駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

月天心貧しき国を照らす

2011年12月10日 | 自然

         

 急に寒くなった。これぞ師走の寒気の中、家の近くでタクシーを降りて自宅まで数分歩く。月と思しい月が中空にくっきりと浮かんでいる。明るい。電気のない昔、満月の光は夜の街並みを近隣の山々を青白く浮かび上がらせたであろう。地上を見れば霜が降りたように一面がほの白く見えたのはよくわかる。今日は皆既月食だという。大都会の人も空を見上げて、改めて月の存在に気付くのだろうか。

 満月を見上げると、いつの間にかウサギを探した子供の頃の故郷や月を詠んださまざまな詩歌が思い浮かび、幽明を超えて時空が広がる。月面に足を付けて歩んだアポロの人達が居ると知っていても、その思いは変わらない。月を踏みしめた彼らこそ、地球を見上げて、何とも不思議な宇宙の存在にしびれるような感慨を持ったと聞く。

 子供達は地球の陰に隠れて起こる月食の原理を学びながら、月光の不思議も感得するだろうか。

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