教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

リアル CLOTH_LOAD はすぐそばに

2009-03-29 00:03:49 | 科学
CLOTH LOAD(クロスロオド)というマンガがある。(※1)

Wikipediaによると・・・

http://ja.wikipedia.org/wiki/CLOTH_ROAD
> コンピュータの小型化が進み、服にコンピュータを織り込むことができるようになったことで、着用者が服を自在に操ることができるようになった。
> それは社会にも影響を与え、服飾ブランドの影響力が著しく強くなり、「ウォーキング」 (WAR-KING) と呼ばれる、モデル同士が戦う、ファッションショーと決闘の要素を併せ持った見世物が開催されるようになっている。

となっている。
ようするに、高機能な服を着てどうのこうの・・・という話だ。
実はリアルワールドでもこれはイイ線いっているのを御存知だろうか?

これらはウェアラブルコンピュータといわれる。
身に着けるタイプのコンピュータのことだ。
最近になって注目をあびつつあるが、別に新しいものでも何でもない。
腕時計やらバーチャルボーイやらもこれに含むので、あんがい昔からそれに該当するものは存在する。

で、何でこれが最近注目をあびているかというと、言葉のとおりのものが最近ようやく作れるようになったからだ。
例えば服のなかに埋め込んでいっしょに洗えてしまうMP3プレーヤーなんてのも試作されたし、向こう側が透けて見えるペラペラな有機ELディスプレーなんてのも試作された。

本当の意味でウェアラブルコンピュータを実現するために必須の技術としてプリンタブルエレクトロニクスがあげられる。
基本的に半導体やら何やらの電子部品は数百億円もするような工場ぶっ建ててクリーンルームで作るものだが、そうじゃなくてインクジェットプリンタみたいなので作ってしまえ!って技術だ。
紙に印刷すれば折り曲げられるものができるし、ガラスに印刷すれば透明なものができるし、おまけにプリンタとインクを買ってくれば自宅でも作れる(ようになると思われる)。
色素増感型太陽電池や有機ELディスプレーなんかはこの技術をつかって作られている。
CLOTH_LOADのように服にコンピュータを織り込むには必須のテクノロジーだ。

プリンタブルエレクトロニクスとならんで必須の技術としてMEMSがあげられる。
MEMSとは、半導体プロセスを使ってつくる機械部品のことだ。
超微細なものを作るのは大得意な半導体プロセスを使ってつくるもんだから、米粒より小さいリレーやらマイクやら加速度センサが作られていて、ものによっては携帯電話の中に入っていることもある。

こう見てみると、CLOTH_LOADなみの世界がいまだ実現されていないのがフシギなくらいだが、CLOTH_LOADなみのウェアラブルコンピュータが作れない理由も当然ある。

プリンタブルエレクトロニクスでは、いまのところマトモな寿命でマトモな性能でマトモな信頼性のものが作れる用途が限られている。
つまり、たとえばプリンタブルエレクトロニクスを用いてトランジスタを作っても、半導体プロセスを使って作ったトランジスタより全然見劣りするものしか作れていない。
だから服にWindowsが載るほどのコンピュータを作れるほどにはいたっていない。

MEMSでは超小型の稼動部品が作れるが、そいつら同士が機械的に連結して全体として動くようなものはできていない。
つまり、たとえば顕微鏡つかわないと見えないような超小型タービンは作れても、自分自身が動くので精一杯で外に動力を供給できるほどのものは作れていない。
だからボタンを押すと服が動くようなものが作れるほどにはいたっていない。

しかし、これらの技術的限界はいずれ突破される可能性は十分あると思っている。
そのうちリアル CLOTH_LOAD が訪れる日が来るような気がする。



【※1 CLOTH LOAD】
CLOTH LOAD
倉田 英之 / okama
ウルトラジャンプ連載中
なぜか仮名はクロスロードではなくクロスロオドとなっている。
絵の感じはトップをねらえ2!のエンディングの絵っぽい、、、と思ってたら、どうたら本人のようだ。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=CLOTH+ROAD&x=0&y=0