パソコンが売り出されたときの掛け声のひとつに、ペーパーレスというのがあった。
その言葉は、いまではあまり聞かれない。
紙をすっかりなくすことはできないとバレてしまったからか、言葉の響きがあまりよくないので嫌がられたのか。
紙と電子データと、どちらがよいかは、事と次第ではなく事と場合による。
比べたときにどちらがどういう点でよいのか、それで決まるのだろう。
何もかもひっくるめてあちらがよいか、いやこっちだなどという判定はできるものではない。
最近6ページものの資料を作ったが、これでよいかと見定めるとき、やはりディスプレイは紙にはかなわなかった。
大きな違いは、視線の動かし方と見る対象の動かし方だ。
視線を動かさずに、見る対象のほうを大きく動かすと、見落としに気づきにくい。
前に書かれていたことが、似た場面ではまた同じ内容で書かれていると思い込んで読み違える。電子ディスプレイの場合にはその心理的残像が邪魔をするのではないかと思う。
TVで津波の惨状の同じ場面を何度も見せられ、千年に一度くらいのことが、また明日にもすぐ起きるように思い込めば、大きな判断の誤りのもとにもなる。
やはりなにごとにも、万能はないのだ。
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