花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

最後の学割

2025年01月24日 | 研究
FLORAの遠征は、ほぼ新幹線を使うので学生割引がつきもの。
申請用紙を書いて、たくさんの先生方から押印してもらい
最後に事務室に提出し、発行してもらいます。
もちろん先生が不在だと押印してもらえません。
なかなか進まない双六はデジタル時代の今、かなり旧式なシステムですが
先生は押印してくださる際に、一言激励の声をかけてくださいます。
モチベーションが上がるシチュエーションのひとつに
「自分の取り組みを評価してもらう」というものがあります。
会う先生、会う先生、その都度みんな頑張っていることを褒めてくれます。
そう考えると、この旧式のシステムもいいところがあるのです。
さてFLORAは2月下旬に大阪で行われる毎日地球未来賞の授賞式に参加します。
これが最後の遠征。まるで卒業旅行です。
ということはこれが名農最後の学割申請となります。
先生方とコミュニケーションをとるメンバーはみんな笑顔。
なぜなら受賞は誰かの研究に与えられたものではなく、
FLORA HUNTERS AQUAのみんなの活動が評価されたからです。
この写真は2023年8月、彼らがFLORAに入って
初めて東京遠征に行った時のもの。当時と違い、背負うリュックには
2年間の思い出がいっぱい詰まっているはずです。
最後は大阪遠征。思い出が入るスペースはまだありますか?
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冬のキャンパスカラー

2025年01月23日 | 学校
冬の名農のキャンパスは雪をかぶっています。
葉を落とした樹木の枝に積もった雪はまるで桜の花が咲いたよう。
冬でも晴天が多い青森県南地方ならでの美しい風景です。
ところで黒い樹木。青空と白い雪。この3色のコントラストは
サッカーの「ガンバ大阪」、つまりPanasonicのカラーでもあります。
黒、青、白は、このようにきれいな配色ですが、
なぜか今までパワーポイントに用いたことはありません。
もし機会があったら、この名農の「冬の3色」で構成した
図表にチャレンジしたいものです。
もしかしたら春や夏、秋バージョンの配色も発見できるかもしれません。
さて3年生は来週月曜日が最後の課題研究。
翌日から卒業をかけた最後の学年末考査となります。
卒業式は3月1日。ほとんどの高校がこの日です。
しかし以前、3月にもう少し余裕があった時代は学校によって違いました。
記憶にあるのは3月1日は代々お隣三本木農業高校の卒業式。
名久井農業高校は3月3日でした。ひな祭りが卒業式とは、
地域に愛されている小さな農業高校にふさわしいとよく話していたものです。
名農と三農は同じ農業高校なので、先生方も2校間でよく異動があります。
お世話になった部活動の先生、はたまた担任の先生が
卒業を待たず途中で異動してしまうことがないわけではありません。
でも2校の卒業式の日が違うと、異動された先生が来賓として
駆けつけてくれたものです。卒業まで1ヶ月となりました。
冬の美しい名農のキャンパスカラーを目に焼き付けて欲しいものです。
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未公開研究

2025年01月23日 | 環境システム科
これは2年生のFLORA HUNTERSが昨年取り組んだミニハクサイの研究。
硝酸態窒素含有量の少ない野菜を栽培するという昔からあるテーマです。
でも彼のアプローチはちょっとユニーク。
まず栽培は露地ではなく水耕栽培という点。
これは水耕栽培を学ぶ環境システム科に所属しているからですが
養液飲み放題の水耕栽培ではどうしても硝酸態窒素が多くなることがわかっています。
彼のとった作戦は肥料の半分を尿素に置き換えること。
尿素は微生物によってアンモニア態窒素になり、また違う微生物によって
硝酸態窒素になり、やっと植物に吸収されます。
普通は、早く大きくなってもらいたいため、最初から
アンモニア態窒素と硝酸態窒素の入った肥料を使いますが
変換に手間のかかる尿素にすることで吸収量を抑えようという作戦です。
でもハクサイは好硝酸性植物なのでこれだと栄養不足で貧弱。そこで光合成に必要な
波長440nmと650nmの赤と青の光を照射して生育を促進させました。
するとどうでしょう。とんでもなく生育が良いのです。
また植物体に含まれている硝酸態窒素は50%も減少しました。
おそらくハクサイは吸収した僅かな硝酸態窒素を
旺盛な光合成によって合成した糖と反応させて、
生育に使われるタンパク質を合成したと考えられます。
つまり硝酸態窒素は、蓄積されずほぼ使われたのではないかと彼は考えています。
水耕栽培が得意な環境システム科FLORA HUNTERSに
園芸科学科時代のTEAM FLORA PHOTONICSお得意の
光マジックを重ねたような研究は、まだどこにも発表していませんお宝です。
まもなくFFJレポートの提出日。完成したでしょうか?
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直しは? 要りません!

2025年01月22日 | 学校
ずらりと並んだ8名。掲げる賞状が誇らしく見えます。
彼ら、彼女らは農業クラブFFJ検定の特級に今年輝いたメンバー。
FFJ検定とはプロジェクト活動、つまり研究成果を客観的に評価する制度。
初級、中級、上級、そして特級の4つのレベルがあります。
全国でも50名もいない最高位に輝いたレジェンドの8名が
小さな農業高校である名農生とは本当に快挙です。
さらに嬉しいのは7名がFLORA HUNTERS AQUA。
ミストが話題となり、スポットライトが当たりましたが
実はそれぞれ高いレベルの研究をしていたことが証明できました。
賞状が伝達されるのは卒業式前日の賞状授与式。
8名が胸を張って賞状を手にするはずです。おめでとうございます。
現在、FFJ検定上級のためのレポート作りに励んでいる2年生にとって
最高位を受賞した先輩は眩しい存在。
1年後、自分たちも先輩に続けるよう頑張ってもらいたいものです。
さて3年生は課題研究で卒業論文を書くのが一般的です。
しかし今年のFLORA HUNTERSは直しどころか提出も不要。
最高位に輝いたレジェンドたちに
今さらレポートを提出させるほど野暮ではありません。
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南部の柿の物語

2025年01月22日 | 生物生産科
今年も南部町特産の妙丹柿の干し柿ができました。
この柿は小ぶりな渋柿ですが、干し柿にするとねっとり甘く
美味しいことから、その昔、南部の殿様が他県からいただき、
この青森県南を中心に食文化として根付いています。
しかし最近は妙丹柿の消費者も生産者も激減しています。
TEAM FLORA PHOTONICSは、この特産妙丹柿の復興を願い
2010年から光による渋抜き技術を開発。2011年に京都大学で行われた
科学アイデアコンテストでグランプリを受賞しました。
すると地元メーカーからFLORAに協力依頼が来ます。
そこで1ヶ月の時間をいただき、新聞記者さんも招いて
新しい真空による渋抜きを披露し、大いに話題となりました。
その後FLORAは、生物生産科の生物工学研究班に技術化を依頼。
その結果、地元メーカーが商品として今も販売しています。
ぜひメーカーのホームページやPR動画をご覧ください。
2018年FLORAは再度、妙丹柿に着目。ここで行ったのはドライ粉末化です。
粉になった妙丹柿は柿の風味を残しながら和三盆糖のような優しい甘さ。
文化祭でお餅にまぶして試食していただいたところ大好評でした。
実はこれがTEAM FLORA PHOTONICSの最後の研究でした。
ところが2023年に生物生産科の女子2名で食農班を立ち上げ、再び研究を開始。
とても嬉しいことなので、FLORAは全てのデータや物品を提供し応援しました。
その結果、新しい方法でのパウダー化に成功。
さらに干し柿の漬物も開発し、全国の食の大会で大活躍しました。
とてもFLORAにはできない技。大いに賞賛したいと思います。
そんな食農班も今年度をもって解散とのこと。お疲れ様でした。
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