教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

スピードグラファーの知られざる真実

2009-03-13 00:01:28 | オタネタ全般
(注意:本記事にはGONZOアニメ作品スピードグラファー最終話のネタバレを含んでいます)

ある方のblog(※1)でスピードグラファー絶賛記事がのっており、それを見て急にスピードグラファーを見たくなってしまい、思わず一気に最終話まで見てしまった。

この作品の良さはいずれ語るとして、今回は最終話をよくよく観察して浮かび上がる、知られざる裏舞台について考察したい。
(アニメ版しか見ていないので小説その他については触れない)



> 米大統領補佐官
> 「今入った情報ですが、天王州グループの総資産約8兆ドルが行方不明になっています」

> 米大統領
> 「何!?」

> 米大統領補佐官
> 「なんてこと!しかも日銀は天王州グループに対して10兆ドルもの増資をしているようです!」

> 駐日米大使
> 「まさか、水天宮はその全てとともに自爆を…?」

> 米国防長官
> 「そんなことをしたら、日本が国家破産するぞ!」

> 米大統領補佐官
> 「ただでさえ、日本には20兆ドルの財政赤字があります!」

>米国防長官
> 「破産したら、国際マーケットから40兆ドルが消失することになるのか…?」

> 米大統領
> 「マーケットが開くまでに何か手を打て! 金融パニックが起きるぞ!」

> 米大統領補佐官
> 「無理です。もうまもなくニューヨーク市場が開いてしまいます!」

> 米大統領
「なんという事だ…!」



用語の解説をしよう。
総資産とは、自分の(会社の)お金と借金をあわせた全ての資産のことを指す。
純資産とは、総資産から借金を引いたもので、自分の(会社の)お金そのものを指す。
増資とは、自分の(会社の)お金を増やす行為のことで、通常は株を追加発行し誰かに買ってもらうことで行う。
ついでに、融資とは、借金をして手持ちのお金を増やす行為のことをいう。

これじゃー良くわからんから、会社経営にでも例えよう。

□株式会社二次元愛は株を発行し、それを誰かに買ってもらって10億円調達しました。
□株式会社二次元愛は銀行に行って頭を下げて融資してもらい、9億円借りてきました。
□合わせた19億円でオフィルビルを買い、賃料収入でカネを稼ぐことにしました。

そうすると、総資産は19億円、負債は9億円、純資産は10億円。



さて、アニメの話にもどる。

このアニメは2005年にもかかわらず金融恐慌を題材にしているのは、かなり着眼点が鋭いと関心せざるをえない。
まあ、それはおいといて。

水天宮はもともと会社を潰して大恐慌を引き起こそうとした。
なので、ふつうに考えたらあのデカい本社ビルなんかを担保にして、銀行からしこたま融資を受けていたと考えられる。
そうすると、総資産8兆ドルのうちのかなりの部分は借金により賄われていると考えたほうがよい。
たぶん巨大企業なら総資産の8割くらいまでは簡単に借金で調達できてしまう。
ヘタしたら債務超過かもしれない。

天王州グループの総資産 : 8兆ドル
日銀→天王州グループへの増資 : 10兆ドル

10兆ドルの増資をしているにもかかわらず総資産8兆ドル、なおかつ総資産8兆ドルのうちのほとんどは借金とは、こいつはもうひどいダメ企業だ。



さっきの会社経営の話にでも例えよう。

□オフィルビルを買った直後にバブルがはじけ、ビルの価値が8億円になってしまいました。

そうすると、総資産は8億円、負債は9億円、純資産はマイナス1億円。
最初に10億円で増資をうけた分は全損。



ここから浮かび上がることは・・・

すでに水天宮は天王州グループがどのみち崩壊するように仕組んでいたのだ。
水天宮は最終回であんな大芝居を打つ必要もなかったのである。

天王洲神泉は何話か前で「天王洲グループは拡大の時期は過ぎた」みたいなことを言っていた。
いま思えば恐らく、内情が火の車なのを知っており、市場を独占的に確保したのでこれ以上の売り上げの伸びしろがなく、追加で借金してまで事業を拡大して勝負に出る必要はないと悟っていたのだろうとも思えてくる。

ではなぜ水天宮はあんな最終回を用意したのだろう。
すでに目標は達成しており、あとは自然崩壊を待つばかりだったのに。

ハデな死にかたをしたかったのだろうか?
死ぬときはベッドの上ではなく戦って死にたかったのだろうか?



【※1 スピードグラファー記事のblog】
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