駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

オバマのお辞儀

2009年11月18日 | 世界
 オバマ大統領が天皇陛下と握手した時、頭を下げてお辞儀をした。これがけしからんと騒ぐアメリカのメディアがあるらしい。どこの国にも沽券に過敏な人達が居る。あんまり体面に拘泥すると、ひょっとして中身がないからじゃないのだろうかと疑いたくなる。友好国の象徴に敬意を表して一体何が損なわれるというのだろうか。それほどアメリカは偉く抜きんでた国かと不思議な気がする。
 どちらが偉いかなどは底の浅い不毛の争いだ。優越性は比較の問題なのだが、比較する対象に対する知識が最も欠けている先進国はどこだろうかと考える。
 勿論、そうして騒ぐのは一部の人達なのは承知しているが、そうした人達が意外な発言力を持っており、恐ろしいことに実力行使しかねないのだ。
 素朴で善良な単純さが粗暴で無知な単純さと紙一重なのには心しておく必要がある。アメリカはfreeでfairを尊ぶ国だが、その裏にcrudeで時にrudeな顔を持っている。外交の本態が血を流さない争いとすれば、体重無差別の争いなので日本のメディアは不規則ジャブにはスウエイする知恵が要求される。オバマや鳩がお気に召さないとしても、国益を唱えるメディアにこそ深謀遠慮が求められるだろう。
コメント (2)
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