駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忙しい朝の薬

2012年04月13日 | 身辺記

    

 当医院のような零細稼業では院長は何でもやらねばならない。朝一番に来て最後に帰るのは当然?としても、朝はやることが多くかなわんと感じることがある。ゆっくりコーヒーを飲めることは滅多にない。コンピュータの起動、診療後に届いたFAXの返事、昨日書き残した書類の完成・・・。特に月木は前日の郵便物があり、開封チェックをするので時間を取られる。不器用なくせに慌てるので封筒がうまく開けられず、中身を破ったり、手を紙で切ったりする。ぎりぎりまで書類を詰め込むなと市役所の封筒に八つ当たりをしている。まあ、末端の役所の罪は小さいのだが、役所を罵倒すると痛みが和らぐ。郵便物の三分の二は一瞥でゴミ箱行きのダイレクトメールやわかりきったお知らせである。資源と時間の無駄遣いで本当に勿体ない。

 朝八時に医院のドアを開けるのは早く来られる方のためで、まだ診療の準備は出来ていない。気軽に呼ぶのは勘弁して戴きたい、職員が来るまで静かに待合室でお待ち下さい、と心の中で呟く。

 姿が見えると話しかける人が居るので、始業点検が済むと奥の診察室でひっそりと気配を消してブログのキーを叩く。朝、駅までの道で何を書くか構想を練ってくるので、三十分ほどで書けるのだが、思い余る時はつい書き過ぎてしまう。読み直しが不十分で誤字脱字も混入する。診療の手が空いた時、手を入れ改定訂正するので、夕方には文の印象が変わっていることがある。

 毎朝欠かさず血圧と高脂血症の薬を飲んでいるのだが、ブログを書くのは精神安定剤と言うか、呆け防止薬というか、書いて効く薬と感じている。さて、読んで効く薬かどうかは、保障の限りではない。

コメント
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