日 追記。 
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