内科診療では生活指導が必須だ。上手に説得して食事量を減らさせ塩味を減らさせ運動を続けさせる、それも診断や薬の選択と同じように医師の実力のうちなのだろうが、五十年やっていても中々難しい。毎回判で押したように注意するだけなら簡単だが、それでは人間という相手の生活を実際に変化させることは難しい。食品模型で具体的な量を示したり、記録を付けさせたり、色々工夫して指導している。繰り返し根気よく、しかも嫌がられないようにお話しする努力をしているのだが、果たして合格点が取れているだろうか。
こんなに暑いとどうしてもアイスクリームやビールに手が出てしまう気持ちが痛いほどわかる。自分にも難しいことを、一言で止めろとは言いにくい。