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ヤチカッパとは喜界島のパンケーキのこと。
シマでは「ヤチムッチー」とか「カッパームッチー」と言うらしいが
うちの祖父母は「ヤチカッパ」と言っていた。
昔はそう呼んでいたのかな。
戦前、祖父がまだシマにいた頃は卵も黒糖も小麦も高級品だっただろう。
なかなか食べられない上等スイーツだったかもしれない。
「ヤチ」は「焼き」
「ムッチー」は「餅(お菓子全般のこと)」
「カッパ」は「痘痕(あばた)」
小麦粉と黒糖と卵を溶いてフライパンで焼くパンケーキ状のスイーツだ。
お茶にもコーヒーにも合うお茶請けである。
祖母が元気な頃はホントよく作っていた。
懐かしの味だ。
これを何を思ったか母が最近急に作りだした。
黒糖の分量が分からない、だの
祖母のはもっと黒糖たっぷりで黒っぽかった、だの
ぶつぶつ言いながら試作を繰り返している。
なかなか祖母の味にならないようだ。
祖母が生きている時はしょっちゅうヤチカッパを作っていたので
我々家族の間では大して珍しいものではなく、焼くのにそんなコツが
要るものだとは知らなかった。
何度か試作を重ねたあと甘さ控えめの一品が出来た。
祖母の作ったものほど濃厚ではないが、ワシはこれくらいのあっさり版が良い。
これが我が家のヤチカッパの新スタンダードになるのだろう。
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