ディスククリーンアップを実行すると、「削除するファイル」を選択する窓が出てくる。
そのなかには「古いファイルの圧縮」という項目がある。
いつだったか、この項目にチェックを入れて削除対象に入れても、きれいにゼロにならないのですっきりしないという話を聞いた。
何かの都合で削除できないファイルもあるだろうから、少しぐらい残っても仕方がないだろうと、そのときは思っていた。
パソコンの操作過程では、説明が表示されても、丹念に読まずにどんどん進めていって、操作が終わればそれでよしとしてしまうことが多い。
だが、パソコンの動作を早くしたいというつもりでやってきた操作が、逆の結果を招くことになる場合もあると聞いては、迂闊にすいすいと進めるわけにはいかない。
ディスククリーンアップの「古いファイルの圧縮」は、どうもそのことにかかわりがありそうなのである。
窓の中に書かれた説明をよく読むと、「ファイルはどれも削除されず・・・」となっているではないか。
削除されないのだから別の形になって残る。それなら消えてなくならないのはあたりまえだったのだ。
「削除するファイル」の欄の中に、削除されないファイルが入っている。
異質のものを紛れ込ませる方法が、姑息ではあっても特異な手段として用いられることはある。
手段には何か目的があるのだが、この紛れ込みには目的はないらしい。
手段として入れられているのではなく、プログラム作成作業の効率を上げるだけのことでしかなさそうである。
ひと口に言えば、面倒だから突っ込んでおけ、説明をつけておけばよいだろうぐらいのことで、ここに収まったとしか思えない。
ここで圧縮をしてしまうと、次の機会にそのファイルを呼び出すときは解凍しなければならない。解凍にはそれなりの時間がかかるから、直接呼び出せるようになっているファイルよりも開くのが遅くなる。
動作を早くしたいと思ったのにある場合には逆に遅くなる。
これは違うぞと見破った人は、「古いファイルの圧縮」にチェックを入れて「ディスク クリーンアップ」を実施すると、ファイルの圧縮が始まってしまうので、通常はチェックを外しておこうと考える。
ディスククリーンアップというのは、体積を減らして片付いたことにしておく津波被災地の瓦礫処理にどこか似ているような気がして、なんとも釈然としないのである。