世間のアンチラノベ派によると
「昨今のライトノベルは中身の稚拙さを表紙絵でごまかしているダメ商品だ」
という意見がある。
ある意味じつにもっともだと頷いてしまう。
実際にラノベをジャケ買いして大失敗したのも覚えられないほどたくさんあるわけで、基本的にこの意見には反対する気はない。
しかし!
世の中には、パラダイムシフトといっていいほど異なる意見もあることを知っておいてほしい。
高橋慶太郎というイラストレーター/漫画家がいる。
いまはサンデーGXでヨルムンガンドを連載していて、ある程度知られた作家である。
彼のデビュー作はアフタヌーン増刊号だった。
彼はこれに Ordinary± というマンガを連載していた。(※1)
ヨルムンガルドを読んだあとだと衝撃が薄れてしまうが、そこいらのガンアクションものとはあきらかに何かが違う強烈に印象にのこるタッチで書かれており、わたしは第1話を読んだだけで「これはおもしろいぞ!」とホレこんだのだった。
万人に大ヒットしそうな感じではないが、わたしのように強烈に好きになった人は少なからずいるのは間違いなかろう。
このアフタヌーン増刊号はいま出版されている増刊号のgood!アフタヌーンとは別個のもので、2002年ごろわずかな期間のみ出版され速攻休刊となったアフタヌーンの増刊号である。
この増刊号が休刊となるとき、人気の高い作品はアフタヌーン本体に移動することで続けられた。
しかし、残念なことにOrdinary± は連載打ち切りになった。
いくら待てども単行本化されなかった。
(最終的には5年ごしくらいで別会社から単行本化される)
わたしは半ば諦めつつも氏がマンガ家として復活するのを待っていた。
何年も経ったあるとき、隣のドッペルさん というラノベのイラストを担当することになったのを知った。
「これは買わねば!」と心に決めた。
本を入手した。
イラストは Ordinary± 以上にすばらしく最高だった。
小説本体ははじめからどーでもいいと割り切って買い、もちろん読んだが(略)だった。
しかしわたしは買って大満足している。
これもラノベの楽しみかたの一つだ。
わたしは言いたい。
「昨今のライトノベルは中身の稚拙さを表紙絵でごまかしているダメ商品だ」
という意見はラノベの本質を突いていない。
ラノベの楽しみかたの何割かを知らないのではないかとすら感じる。
ふつうの小説ならば、小説より挿絵のほうが重要だなんてありえない。
しかしラノベなら、挿絵のほうが重要だということが本当にありうるのだ。
(もちろん作家がイラスト無しでもたのしめる力量をそなえているほうが望ましいのは間違いないし、文章を読んで楽しむために買うほうが圧倒的に多いのも間違いない。)
追伸:
高橋慶太郎氏の公式webサイトはひところ無くなっていたが、ひさしぶりに見たら復活していた。
http://tthtk.blog39.fc2.com/
けど、昔みたいにイラストを公開しなくなってしまっていて非常に残念だ。
いやー、むかしのをいくつかHDDにコピーしておいて良かったわぁ・・・。
【※1 Ordinary±】
Ordinary±
高橋慶太郎
小学館(ただし連載は講談社で)
ISBN978-4-09-157114-4
とくにまだヨルムンガンドを読んでいないひとにおすすめ。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%A3%E3%83%BC%C2%B1-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BCGX%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E6%85%B6%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/409157114X/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1237210938&sr=8-2
「昨今のライトノベルは中身の稚拙さを表紙絵でごまかしているダメ商品だ」
という意見がある。
ある意味じつにもっともだと頷いてしまう。
実際にラノベをジャケ買いして大失敗したのも覚えられないほどたくさんあるわけで、基本的にこの意見には反対する気はない。
しかし!
世の中には、パラダイムシフトといっていいほど異なる意見もあることを知っておいてほしい。
高橋慶太郎というイラストレーター/漫画家がいる。
いまはサンデーGXでヨルムンガンドを連載していて、ある程度知られた作家である。
彼のデビュー作はアフタヌーン増刊号だった。
彼はこれに Ordinary± というマンガを連載していた。(※1)
ヨルムンガルドを読んだあとだと衝撃が薄れてしまうが、そこいらのガンアクションものとはあきらかに何かが違う強烈に印象にのこるタッチで書かれており、わたしは第1話を読んだだけで「これはおもしろいぞ!」とホレこんだのだった。
万人に大ヒットしそうな感じではないが、わたしのように強烈に好きになった人は少なからずいるのは間違いなかろう。
このアフタヌーン増刊号はいま出版されている増刊号のgood!アフタヌーンとは別個のもので、2002年ごろわずかな期間のみ出版され速攻休刊となったアフタヌーンの増刊号である。
この増刊号が休刊となるとき、人気の高い作品はアフタヌーン本体に移動することで続けられた。
しかし、残念なことにOrdinary± は連載打ち切りになった。
いくら待てども単行本化されなかった。
(最終的には5年ごしくらいで別会社から単行本化される)
わたしは半ば諦めつつも氏がマンガ家として復活するのを待っていた。
何年も経ったあるとき、隣のドッペルさん というラノベのイラストを担当することになったのを知った。
「これは買わねば!」と心に決めた。
本を入手した。
イラストは Ordinary± 以上にすばらしく最高だった。
小説本体ははじめからどーでもいいと割り切って買い、もちろん読んだが(略)だった。
しかしわたしは買って大満足している。
これもラノベの楽しみかたの一つだ。
わたしは言いたい。
「昨今のライトノベルは中身の稚拙さを表紙絵でごまかしているダメ商品だ」
という意見はラノベの本質を突いていない。
ラノベの楽しみかたの何割かを知らないのではないかとすら感じる。
ふつうの小説ならば、小説より挿絵のほうが重要だなんてありえない。
しかしラノベなら、挿絵のほうが重要だということが本当にありうるのだ。
(もちろん作家がイラスト無しでもたのしめる力量をそなえているほうが望ましいのは間違いないし、文章を読んで楽しむために買うほうが圧倒的に多いのも間違いない。)
追伸:
高橋慶太郎氏の公式webサイトはひところ無くなっていたが、ひさしぶりに見たら復活していた。
http://tthtk.blog39.fc2.com/
けど、昔みたいにイラストを公開しなくなってしまっていて非常に残念だ。
いやー、むかしのをいくつかHDDにコピーしておいて良かったわぁ・・・。
【※1 Ordinary±】
Ordinary±
高橋慶太郎
小学館(ただし連載は講談社で)
ISBN978-4-09-157114-4
とくにまだヨルムンガンドを読んでいないひとにおすすめ。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%A3%E3%83%BC%C2%B1-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BCGX%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E6%85%B6%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/409157114X/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1237210938&sr=8-2